薬学部

Faculty of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences

生体有機化学研究室

化学の力で生命現象を解明する

当研究室では有機合成化学を基盤とし、生命現象解明のためのツールの開発やそれに資する基礎化学研究を行っています。

お知らせ

過去のお知らせ

  • 2021.03.29 日本薬学会 第141年会(広島)において5年生 津山 詩織さんと福田 萌花さんがZoomによりポスター発表を行いました。
  • 2021.03.20 生体有機化学研究室(旧 生体機能解析学研究室)所属の6年生5名(小林 美咲さん、篠田 華蓮さん、辻田 卓也君、野本 貴子さん、宮後 彰範君)が卒業しました。
  • 2021.03.19 卒業していく生体有機化学研究室(旧 生体機能解析学研究室)所属の6年生5名の送別会を(3密をさけて)行いました。
  • 2021.01.13 石津教授および劇団「危防」が広島県立尾道北高校で薬物乱用防止について講演を行いました。(学長室ブログ
  • 2020.12.16 重永教授の研究成果がOrg. Biomol. Chem.に掲載されました。
  • 2020.12.14 重永教授の研究計画が上原記念生命科学財団 研究推進特別奨励金に採択されました。
  • 2020.12.14 重永教授が徳島大学大学院医歯薬学研究部・BRIGHT合同公開シンポジウム(徳島)で講演しました。
  • 2020.12.10-17 岡本伸也君(6年制第1期生 尾道市民病院薬剤師)が非常勤講師として「薬剤師を取り巻く法規」の講義を行いました。
  • 2020.12.01 石津教授の総説がChem. Pharm. Bull.に掲載されました。
  • 2020.12.01 大高 章 先生(徳島大院薬)らとの共同研究の成果がChem. Pharm. Bull.に掲載されました。
  • 2020.11.27 石津教授および劇団「危防」が福山市立新市中央中学校で薬物乱用防止について講演を行いました。
  • 2020.11.20 石津教授が福山市立城西中学校で薬物乱用防止について講演を行いました。
  • 2020.11.05 大高 章 先生(徳島大院薬)らとの共同研究のイラストがOrg. Biomol. Chem.のInside Front Coverに選ばれました。
  • 2020.10.12 重永教授の研究計画が住友財団 基礎科学研究助成に採択されました。
  • 2020.10.01 石津教授が福山市立鳳中学校で薬物乱用防止について講演を行いました。
  • 2020.09.28 重永教授が参画する提案研究がAMED-CRESTに採択されました(研究代表:村上 誠 先生(東大院医))。
  • 2020.09.14 重永教授が令和2年科研費獲得等に関する研修会(福山大)で講演しました。
  • 2020.08.20 大高 章 先生(徳島大院薬)らとの共同研究の成果がOrg. Biomol. Chem.に受理されました。
  • 2020.08.01 重永教授の研究計画が科研費 挑戦的研究(萌芽)に採択されました。
  • 2020.07.22 大高 章 先生(徳島大院薬)らとの共同研究のイラストがOrg. Lett.のSupplementary Cover Artに選ばれました。
  • 2020.06.19 重永教授が第2回生命科学Webセミナー(東北大)で講演しました。
  • 2020.05.12 大高 章 先生(徳島大院薬)らとの共同研究の成果がOrg. Lett.に受理されました。
  • 2020.04.01 重永教授が徳島大院薬(大高 章 先生研究室)より着任しました。
  • 2020.03.31 福田靖葉助手が福山循環器病院に転出されました。
  • 2020.01.22 石津教授および劇団「危防」が広島県立尾道北高校で薬物乱用防止について講演を行いました。
  • 2020.01.18 石津教授が福山暁の星小学校で薬物乱用防止について講演を行いました。
 

研究内容

1.ペプチドの機能を操る(重永)

