薬学部

Faculty of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences

薬学科

重永 章(しげなが あきら)

職 名 教授
学 位 博士(薬学)
専門分野 生体有機化学
担当科目 生体分子の構造と化学的性質
メッセージ 高校生までは化学、生物学および物理学を別々の科目として学びます。しかし、実際にはこれらの間に境界線はありません。私たちはこれら全ての知識と技術を集結し、生命現象や薬が効くメカニズムを解明するための新たな方法の研究を“有機化学者の視点”から行っています。
その他 https://researchmap.jp/akira_shigenaga

ペプチドの機能を操る!

体内では、ペプチドと呼ばれる物質が様々な働きをしています。私たちは、刺激を与えると機能が変わるペプチドの研究が、生命現象の解明や薬の開発につながると考えています。例えば、光刺激により機能を失うペプチドができれば、光照射前後の細胞を比べることで、そのペプチドの働きが分かります。また、病気の細胞が出す酵素を刺激として細胞にダメージを与えるペプチドができれば、薬の開発につながるはずです。私たちは現在までに、分子構造のたった一か所を変えるだけで様々な刺激に応答可能なペプチドの発明に成功しています。

刺激を与えると機能が変わるペプチド

薬の標的タンパク質を見出す!

多くの薬は、特定のタンパク質(標的タンパク質)に結合することで活性を発揮します。このため、薬を理解するには、その標的タンパク質を見出す必要があります。私たちは、夾雑物存在下でも特定の部分同士が結合する化学反応を利用し、細胞に含まれるタンパク質の中から標的タンパク質を釣り上げラベルを付けることで、効率よく標的を見出す方法の開発に成功しています。

左)細胞に含まれるタンパク質(黒い横線の一つ一つがタンパク質、たくさんのタンパク質が見える)
右)標的タンパク質の釣り上げ・ラベル化後(標的タンパク質のみが見える)

薬がどこに結合するかを明らかにする!

薬を開発するためのアプローチとして、薬が標的タンパク質のどこに結合するのかを明らかにし、そこに結合する薬の候補化合物をコンピューター上で探す方法があります。この方法を用いるには、タンパク質が薬と結合する部分を明らかにする必要があります。私たちは、特定の条件を満たしたときのみ化学反応を起こす分子を利用し、この分子と薬を連結後、タンパク質と混ぜたのち反応を起こさせることで、タンパク質上の薬が結合する部位付近にラベルを導入する方法を開発しました。さらにこれを応用し、統合失調症関連酵素の阻害剤結合部位を明らかにしています。

統合失調症関連酵素の構造と阻害剤結合部位(赤色:ラベルが導入された部位;既知の結合部位(左)に加え、新たな結合部位(中央)が見つかった)