【薬学部】学術大会で学生4名が「学生発表奨励賞」を受賞!

【薬学部】学術大会で学生4名が「学生発表奨励賞」を受賞!

第59回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会」が島根県松江市で開催される予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、2020年12月7日~2021年1月6日の期間にWeb開催となりました。この大会において優れた研究成果を発表した学生に贈られる「学生発表奨励賞」を学生4名が受賞しました。薬学部の松岡が報告します(学長室ブロガーの薬学部AIの投稿です)。

福山大学の薬学部には20研究室あり、基礎薬学分野(化学系2、生物系4、物理系4)の10研究室、衛生薬学分野の2研究室、医療薬学分野の5研究室、薬学臨床分野の3研究室から構成されています(研究室一覧はこちら)。

学生は3年生の後期から6年生の卒業までの期間、各研究室へ配属され、研究室教員の指導のもとに課題研究に取り組みます。今回の受賞は、日頃の学生たちの努力が実った結果です。

鶴田学部長より各学生に一人ずつ賞状が手渡され、激励の言葉が贈られました。

 

各受賞者の研究内容は、以下のとおりです。

大石 亜美さん(5年生/病態生理・ゲノム機能学研究室

[受賞研究テーマ]

RORα核内受容体の活性化による24S-ヒドロキシコレステロールの代謝誘導系の解析

[研究の概要]

24S-ヒドロキシコレステロール(24S-OHC)の代謝酵素であるCYP39A1の発現低下は24S-OHCを蓄積させ、アルツハイマー病などの神経変性疾患の発症に関与しています。そこで、CYP39A1発現を支配する方法論を確立するための研究を行ってきました。その結果、RORα核内受容体の作動薬及び逆作動薬により、それぞれCYP39A1発現を亢進及び抑制できることを明らかにしました。今後さらに研究を発展させることで、神経変性症の治療応用が可能になると期待されます。本研究の一部は、大石さんも共著の一人として投稿され、科学誌 International Journal of Molecular Sciencesに掲載されました。

大石 亜美さん

 

濱島 崇寛さん(5年生/病態生理・ゲノム機能学研究室

[受賞研究テーマ]

CLDND1細胞接着分子のエンハンサー領域に作用する転写因子の同定

[研究の概要]

CLDND1は細胞同士の密着結合に関わる膜タンパク質だと推測されており、細胞間の物質透過性を制御する分子として脳卒中との関連が示唆されています。そこで、CLDND1による細胞間物質透過性の制御を目指し、研究を行ってきました。その結果、CLDND1発現に関わる転写制御配列及び転写制御因子の存在を明らかにすることができました。今後、さらに研究を発展させることで、脳卒中発症おいて細胞接着分子を発現誘導させるような新たな薬物療法の開発につながることが期待されます。本研究の一部は、濱島さんも共著の一人として投稿され、科学誌 BPB Reportsに掲載されました。

濱島 崇寛さん

木原 右人さん(5年生/医薬品化学研究室

[受賞研究テーマ]

熱電子環状反応を用いた新規pyrano[3,2-a]carbazole骨格合成法の開発研究

[研究の概要]

Pyrano[3,2-a]carbazole骨格を持ち、様々な種を起源として単離される天然物類には、生理活性としてヒトがん細胞に対する細胞毒性など様々な活性を有することが報告されています。今回、girinimbinをはじめとするpyranocarbazole類を標的化合物として設定し、その共通する骨格合成に熱電子環状反応を鍵反応とした新規合成法の確立と全合成研究に挑戦した内容です。現在、最終ステップの反応を検討するとともに、医薬品素材としての可能性を確かめています。

木原 右人さん

町支 七瀬さん(5年生/医薬品化学研究室

[受賞研究テーマ]

新規pyrrolo[2,3-c]carbazole骨格構築法の開発研究及びdictyodendrin類の全合成研究

[研究の概要]

抗腫瘍活性を有するとともに、pyrrolo[2,3-c]carbazole 骨格を持つdictyodendrin 類は、世界中の多くの研究グループによって全合成研究が行われている天然物群です。この天然物のコア構造であるpyrrolocarbazole骨格合成に集積型二重結合のアレン(C=C=C)を組込んだ共役トリエン構造を分子設計し、これに対する熱環化反応を検討した結果、本骨格構築に成功しています。現在、dictyodendrin 類の全合成に挑戦している内容です。

町支 七瀬さん

学生の皆さんは日頃の努力の成果が評価され、大変うれしそうに賞状を受け取りました。

研究室主宰の教授とともに、喜びを分かち合いました。

左から順に道原教授、大石さん、濱島さん、鶴田学部長

左から順に町支教授、木原さん、町支さん、鶴田学部長

これを励みに、今後もさらに研究に取り組んでください。

さて、この受賞の喜びを伝えるために学長室を訪問しました。

自己紹介後、それぞれが受賞した研究内容について、簡単に説明させていただきました。

松田学長より一人ずつに激励の言葉をいただきました。今後も、研究や勉強に励んでください。

2020年12月に竣工した未来創造館には薬学部の20研究室が移り、研究室間の垣根を越えたオープンラボスタイルで、さらに研究が躍進することが期待されています。

 

学長から一言:薬学部も5年生になると、研究内容もずいぶんとハイレベルですねッ!皆さん、おめでとうございます!もう一年しっかりがんばって、研究力のある薬剤師に育ってください!期待していま~す!!!