【生物工学科】福山バラ酵母、今度は日本酒に応用!

【生物工学科】福山バラ酵母、今度は日本酒に応用!

福山バラ酵母の勢いが止まりません。パン、ワイン、クラフトビール、そして、ついに日本酒と地域の資源を醸し続けています。先日、クラフトビール醸造のために備後福山ブルーイングカレッジ醸造家の小畑昌司氏にバラ酵母を提供した様子生物工学科佐藤准教授がお伝えしました。今回は、福山市神辺町にある天寶一との共同開発として、日本酒の醸造を開始することになりました。前回と同様に、生物工学科久冨教授から天寶一社長の村上康久氏へバラ酵母の受け渡し式が開催されましたので、生物工学科久冨教授と同じ分子生物学研究室に所属する豊村がお伝えいたします。

福山バラ酵母プロジェクトは、これまでに福山市をはじめ、多くの企業と連携し、産学官のプロジェクトとして展開してきました。その結果、様々な方面で成果を出すことができました(パンワインクラフトビール)。また、多くの学生の成長の糧となってきたことも、大学人として誇りに思うところです。

今回、日本酒の醸造に使用する酵母は、これまでのパン、ワイン、ビールと同様にミスターリンカーンというバラから採取したリンカーン酵母を使用します。リンカーン酵母は、これまでのパンやワインの開発においては高い実績をもっています。実際に、日本酒醸造における初期発酵で使う麹汁(こうじじる)の中での酵母の増殖と発酵能力について予備実験した結果、とても高い能力を示すことが分かっています。

麹汁での予備実験

お渡しした麹汁(各1リットル)

村上社長は、天寶一として様々な日本酒を展開する一方で、常に地元福山へ貢献したいという思いが強く、コロナ禍で世の中の動きとそれに伴う自らの生活が目まぐるしく変わる中で「バラ酵母パン」というワードに目が留まり、それを機に共同開発を思い立ったとのことでした。

村上社長

久冨教授

バラ酵母を使った日本酒は、日本酒をあまり飲まないという方にも親しめるように甘酸っぱい味を目指しており、福山市のみでの販売を予定しています。また、発売は来年4月頃の予定で、酒屋だけでなく福山市の様々な飲食店で提供される予定です。

パン、ワイン、ビール、日本酒といった様々な発酵食品を使って、福山市のあらゆる企業の方々が福山を活性化させようとしている姿を見ると、我々大学人も負けてはいられないなという思いに駆られます。お互いに切磋琢磨しつつ、地域を活性化していくことができれば良いと思っています。地域の資源を醸し続けてくれている福山出身のリンカーン酵母ですが、これからはそれぞれの食品の品質をより向上させるために、引き続き研究・開発に取り組んでいきたいと意気込んでいます。これらの食品が完成した際には、また学長室ブログで報告しますね!

地域資源を醸す。地域で活躍する学生を育てることとちょっと似ていますね。酵母の力で地域と若者の成長を!

 

学長から一言:福山出身のリンカーン酵母、この小さな酵母の力は大きいですね~!!!アメリカ合衆国大統領リンカーンの名に恥じない大活躍!!!す・ば・ら・し・い。。。