【海洋生物科学科】びんごの姫×因島のハッサク=おいしいお寿司の誕生です!!〜福山大学と廻鮮寿司しまなみが新しい商品を開発しました〜

【海洋生物科学科】びんごの姫×因島のハッサク=おいしいお寿司の誕生です!!〜福山大学と廻鮮寿司しまなみが新しい商品を開発しました〜

海洋生物科学科沿岸資源培養学研究室有瀧教授が、因島キャンパス(内海生物資源研究所)で開発した養殖シロギス(ブランド名:びんごの姫)が昨年11月に市場へ初出荷され,全国でその名が知られるようになりました。この度、養殖シロギス(びんごの姫)と因島が発祥の八朔(ハッサク)をコラボさせた新たな商品を廻鮮寿司しまなみ(しまなみ寿司)と開発しました。そのレポートが有瀧教授から届きましたので、海洋生物科学科ブログメンバーの阪本が紹介します。

 


びんごの姫×因島のハッサク

福山大学は尾道市因島に内海生物資源研究所(因島キャンパス)を持ち、瀬戸内海の資源や自然環境を中核とした教育、研究活動を実施してきました。その中の一つに新たな魚類増養殖技術の開発が掲げられ、2015年からシロギスの完全養殖を進めています。ただ、水産業に貢献するには技術を開発しただけでは片手落ちで、生産物を「食べ物」として消費者の方々に利用していただくことが不可欠です。この度、「びんごの姫」と「因島の八朔(ハッサク)」をコラボさせた新たな商品を「廻鮮寿司しまなみ」と共に開発しました!!

養殖シロギス「びんごの姫」

福山大学では因島キャンパスの飼育施設を活用して、これまでシロギスの養殖技術開発を実施してきました。この取り組みは2015年にスタートしましたが、そのきっかけは地元企業の熱いメッセージが大きく関わっています。福山市を中心にしまなみ寿司を展開されておられるアペックスインターナショナルの大瀧社長から「福山大学とタッグを組んで地元に貢献できる活動をしてみたい」との強い要望が寄せられたのがことの発端です。その後、シロギスをモデルにしたプロジェクトが立ち上がり、握り寿司を中心にした商品開発やその評価を行って、養殖ならではの活魚での利用や食べていただく方々の性別、年齢別の嗜好を踏まえたマーケティングについても検討を進めてきました。

一方で、養殖の基礎技術をもとにした大量生産、出荷については福山市の水産卸商社クラハシと連携して温暖な地、沖縄での実証化を進め、現在10万尾レベルでの生産体制を構築しました。また、生産された養殖シロギスには「びんごの姫」という新たなブランドを命名し、商標に登録しております。

以上のように地域と連携して育て上げてきたびんごの姫を地域の皆さんに知っていただこうと、今年の2月17日、地元の中学・高校の生徒など62名に参加してもらい、因島キャンパスでお披露目会を開催しました。この催しは産官学の連携で、しまなみ寿司からは大瀧社長、尾道市からは平谷市長、福山大学からは大塚学長の列席のもと、開催され大盛況のうちに終了したのですが、話はそこで終わりませんでした。平谷尾道市長のご挨拶の中に「ここ因島は果樹栽培、特に多くの柑橘が育てられておりますが、ハッサクはこの島が発祥です。」というフレーズが盛り込まれておりました。地元の産業振興に熱い思いを持っておられる大瀧社長がすかさず「因島で育てられたびんごの姫とここが生まれ故郷のハッサクで新たな商品を開発してみたい」と直接平谷市長に申し込まれ、両者がガッチリと握手されました。

びんごの姫×ハッサクのコラボ寿司

それから一月が経ったころ、大瀧社長から「ハッサクとびんごの姫を使ったお寿司の試作品が形になりましたので、まず福山大学で鈴木理事長と大塚学長に食べてもらい、講評をいただきたい」との連絡が入りました。そこで3月28日、福山大学の理事長室で試食の場を持つことになりました。しまなみ寿司からは大瀧社長のほか、開発に当たられた社員の方2名がびんごの姫×ハッサクのコラボ寿司が詰まった折を持ち込まれました。

大瀧社長からは、これまで福山大学と連携してきた取り組みの経緯や先のお披露目会での顛末の話があった後、いよいよ折り詰めの蓋が開かれました。中には目にも鮮やかで美味しそうな12品の商品が並んでいました。

主なものをご紹介すると、上段の左はシロギスのフリッターを特製のハッサクマヨネーズで和えたもの、その隣はハッサクを器にしてシロギスのちらし寿司を詰めたもの、中段右から2番目はシロギスをハッサクの果汁で〆た握り寿司、下段一番右はハッサクの果肉を使ったシロギスの押し寿司。このほかにも活魚や炙ったシロギスの握りや瀬戸内名産、オニオコゼ、キジハタのお寿司など、どれをとっても逸品揃いです。ただ、その中でも鈴木理事長、大塚学長がこれは絶品と太鼓判を押したのはハッサクを器にしたお寿司でした。

曰く「見た目が可愛くて、綺麗な上に、ハッサクの甘み・酸味と白身のシロギスの相性がバッチリ」とのことでした。試食の後、これらの商品、特にハッサクを器にしたお寿司にどんな名前をつけて世に出そうかなどと、話が盛り上がりました。

今後は、4月中に福山大学で学生を対象にした開発商品の評価調査を行ったのちに、5月のゴールデンウイーク明けにお披露目会を開催することになりました。びんごの姫×ハッサクコラボ寿司、皆さんのお口に届く日はそう遠くないと思っております。どうぞお楽しみに!!

 

学長から一言:海洋生物科学科が因島キャンパスで開発に成功した完全養殖技術で大きく育ち、その名も「びんごの姫」と商標登録されたシロギスを使い、しまなみ寿司のスタッフが腕によりを掛けて作って下さった実に美味しいお寿司を理事長ともども頂く幸運に恵まれました。瀬戸内の八朔をふんだんに使った新たな作品にも舌鼓を打たせて頂きました。きっと大人気商品になること間違いなしです。