体内では、ペプチドと呼ばれる物質が様々な働きをしています。私たちは、刺激を与えると機能が変わるペプチドの研究が、生命現象の解明や薬の開発につながると考えています。例えば、光刺激により機能を失うペプチドができれば、光照射前後の細胞を比べることで、そのペプチドの働きが分かります。また、病気の細胞が出す酵素を刺激として細胞にダメージを与えるペプチドができれば、薬の開発につながるはずです。私たちは現在までに、分子構造のたった一か所を変えるだけで様々な刺激に応答可能なペプチドの発明に成功しています。

2.薬の標的タンパク質を見出す(重永)

多くの薬は、特定のタンパク質(標的タンパク質)に結合することで活性を発揮します。このため、薬を理解するには、その標的タンパク質を見出す必要があります。私たちは、夾雑物存在下でも特定の部分同士が結合する化学反応を利用し、細胞に含まれるタンパク質の中から標的タンパク質を釣り上げラベルを付けることで、効率よく標的を見出す方法の開発に成功しています。(図の説明:左)細胞に含まれるタンパク質(黒い横線の一つ一つがタンパク質、たくさんのタンパク質が見える) 右)標的タンパク質の釣り上げ・ラベル化後(標的タンパク質のみが見える))

3.薬がどこに結合するかを明らかにする(重永)

薬を開発するためのアプローチとして、薬が標的タンパク質のどこに結合するのかを明らかにし、そこに結合する薬の候補化合物をコンピューター上で探す方法があります。この方法を用いるには、タンパク質が薬と結合する部分を明らかにする必要があります。私たちは、特定の条件を満たしたときのみ化学反応を起こす分子を利用し、この分子と薬を連結後、タンパク質と混ぜたのち反応を起こさせることで、タンパク質上の薬が結合する部位付近にラベルを導入する方法を開発しました。さらにこれを応用し、統合失調症関連酵素の阻害剤結合部位を明らかにしています。(図の説明:統合失調症関連酵素の構造と阻害剤結合部位(赤色:ラベルが導入された部位;既知の結合部位(左)に加え、新たな結合部位(中央)が見つかった)

4.お茶のカテキンの化学(石津)

温かいお茶が冷めるとにごりや沈殿が生じるのを見たことがあると思います。これは、クリーミングダウン現象といって、お茶本来の風味や外観を損なうものとして問題になっています。そこで、私たちの研究室ではこのクリーミングダウン現象がなぜ起きるのかというメカニズムを調べることにしました。試行錯誤の末、クリーミングダウン現象による沈殿を、お茶に最も多く含まれるカテキン類である(-)-エピガロカテキン-3O-ガレート(EGCg)をもちいて結晶化することにはじめて成功しました。
 X線結晶構造解析を行ったところ、EGCgが集まって疎水性の空間をつくり、そこにカフェインを取り込んだ2:2EGCg・カフェイン錯体であることが分かりました。このように2:2錯体を形成することで疎水性が増し、水への溶解度が急激に低下して、沈殿が生じることが分かりました。これがクリーミングダウン現象のメカニズムであると考えています。
現在、EGCg以外の茶カテキンを用いてさらに詳細なクリーミングダウン現象のメカニズムについて調べています。

5.お茶のカテキンを使った高次機能の開発(石津)

このようにして見つけたクリーミングダウン現象のメカニズムをもちいて、お茶のカテキンの機能の開発をしています。その1つについて紹介いたします。
プロプラノロールなどのβ受容体遮断薬は本態性高血圧症や狭心症の治療薬として用いられていますが、現在、臨床の現場ではラセミ体で用いられいます。しかし、S体のほうがR体よりも100倍生理活性が強いことから、S体単独での使用が望まれるところです。そこで、プロプラノロールの2つのエナンチオマーS体とR体について、EGCgとの相互作用について調べところ、いずれもカフェインのようにEGCgと2:2錯体を形成しますが、R体はEGCgと水素結合をつくり、S体はつくらないことが分かりました。そして、このことを用いてEGCgによるS体とR体の簡便な分離法を検討しています。

 

研究業績
(researchmap研究者情報)

 

スタッフ
(教員紹介)

写真をクリックすると、「教員紹介」ページが表示されます。
重永章教授
石津隆教授
喜屋武龍二助教