【グリーンサイエンス研究センター】学内外に広がる『福山大学研究ブランディング事業』の輪

【グリーンサイエンス研究センター】学内外に広がる『福山大学研究ブランディング事業』の輪

先日、韓国の木浦国立大学を訪問した佐藤准教授が、仲嶋学長補佐(研究担当)及び岩本グリーンサイエンス研究センター長とともに学長室を訪問して報告されたとのことです。学長室ブログメンバーの 吉﨑 が投稿します。

***************

福山大学グリーンサイエンス研究センター長の 岩本 です。

12月17日(月)の学長室ブログにあるように(記事はこちら)、生命工学部生物工学科佐藤准教授は、客員教授の中越教授とともに韓国南部にある木浦国立大学を訪問し、その報告のため学長室を訪ねました。同行は仲嶋 学長補佐と岩本グリーンサイエンス研究センター長です。ちなみに、木浦は“モッポ”と読みます。

現地での様子

まずは、現地での様子を先の 学長室ブログ でご覧ください。木浦国立大学でのシンポジウムは、先方が非常に忙しい時期と重なってしまったとのことで、皆さんすごく慌ただしいところに時間を工面してとても立派な冊子や横断幕まで用意して歓迎してくださったそうです。

学長室での報告風景、手前から順に佐藤准教授、仲嶋学長補佐、岩本グリーンサイエンス研究センター長、学長です

松田学長はブログの記事を詳細にご覧になっていたようで、高層ビルが立ち並ぶ大きな市街地を抱えているのに、干潟がよく保存されていることに感心されていました。また、特に木浦総合水産市場やその周辺での魚の干物の屋台に興味津々で、「魚がすごいですね!」とおっしゃっていました。「昔は広島駅周辺でも同じように魚の屋台が並び、大勢の人が屋台の間を行ったり来たりしてとても賑わいがありました。でも、今ではこういう風景は見られませんね。」とのこと。

木浦大学との連携の可能性

佐藤准教授が訪問したのは、木浦国立大学海洋・島嶼文化研究所というところで、どちらかというと文系研究を行う研究者が多く所属されています。佐藤准教授によると、韓国には動物学者が少ないそうで(魚類研究者は多い)、そういう意味では同研究所と佐藤准教授の環境・生態を中心とする 研究グループ とは相補性があり、連携研究の相性は良さそうだとのことでした。

また、同研究所の ホン教授とキム教授は完璧な日本語の使い手で、言語をまたがったコミュニケーションの障壁もありません。両教授及び研究所長は、来年に本学を訪れて研究交流を深めたいと非常に意欲的だったそうです。特に、木浦において進む島嶼周辺の文化研究は、人間文化学部が中心になって進めている『鞆学』と通じるものがあり、共通課題解決に向けた非常に良いディスカッションができるのではないかと期待しています。鞆の浦と言えば、古来より潮待ちの港として知られ、朝鮮通信使の寄港地にも度々指定されたことから、こちらも連携研究としては相性抜群だと思われます。

木浦国立大学でのシンポジウム要旨の表紙

学内での連携研究の可能性

このような話の流れの中で、12月1日(土)に因島の 内海生物資源研究所(マリンバイオセンター)で行われた有瀧 教授(海洋生物科学科)のシロギスに関する勉強会に話が飛びました。この勉強会では、有瀧教授や因島の大学院生と4年生が養殖について、また佐藤准教授がDNAを使った動物の食性の分析手法について、研究成果を発表するとともに話題提供を行いました。

シロギスの会に参加した劉講師(左)、張教授(中央)、有瀧教授(右)

ちょっと面白いのは、今回は経済学部の 教授と 講師もこの会に参加されたことです。(仲嶋 学長補佐も)普段は文系と理系の先生が同じ土俵で議論を戦わせることは(少なくとも本学では)まれですが、講演を聴いた張教授にはとても良い刺激になった様で、瀬戸内の養殖・水産業や環境・生態系の変化を、この地域の産業史の面から新たに見つめ直してみたい、そういった研究を学部またがってやってみたい!と着想され、実際に研究が始まりそうな予感です。松田学長も「それは非常に面白い、是非一丸となって進めてください。」とのことでした。

シロギスの会の集合写真、マリンバイオセンター水族館の玄関前にて

以上述べてきたように、福山大学の研究ブランディング事業『瀬戸内の里山、里海学』は松田学長のリーダーシップのもと、着実に学内に、また学外に、そしてグローバルに広がりつつあることが確認できた瞬間でした。学内外の皆さん、そして(この日本語の文章が読めたら)海外の皆さんも、是非一緒に『瀬戸内の里山、里海研究』を推し進めませんか?

 

学長から一言:全学を挙げてのブランディング事業「瀬戸内の里山・里海学」、そしてその中でも私立大学研究ブランディング事業に選ばれた「瀬戸内海 しまなみ沿岸生態系に眠る多面的機能の解明と産業支援・教育」は、色々苦労はありながらも、着実に前に横に深く広がっていますねッ!今後が楽しみ!!!