【研究】福山大の科研費採択件数、広島県内の私立大トップに!
大学教員にとって日頃の研究を支える重要な財源の一つが、日本学術振興会による科学研究費補助金(科研費)です。その令和7年度(2025年度)の配分状況が公表され研究費の採択件数において、福山大学が広島県内の私立大学で第1位という結果になりました。また、医学部・歯学部のある大学を除く、中国・四国・九州地区の私立大学では第3位となりました。
日本私立大学協会が発行する『教育学術新聞』(令和7年6月11日付け)によれば、令和7年度に科研費の配分を受けた全国の私立等大学・専門職大学・大学院大学は596校です。教員が自らの研究経費として使える「直接経費」と、事務手続き費用や施設・設備の整備・維持費用など所属機関へ配分される「間接経費」とを併せた「配分経費(直接経費+間接経費)」の総額の多い順に並べた一覧表(分配を受けた596校)において、福山大学が全国で第137位に位置しています。
また、令和7年度の科研費における全国の新規応募件数は80,146件です。そのうち本学関係で採択された研究課題数は48件で、広島県内の私立大学で第1位となり、その配分経費の総額は6,123万円となりました。
福山大学の過去数年の採択件数(配分経費総額の全国順位)は、2015年が21件(200位)、2016年が25件(157位)、2017年が25件(174位)、2018年が27件(161位)、2019年が31件(174位)、2020年が34件(164位)、2021年が41件(149位)、2022年が42件(162位)、2023年が41件(165位)、2024年が39件(146位)、2025年が48件(137位)でした。教員・学生たちの弛まぬ努力により、科研費の採択件数とともに研究配分経費総額は、ほぼ右肩上がりに上昇してきました。
福山大学薬学部における、2025年度の採択課題(研究代表/新規・継続)は以下になります。
【基盤研究(C)】12件
☆道原 明宏/コレステロール逆輸送系を促進させる動脈硬化抑制作用と新規治療薬への応用[教員情報]
☆広瀬 雅一/教育用電子薬歴の開発と薬学的管理能力の向上への応用[教員情報]
☆重永 章/コンディショナルプロテオミクスの課題を克服するラジカル再結合型ラベル化試薬の創出[教員情報]
☆竹田 修三/脂肪酸アナログ有機フッ素化合物による乳がん悪性化の分子機構[教員情報]
☆佐藤 雄己/神経内分泌ペプチドに着目したクロザピン副作用バイオマーカー開発と漢方治療への応用[教員情報]
☆松岡 浩史/核内受容体の作動性リガンドの探索と動脈硬化治療への応用[教員情報]
☆今 重之/自己免疫疾患におけるトロンビン切断型ネフロネクチンと受容体との相互作用の機能解明[教員情報]
☆渡邊 正知/虚血再灌流障害に対する低体温誘導SUMO化修飾を介した血液脳関門保護機構の解明[教員情報]
☆木平 孝高/腎虚血再灌流障害におけるグルタチオン分解酵素を介したアポトーシス制御の役割[教員情報]
☆前原 昭次/COVID-19治療薬を目指した薬用植物エンドファイト培養エキス中の抗SARS-CoV-2活性物質[教員情報]
☆大西 正俊/脳出血後のキヌレニン経路の変動と抑うつ発症の関連性[教員情報]
☆本田 真知子/非アルコール性脂肪肝疾患における細胞外基質ネフロネクチンとその翻訳後修飾の役割[教員情報]
【若手研究】2件
☆喜屋武 龍二/触媒的アミノ酸側鎖重水素化反応を起点とした重水素が形成する相互作用体系化への挑戦[教員情報]
☆番匠谷 研吾/脳腫瘍における機能性高分子を利用した中性子捕捉療法のための新規ホウ素薬剤の開発[教員情報]
【学術変革領域研究(A)】1件
☆重永 章/ポリスルフィドミクスの拡張を可能とする新規タンパク質ラベル化試薬の創成[教員情報]
福山大学薬学部では、薬剤師に求められる科学的な思考力を養うため、さらに薬学部の幅広い知識と技能を修得するために、1年後期から4年前期に「基礎実習」を行います。その後、4年後期の「事前学習」や5年次の「病院・薬局実務実習」につなげ、薬のスペシャリストである薬剤師を養成します。
また、福山大学薬学部の研究室は、基礎薬学分野(化学系、物理系、生物系)、衛生薬学分野、医療薬学分野、薬学臨床分野の多岐にわたる領域を専門とした18研究室からなり、学生たちは4年生から6年生までの期間、各研究室へ分かれて課題研究に取り組んでいます。そして、6年制薬学部を卒業後は、薬剤師として医療現場で活躍するほかに、福山大学大学院の薬学研究科へ進学して研究活動を続け、更に高い専門性の修得を目指しています。