【生物工学科】福山バラ酵母でクラフトビールの醸造

【生物工学科】福山バラ酵母でクラフトビールの醸造

パン、ワイン、そしてクラフトビール、福山バラ酵母が広がりを見せています。生物工学科久冨教授により、福山市のシンボルであるバラから採取された酵母が、今度はクラフトビールづくりに使われます。久冨教授から備後福山ブルーイングカレッジ醸造家の小畑昌司氏に、福山バラ酵母が提供された受け渡し式の様子を生物工学科佐藤がお伝えします。

久冨教授が主宰する生物工学科分子生物学研究室では、福山市で栽培された50品種のバラから1300株を超える酵母が分離され、その発酵能力が長年調査されてきました。毎年、卒業研究の成果発表会で進捗状況が報告され、この研究に関わった多くの学生の皆さんの顔が思い浮かびます。

これまでにパンやワインの発酵を研究する中で、ミスターリンカーンというバラの花から採取した酵母(以下、リンカーン酵母)の発酵能力が高いことが明らかにされていました。今回はクラフトビールへの応用ということで、まずはこのリンカーン酵母が麦芽(モルト)を発酵する能力が評価され、これまでに一般的に利用されているドライイーストともそん色のない発酵能力を持つことが分かりました。

酵母の説明をする久冨教授

地域のシンボルであるバラ酵母を丸ごと楽しめることをコンセプトに、クラフトビールを作りたいと醸造家の小畑氏。酵母まで地元にこだわるクラフトビールはこれまでにないとのことで、どのようなクラフトビールが出来上がるのか楽しみですね。

クラフトビール醸造を説明する醸造家の小畑昌司氏

「福山に行って***クラフトビールを飲んでみたい!」という気持ちにつながれば良いですね。ちなみに***はまだ決まっていないとのことです。名前とラベルを考えるのもこれからの楽しみなのでしょうね。私たちも楽しみです。

アブにハチ、ハナムグリ、、、そんな昆虫たちが酵母をバラまで運んできて、そしてそこに住み着く酵母の種類は、バラの蜜の成分の組成によって変わってくるそうです。その種の多様性はとても高いのです。そんな多様な酵母を追い求めて、社会に役にたつ機能を見出す。それは、進化生物学者でもある久冨教授の生物多様性を見抜く力に基礎があります。これからどんな生き物の力が明らかになるのでしょう。楽しみです。

生物工学科では、様々な分野の教育・研究を行っています。興味のある皆さんは、是非こちらの動画サイトから学科のことをもっともっと知っていただければ嬉しいです!

 

 

学長から一言:福山で育っているバラの多種多様さが、多種多様の酵母を育み、豊かな味と香りのワインを生み、パンを生み、そして今度はビール!バラの酵母の力に、か・ん・ぱ~い!!!