【☆学長短信☆】No.119「欠席回数が授業回数の1/3を超えた場合は受験できません」

梅雨に入り、前期も終わりに近づいてきました。学生の様子はいかがですか。
 
 授業で3回以上欠席している学生については、注意喚起のために、授業担当教員から担任教員に欠席情報が届けられていることでしょう。4月はじめに配布される「教務の手引き」には、「欠席回数が授業回数の1/3を超えた場合は受験できません」と明記してあり、通常、1科目は15回の授業で成り立っているので、欠席が5回を超えるとその科目の受験資格がなくなります。そういうわけで、3回目の欠席あたりから、授業担当者も担任教員も、その学生に特に注意を払うようになります。
 教員は、学生がきちんと授業に出席し、試験を受け、所定のレベル以上の成績を取って単位を取得して欲しいと願っています。その願いが、「(まずは欠席しないようにしなさい。)欠席回数が授業回数の1/3を超えた場合は受験できません」の文章に込められているのでしょう。この文言は「出席回数が授業回数の2/3以上の場合は受験出来ます」と、内容的には同じですが、発言者の教師の側から見ると、最初の方は、欠席の防止に焦点を当てて学生の行動を制御しようとしているのに対し、後者は、出席の促進に焦点を当てて学生の行動を制御しようとしています。この発言を受け止める側の学生への影響はどうでしょうか。
 制御焦点の違いが成績に及ぼす影響を、大学生を対象として調べた研究があります。解けない問題の混じった(すなわち必ずある程度の失敗経験をする)課題を行った後の、解ける問題の成績が、防止焦点型の教示(成績が基準より悪いと、前もって渡した賞を返してもらう)を受けた大学生のグループではがくんと落ちるのです。促進焦点型の教示(成績が基準より良いと賞がもらえる)を受けた学生は、解けない問題の混じった課題の成績はあまり芳しくないものの、その後の成績が落ちることはありませんでした。防止焦点型の教示は、学生を失敗から立ち直りにくくするようです。
 「もう3回欠席しているね。あと3回で、試験が受けられなくなるよ。ちゃんと朝起きなきゃ」と教員から注意を受けたのに朝起きられなかったら、落ち込んでしまい「もうダメ」、となりがちですが、「5回出席できているね。もう5回出席すれば試験は受けられるよ。授業は後何回残っているかな。」と言われて朝起きられなくても、受験可能性の残っている間は「なんとかしよう」「なんとかなるんじゃないか」と思う可能性が高いということでしょう。
 教員は(善意から)、とかく防止焦点型の注意を発しやすいですが、この種の注意は、その注意が守れず失敗したときに、学生に「自分はどうせだめなんだ」という無力感を学ばせやすいことに注意しましょう。
 最後に、この短信を事前に読んだ冨士副学長の感想です:居眠り等、集中力を欠く学生に対しては、「居眠りをしていると単位を落とすぞ」ではなく、「ここを理解すると授業が面白くなって眠くなくなるよ」等の「促進焦点型の教示」のほうが効果的であることは実感しています。

参考文献
●外山美樹
他(2018)「制御焦点がパーフォーマンスに及ぼす影響-学習性無力感パラダイムを用いた実験的検討-」 教育心理学研究,
66, 287-299.
●「フォーラム 休み方改革:睡眠6時間以上なら『報酬』」 2019.1.7.朝日新聞 

学生のすばらしい活躍です。
(1)学友会剣道部が大活躍です。6月9日に行われた第51回中四国女子学生剣道優勝大会において、経済学部経済学科スポーツマネージメントコース4年の福間未歩さんが優勝し、中四国地区女子学生剣士128名の頂点に立ちました。これにより、6月29日(土)~30日(日)に開催された第53回全日本女子学生剣道選手権大会に中四国地区チャンピオンとして出場し、あわせて、東西対抗戦に中四国地区第1代表として出場しました。女子チャンピオンとしての出場は創部以来初めてです。
 また、同じく6月9日に行われた男子の第66回中四国学生剣道選手権大会では、経済学部経済学科スポーツマネージメントコース2年の久保
克実君 が男子256名中16位、若林
大亜君が同8位の成績を得て、6月29日(土)~30日(日)に開催された第67回全日本学生剣道選手権大会の個人戦に出場しました。
詳細は学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/14723/
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/15255/

(2)学友会弓道部も大活躍です。6月29日(土)~30日(日)に開催された「第31回全国大学弓道選抜大会」に、中四国地区の代表として出場しました。この経緯は、学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/9307/
メンバーは、坂元 真君(生物工学科3年)、藤村天羽君(心理学科3年)、石部友貴君(税務会計学科2年)、岩本健佑君(建築学科4年)、松井大典君(海洋生物科学科3年)、山本峻輔君(生物工学科3年)、深坂春太君(スマートシステム学科3年)の計7名です。
 また、市民大会ではありますが、「ばら祭協賛 第40回福山市
近県弓道大会」では、石部友貴君が優勝、3人団体(福山大学A:藤村天羽君、石部友貴君、坂元 真君)でも優勝しました。
詳細は学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/14626/
 また、6月15日に開催された、第43回広島県学生弓道親善試合では、団体戦で福山大学aチーム(谷口さくらさん(生物工学科1年)、佐藤香奈恵さん(生命栄養科学科3年)、倉田菜々子さん(生物工学科3年))が優勝、さらに女子個人優勝は、倉田菜々子さんでした。この大会は、8月に開催される第67回全日本学生弓道選手権大会の予選を兼ねていており、藤村天羽君、坂元真君、田﨑剣人君(海洋生物科学科1年)、谷口さくらさん、佐藤香奈恵さん、倉田菜々子さんの計6名が予選を突破し個人戦の部に出場することになりました。

(3)情報工学科のボランティアスタッフが、「福山大道芸2019」において、360度カメラを用いた人数カウントと現場での撮影作業に多大な貢献をしたということで、「NPO法人えがおのまちづくりステッキ」より、感謝状をいただきました。良い地域連携になりましたね。
詳細は学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/14804/

(4)心理学科のボランティア団体である「PACE福山支部」の活動は、これまでも様々なところから表彰されてきましたが、今回は2019年度県防犯連合会「防犯功労者・団体表彰」で、功労ボランティア団体として表彰されました。おめでとうございます。

職員の活躍です。
(5)本学職員でもある学友会サッカー部の的場千壽監督が、7月3日からイタリアのナポリで開催される第30回ユニバーシアードにサッカー男子日本代表コーチとして参加します。がんばってください。詳細は学長室ブログで。
https://www.fukuyama-u.ac.jp/blog/15450/