【海洋生物科学科】福山大学・尾道市・廻鮮寿司しまなみの連携企画「因島周辺の中高生の皆さんにお魚の美味しさを知ってもらう」を開催!!

【海洋生物科学科】福山大学・尾道市・廻鮮寿司しまなみの連携企画「因島周辺の中高生の皆さんにお魚の美味しさを知ってもらう」を開催!!

海洋生物科学科沿岸資源培養学研究室有瀧教授が、因島キャンパス(内海生物資源研究所)で開発した養殖シロギス(ブランド名:びんごの姫)が昨年11月に市場へ初出荷され,全国でその名が知られるようになりました。福山大学ではこの新しい技術の発祥の地である「尾道」と「因島」にスポットライトを当て,地元の中高生の皆さんに「びんごの姫」の美味しさを知ってもらい,水産の現状を考えていただく企画を開催しました。そのレポートが海洋生物科学科の太田教授から届きましたので、同学科学長室ブログ委員の阪本がお知らせします。

 


魚の美味しさ,水産業を取り巻く現状を知ってもらうために

養殖シロギス「びんごの姫」が市場へ初出荷され,全国でその名が知られるようになり、この功績は湯崎広島県知事からも高く評価されました。福山大学では、この新しい技術の発祥の地である「尾道」と「因島」を拠点に地域振興を図ってまいります。その第一弾として,今回は尾道市と廻鮮寿司しまなみ(株式会社アペックスインターナショナル)にご協力いただき,地元の中高生の皆さんに「びんごの姫」の美味しさを知ってもらい,水産の現状を考えてもらう連携企画を開催しました。

イベントは参加者多数で大盛況

尾道市の協力のもと、因島周辺の中学校と高等学校へイベントの開催案内を通知したところ,想定していた以上に反響が大きく,当初予定を大幅に上回る62名の参加希望がありました。当日は因島南中学校,因北中学校,因島重井中学校,尾道中学校・高等学校から生徒さんと引率教員の方々が,尾道市からは平谷市長をはじめ産業部農林水産課の方々が参加されました。また,因島市漁業協同組合からも箱崎代表理事組合長が快く参加を表明して下さるなど,実に豪華な顔ぶれとなりました。

絶品「びんごの姫」を堪能

大塚学長,平谷市長の開会の挨拶に始まり,参加者の皆さんは「シロギス養殖の展望」,「地元に根ざしたお寿司」,「尾道の水産業の現状とこれから」について各々解説を受けた後,「びんごの姫」の飼育施設や水族館等を見学いただきました。そして,待ちに待ったランチタイムでは廻鮮寿司しまなみの板前さんたちが丹精込めて握って下さったお寿司を堪能し,至福のひとときを楽しんでいただきました。お品書きはシロギスの握りとそれをバーナーで軽く炙った「炙り」,そして比較対照としてマダイ,ブリ,クロマグロの握りが付いた豪華5貫盛り🐟🍣。生徒の皆さんはもちろんですが,引率の先生方も生徒さんに負けないくらいの歓喜の声を上げて「美味しいね~!美味しいね~!」と喜んでおられました。その後,参加者の皆さんには福山大学が開発した「おいしさタグ」を使った食味アンケートにご協力いただき,「びんごの姫」の今後の商品開発,マーケティング戦略の構築に係る貴重な調査データも得ることができました。

有瀧教授が「シロギス養殖の展望」について解説

参加した中高生が大塚学長とともに飼育施設を見学

水槽から上げたばかりの養殖シロギス「びんごの姫」

回鮮寿司しまなみの板前さんによって調理される「びんごの姫」

豪華5貫盛り(左上からシロギスの握り,炙り,マダイ,ブリ,クロマグロの握り)

びんごの姫の商品展開について協議中の平谷市長と廻鮮寿司しまなみの大瀧社長

期待される今後の展開

今回の取り組みは参加者の皆さんにとって単にシロギスを食すだけではなく,水産業を取り巻く現状と課題,打開策の構築とその重要性についても学んでいただく好機になったように思います。アンケートの回答では「このようなイベントを開催することで生徒たちが地元のこと,環境のことを考えるきっかけとなるだろう。」「学校で調べるだけでなく実際に市役所や漁師さんの話を聞くことで生きた学習になった。」「生徒たちの地域に対する愛着が生まれるのではないか。」「将来福山大学に行きたい,こんな仕事がしたい,起業したいと思う生徒もいるのではないか。」といったコメントも頂戴しており,生徒さん以外に教員や市役所職員の方々からも想定した以上の反響があったと感じています。沿岸資源培養学研究室では、シロギス養殖はあくまでも沿岸漁業の振興を図る上での基礎を担うものと捉え,得られた基礎的な知見を瀬戸内海の沿岸漁業種の増養殖に展開することを計画しています。今後はシロギスに続いてオニオコゼやキジハタなど様々な魚種で新しい企画を打ち出していきたいと思います。

 

学長から一言:因島キャンパスで開催され、福大の養殖シロギス「びんごの姫」を地元の皆さん、とくに中高生によりよく知ってもらおうと、尾道市および廻鮮寿司しまなみの(株)アペックスインターナショナル社と本学とが共催した企画は大成功。ご多忙の中、ご臨席下さった平谷尾道市長をはじめ、皆様のお蔭で、獲る漁業から育てる漁業への転換を図り、地元水産業の振興に貢献する福山大学に対する理解が深まったことでしょう。