【生命栄養科学科】ピオーネを使ったレシピ開発①~生産者との交流会~

【生命栄養科学科】ピオーネを使ったレシピ開発①~生産者との交流会~

生命栄養科学科では、地域食材を用いたレシピ開発や地域の方々との交流を積極的に行っています。本年度は、三次市のピオーネを使ったスイーツレシピ開発にチャレンジしています。7月27日(火)、ピオーネ生産者の方と交流会を行ってきましたので、その様子について山本助手から紹介します。(投稿はブログメンバーI)

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今回は、生命栄養科学科の4年生が挑戦する「三次市のピオーネを使ったスイーツレシピ開発」の様子を紹介します。

〇レシピ開発事業の紹介

このレシピ開発は、広島県農林水産局の委託事業「令和3年度ひろしま地域食材PR促進事業」の一環として、生命栄養科学科の4年生が取り組んでいるものです。メンバーは、栄養教育研究室ゼミ生と栄養教諭履修生の学生5名、そして西准教授と山本助手の教員2名です。

本事業の活動内容は、主に3つあります。

①広島県産食材を用いたレシピ開発

②使用食材の生産者との交流

③開発したレシピの試食会

今回は、②との関連で、三次市のピオーネ生産者の方との交流について以下報告します。

 

〇生産者の方と交流会

農事組合法人三次ピオーネ生産組合の皆様にお世話になりました。三次市で作られるピオーネについての話を伺い、圃場を見学させていただきました。

 

    <感染症対策のため、ソーシャルディスタンスを十分にとって!>

 

三次市でピオーネが作られるようになった歴史やピオーネ栽培に適した三次市の風土、市場の開拓からブランド化までの苦労、そしてブランド品としての品質維持・向上に向けた生産者の取り組み等々・・・、盛りだくさんの興味深い話を伺いました。資料もいただき、学生からの質問にも一つ一つ回答しながら、丁寧に教えてくださいました。

今年で47周年を迎える三次ピオーネ生産組合ですが、その始まりはなんと、山林を開墾するところから! 山林を切りひらき、ピオーネを生産するため土壌を整え、今の圃場を作り上げていったそうです。さらに、当時は新品種であり、まだ知名度の低かったピオーネでしたが、組合員の方が自らデパートへ試食販売に出かけるなど地道な活動を続けた結果、現在の最高級ブドウ「黒い真珠 三次市のピオーネ」の名声や地位を確立したそうです。生産者の方の苦労や思いを感じることができました。

<『黒い真珠』三次市のピオーネ。色が濃く粒が大きいのが特徴です。糖度は18度くらいで高いですが、さっぱりした甘さで非常においしいです。>

 

〇圃場見学

お話を伺った後は、ブドウ圃場に移動し、見学させていただきました。

ここでは、ハウス栽培と路地栽培の2種類の方法でピオーネ栽培がされていました。ハウス栽培の方はちょうど出荷前で、大きく実ったピオーネがたくさんありました。

上の写真は手入れ前のぶどうです。ぶどうは一房あたり100粒ほど実がつくので、30粒くらいまで間引いて、大きく甘い実になるようしているそうです。もちろん、すべて手作業で!

収穫後は、粒の色や大きさ、形によって4つの等級に分けられ、出荷用に箱詰めされていきます。また、収穫後はすぐに出荷され、早いところでは収穫した翌日には店頭で販売されているそうです。獲れたて新鮮なピオーネ、是非皆さんも味わってみてくださいね!

 

〇三次ワイナリー、トレッタ三次見学

圃場見学後は、広島三次ワイナリーとトレッタ三次を見学しました。私たちの目指す「地域の食材の魅力を活かしたスイーツ作り」、そのヒントを得ようと訪問しましたが、その成果はいかに・・・。試作会が楽しみですね!

 

最後に、今回の交流会を通じての学生の感想を紹介します。(一部抜粋)

Aさん:「昼夜の寒暖差により大きくて糖度の高い三次のピオーネが出来ていると知りました。一房のぶどうにたくさんの人の手が加わっていることを知り、このピオーネを使って良いスイーツレシピを開発したいと思いました。」

Kさん:「黒いブドウは気温が暖かいと色が付きにくいため、栽培には昼夜の気温差が大切で、10℃の差があると栽培に適していることが分かりました。また、ビニールハウスの栽培では温度管理を徹底し、ダニ対策や猪対策など様々な工夫がされていると感じました。ピオーネは粒が大きく、糖度は18度と甘く、とても美味しかったです。このピオーネの良さをしっかり活かして、レシピ考案をしたいと思います。」

 

栄養教育研究室の学生は、ピオーネ栽培では様々な工夫が凝らされ、品質維持に注力されているところが印象深かったようです。レシピ開発にもいっそう力が入ります!

また、栄養教諭を目指して勉強中の学生からは、食育の視点からの感想もありました。

Tさん:「三次ピオーネができる歴史や経緯など教えていただきました。気温や雪害など、多くの困難を乗り越えて作られていることを知ることが出来ました。地産地消の食育で、地域の食材にはたくさんの人の苦労や努力があることを児童生徒に伝えたいです。」

Iさん:「収穫時期以外の間引きや土の手入れなど、美味しいピオーネを作るために様々な努力があることを知ることができました。三次ピオーネの魅力や農家の皆さんの努力が児童へ伝わる食育を考えていきたいと感じました。」

Mさん:「その土地の特徴を最大限に活用することで、おいしいぶどうを作ることができると学びました。地域の特産品は、その土地の特徴を最大限に活かして栽培されていること、地域の特色が表れていること、地産地消の魅力を伝えられる食育を考えたいです。」

栄養教諭を目指す学生は、食育の面から今回学んだことを子どもたちに「伝えたい」という感想でした。スイーツのレシピ開発はもちろん、三次市の魅力もしっかり伝えられるように取り組んでいくことでしょう!

 

今回の交流会でお世話になった農事組合法人三次ピオーネ生産組合の皆様、本当にありがとうございました!この学びを活かし、三次市のピオーネの魅力をPRできるようにしっかり取り組んでいきます。

 

この事業に関しての連絡先:

福山大学生命工学部生命栄養科学科 栄養教育研究室 准教授 西 彰子

                         助 手 山本沙也加

(過去の取り組みはこちら⇒「本郷柿を使用したスイーツレシピ開発①試作の様子②試食会」「せとだエコレモンを使用したスイーツレシピ開発①交流会②試食会」)

 

 

学長から一言:「黒い真珠」の別名を持つ秋の恵み、三次ピオーネの生産現場での学習は、店頭に並んだブドウを食材として買って来るのとはまったく違った多くの「収穫」があったことでしょう。普段何気なく口にしている一粒一粒には生産者の熱い思いが込められていることが分かりました。現地で指導に当たって下さった三次ピオーネ生産組合の皆様ほか、関係の方々に心から感謝したいものです。次は、ほっぺたが落ちるほどのスイーツ作りや子ども達への食育指導の方法で、受けたご恩に報いたいですね。