【人間科学研究科】大学院生が日本心理学会で研究成果を発表!

【人間科学研究科】大学院生が日本心理学会で研究成果を発表!

日頃公認心理師資格取得を目指した実習に追われる人間科学研究科の院生ですが、研究も頑張っています。本日は先月行われた日本心理学会における発表の様子について、心理学科赤澤淳子教授からの報告をお届けします(投稿は学長室ブログメンバーの大杉です)。

 


心理学科の赤澤です。

2023年9月15日(金)~17日(日)の期間、日本心理学会第87回大会が神戸国際会議場で開催されました。日本心理学会には毎年心理学科の教員の多くが参加しますが、今年は人間科学研究科修士課程1年生の坂本望月さんも発表しました。

福山大学では、大学院生の研究活動への支援制度があります。坂本さんは、事前に申請し採択された学会発表のための助成金を活用して、今回の学会に参加しました。

<学会会場入口にて>

発達心理学研究室に所属する坂本さんは、学部時代から育児支援や虐待防止に貢献でき得る研究に取り組んでいます。研究だけでなく、学部3年時より現在に至るまで子どもの支援を行うアルバイトも行っています。公認心理師の資格取得を目指し、大学院修了後は子どもや乳幼児を持つ親の支援を行いたいと考えているようです。

以下、坂本さんのコメントです。

9月17日に神戸国際会議場にて行われた日本心理学会第87回大会で、「両親の育児不安がネガティブな養育態度に及ぼす影響」というテーマで発表をしました。近年、虐待の数は増え続けていますが、虐待につながる要因として育児不安があることが指摘されています。そこで、本研究では、父親・母親の育児不安が不適切な養育態度に及ぼす影響について、夫婦のペアデータを用いて検討しました。ペア分析の実施においては、夫婦という二者関係における個人が、相互にどのように影響しているのかという点についても確認する必要性があることから、本研究ではAPIM (Actor-Partner interdependence Model) という分析方法を用いて検討しました。初めての参加で発表だったのでとても緊張しましたが、ポスターを見にきてくださった方々が、皆とても優しく接してくださり、緊張も徐々にとけていきました。ポスター発表では、内容に対してのアドバイスに加えて、実際に研究内容と似たような事例に携わったことがある方のお話も聴くことができました。大会に参加したことでこのような経験ができたので、次回からも積極的に参加したいと思いました。

<学会発表の様子>

坂本さんは午後からの発表でしたが、初めての学会発表ということで、お昼ご飯も食べられないくらい緊張していました。いよいよ発表時間となり、どうなることかと見守っていましたが、数名の聴講者への説明を終えた頃から緊張も解けて、「先生!楽しいです!」という発言もあり、ほっとすると同時に、学生の成長を感じました。指導教員として、心理学科および人間科学研究科で学んだ知識や技能をいかして、心理の専門職として地域社会に貢献できる人材になってくれることを大いに期待しています。


初めての学会発表は誰しも緊張するものかと思いますが、緊張を乗り越えてしっかり発表を成し遂げたとのこと、素晴らしいですね。日本心理学会では、他にも以下のような心理学科教員による発表がありました。

  • 公募シンポジウム 「新型うつ病」おわってません。(中野
  • 公募シンポジウム 地域での犯罪予防(5)現場の取り組みから良質なエビデンスを創出・普及するために(大杉
  • ポスター 大学生の周産期に関する知識について(日下部) 
  • ポスター 5~8歳の児童を対象とした性暴力防止教育の効果検証──プライベートゾーンおよびタッチに関する知識の変化──(赤澤
  • ポスター 学生相談利益の遅延価値割引(Ⅲ)利益の遅延価値割引と学生相談利用のメリット認知との関連の検討(松本
  • ポスター 公認心理師または臨床心理士養成課程における大学院実習生のメンタルヘルス(中野)
  • ポスター ストーカー相談記録を用いた事件化予測の試み──警察に寄せられた相談記録を用いた分析──(大杉、赤澤、

幅広い心理学を学ぶことができる心理学科(学部)と人間科学研究科(大学院)。教員による発表テーマも多岐にわたっています。興味関心のある大学生の皆さん、本学研究科での学びもぜひご検討ください(入試情報はこちら)。

 

学長から一言:日本心理学会の大会で学会発表デビューの修士課程1年生の坂本望月さん、お疲れ様。不安もいっぱいだったことでしょうが、終わってみれば「楽しい」という感想が飛び出すとは見上げたものです。心理学科の教員の皆さんも今回の学会では大活躍だったようです。教員も院生もますます研究成果が上がりますよう、期待しています。