生命工学部

Faculty of Life Science and Biotechnology

【生物工学科】塩尻市で講演会に参加してきました

【生物工学科】塩尻市で講演会に参加してきました

4/21(土)に長野県塩尻市で塩尻フォーラム21の講演会が行われ、本学経済学部の萩野覚教授が「世界のワイン市場動向と日本の歩むべき道」と題して講演しました。福山大学ワイン醸造所長である吉﨑も同行しましたので、その様子を報告します。

講演会・クロストーク(座談会)

第1部として講演会とクロストークが行われました。萩野教授は日銀パリ事務所長などを歴任しており、ボルドーやブルゴーニュワインに造詣が深く、今回このようなお話をいただいたそうです。ニュージーランドを例にニューワールドが台頭する様子などが語られました。私も日本のワイン新興産地としての福山や生物工学科の取り組みを少しだけ紹介しました。

クロストークでは日本ワインがブームの中、低価格ワインを造れないのはなぜか、フランスワインのような格付けは可能か、といったことに話題が及びました。なお講演会の様子は写真を撮れなかったのでありません(私も急遽パネリストになったので・・・)。

メルローを楽しむ夕べ

第2部は懇親会を兼ねた「桔梗ヶ原メルロー」の特徴を知る勉強会です。塩尻の桔梗ヶ原地区では30年以上も前からワイン用のヨーロッパ系ブドウ品種「メルロー」の栽培に力を入れてきて、桔梗ヶ原メルローといえば日本の高品質ワインの代名詞とも言える状況です。同地区のワインを色々飲み比べ、どれも非常に美味しかったです。フランスのボルドーの赤ワインといえばカベルネ・ソーヴィニヨンかメルローかというほど有名ですが、日本のメルローは渋みが少なくて果実の香りが強く、日本人にはより美味しく感じるように思いました。

 

有名な城戸ワインも初めて飲みました!プレミアが付いて高値で取引されているそうです。定価は2,000円前後とのこと、差額は城戸さんではなく中間業者に入るそうです。これは良いのか悪いのか、議論があるところです。しかし日本のワインもここまで来ている証でもあります。福大のワインがいずれプレミアが付く日が来るでしょうか。

塩尻ワイナリーツアー

さて、上述のように長野県は山梨県に並ぶワインの先進地域です。せっかくですからワイナリーを見学してきました。案内してもらったのは信濃ワイン井筒ワイン五一わいん、それに塩尻志学館高校です。

信濃ワインさんは写真にも写っている1956年の(10万円!)が印象的でした。生物工学科山本教授のバースデービンテージだそうです。こちらでいただいたナイアガラというブドウで造ったブランデー、初めて飲みましたがとても美味しかったです。地下のセラーは豊富な地下水で一定の温度が保たれており、空調は入れてないというのも驚きました。

 

井筒さんでいただいた「竜眼」というブドウを使った白ワイン、しっかりした味わいで美味しくてビックリしました。個人的には日本の代表的な白ワイン用品種「甲州」を使ったものより美味しく感じました。また「マスカット・ベーリーA」を使った赤ワインも非常にすっきりした味わいで好きな味でした。福大でもこのブドウでワインを造っていますが、是非とも参考にしたいと思いました。

 

五一さんでは主にブドウ畑を見学させてもらいました。「ハヤシ-スマート方式」というブドウ樹の仕立てを実践されており、省力栽培が可能とのこと。新梢をすべて一方向に伸ばす単純な方法のため初心者にも分かりやすく、授業にピッタリではないですか! 樹齢60年というメルローの樹にも驚かされました。もちろん試飲もして、醗酵科学研究室の学生に勉強させるため「エステート メルロ 2015」を購入しました。非常に良いワインでした。

 

最後に、塩尻志学館高校を見学させてもらいました。こちらの高校は全国でも珍しい、高校の授業としてワイン造りを行っています。生物工学科の取り組みにそっくりですね。違うのはその歴史と規模です。醸造免許が下りたのは1943年、ブドウ収穫量は毎年5~6トンとのこと。ウチの10~20倍です。それをほとんどワインに加工して「KIKYOワイン」のブランドで出荷、ワインコンクールでの受賞歴もあるとのこと。先に紹介した城戸さんのワイン同様にプレミアが付いているそうです。この規模を教職員数名と生徒20人で回しているとのこと、本当に驚くばかりでした。

本学でももっとできるはず、まだまだ頑張らないといけませんね。

ワイン醸造所長 吉﨑

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