【生物工学科(生物科学科への名称変更 認可申請中)】野生動物を観察しよう

【生物工学科(生物科学科への名称変更 認可申請中)】野生動物を観察しよう

キャンパス内に生息する野生動物を観察しよう!生物工学科は2024年4月より生物科学科に名称変更します(文部科学省に認可申請中)。現代は生物多様性が著しく失われている時代と言われており、生態学や進化生物学といった野生生物の生物学の理解が求められています。学科では福山大学キャンパスを生物多様性の学び舎とするというテーマのもとで様々な教育をおこなっています。7月6日には、学科の実習の一つである生物多様性実習を紹介しました。今日は、1年次の生物観察実習の一部(野外調査編)を紹介します。科学(サイエンス)では、理論と観察が重要です。今回の実習で、学生はキャンパスに生息する野生動物を“観察”する方法を体験しました(生物工学科 佐藤)。

生物観察実習(1年次)

観察と言っても直接観察できるのは、昼間に動く動物だけです。私たちは夜行性である哺乳類の生態を知るために、温度を感知して動画や静止画を撮影することのできる自動撮影カメラ(トレイルカメラ)を使いました。よく農家さんが獣害対策として使うカメラです。実は昼間に動く私たちは哺乳類の中では珍しく、多くの哺乳類は夜行性なのです。6月30日(木)~7月1日(金)にかけて、学内の10地点にカメラを設置しました。結果は、残念ながら天気に恵まれず、一晩では哺乳類を撮影することができませんでした。しかし!

その後、7月3日(月)~7月7日(金)まで、カメラを仕掛け続けたところ、47個の動画の撮影に成功しました。カメラを仕掛けた場所は下の図の通りです。その間、一晩だけ雨の日がありましたが(6日)、やはり、その日は動物の撮影回数が少なかったです。雨の日は行動が少なくなるようです。

撮影された動物4種

撮影されたのは以下の4種でした。

動物1:イノシシ(鯨偶蹄目イノシシ科)

最も多く撮影されました。だいたい20時頃から朝方の5時まで活動しているようです。夜中にキャンパス内の森の近くを歩くときには注意が必要です。気をつけましょう。子連れのイノシシが多く観察されました。

動物2:ネコ(食肉目ネコ科)

ネコはたまに昼間も見ますね。特に珍しい動物ではないと思いますが、キャンパスを一歩、外に出た森のすぐに近くでも活動をしているようです。ネズミでも追いかけて食べているのだと思います。

動物3:ニホンテン(食肉目イタチ科)

日本固有種であるニホンテンも学内に広く分布しています。今回は東側の池の周辺と工学部南側の森の2地点で観察されました。キャンパス内に見られる糞を対象にDNAを調べてみると、ほとんどがニホンテンの糞であることがわかっています。

 

動物4:ニホンノウサギ(ウサギ目ウサギ科)

ニホンノウサギも日本固有種です。毎年撮影される動物です。サッカー場奥の竹林と工学部南側の森の2地点で観察されました。

福山大学は、そのユニークな舞台と充実した機器設備を使って、生物多様性の知識と技術を学べる場所です。興味のある皆さんは、生物科学科(文部科学省に認可申請中:現 生物工学科)で学んでみませんか?

 

学長から一言:わがキャンパスにはいろんな生き物が生息しているのですね。夜間撮影の方法を学び、撮影に成功したときの喜びは格別でしょう。場所を変えてトライすれば、今回の4種類以外にも珍しい動物が見つかるかもしれません。親イノシシに連れられたウリ坊は可愛らしく、見ているだけで笑顔になりました。