【生物工学科】トマトも育つ、育て方ひとつで

【生物工学科】トマトも育つ、育て方ひとつで

生き物を育てることは、教育に似ています。生物工学科のオープンキャンパスでは、これまでに「自然と共生するためには?」や「動物の進化と生態」をテーマに、教育・研究を紹介してきました。次回8月18日(日)の体験入学会では、「植物の生育を助けるバクテリア」がテーマになります。植物が育つ陰では目に見えない、いと小さきものたちが愛と自己犠牲の精神で自分の生き残りをかけて栄養分をたくさん作りだし、そしてそれが植物の成長を支えています。そんなバクテリアのようになりたい生物工学科 佐藤が、次回のオープンキャンパス(広岡准教授 担当)の準備状況をお伝えします。

 

植物の生育を助けるバクテリア、、、。具体的には、水耕栽培を通したミニトマトの生育を助ける土壌細菌の働きを学びましょう。その名も「有機質肥料活性型溶液栽培法」です。え?なんだって?ユウキシツヒリョウカッセイガタヨウエキサイバイホウ??10回くらい口ずさんでみましょう。半分くらい覚えられるはずです。名前はともかく4年生が頑張ってトマトを育てていますので、どうぞご覧ください。日記の一部を紹介します。

この栽培法では、土壌細菌を養液の中に加えて植物を育てます。そうすると、青枯病や病原性のカビの仲間を抑えることができます。そして、カツオエキスなどの肥料を加えることで、バクテリアが植物の栄養となる窒素源を作ってくれます。まずは、33号館グリーンサイエンス研究センターの温室でプランターに水を張り、土壌細菌とカツオエキスを加えました。

【4月22日】1日目、培養液中のアンモニウムイオン濃度、亜硝酸イオン濃度、硝酸イオン濃度を測定し、バクテリアの集まりが安定したのを確認してからミニトマトの苗を2本ずつ計4本植えました。

【4月26日】4日後、茎が良く伸びていて葉も増え、順調に育っていました。これから日差しが強くなり、室内の温度が上がることを考え、風が入るように常に窓を開けるようにしました。窒素源は量によっては植物にストレスを与えるためその都度チェックしました。

【6月9日】時間は流れ、48日後、順調に育ち、実がなりました!想定していたよりも育ってきたので、プランターを大きいものに変えました。プランターを透明なものに変えたので、根の観察や水量の調節がしやすくなりました。

【6月20日】59日後、実がかなり大きくなり、赤くなり始めて、とても順調に育ってきました。培養液内の藻がひどく多くなってきたので、栄養が奪われてしまわないように取り除きました。藻が良く育つほど培養液が栄養豊富な状態であるということですので、理想的な菌たちの集まりができていることが分かりました。

【7月4日】73日後、実の全体が赤く色付き、いかにもトマトらしくなりました。実が大きいので良く育って嬉しい反面、水耕栽培ですので、水っぽくなっていないか心配でした。

【7月11日】80日後、トマトの実が落ちてしまっていたので、少し早かったですが試食をしました。酸味は少なく、その分甘味が感じられました。少々水っぽかったところもありましたが、トマトの旨味がしっかりとあり、とても美味しかったです。果皮に張りがあり、実全体に程よい弾力がありました。

そして、来月【8月18日(日)】体験入学会。トマトはどうなっているのでしょう?トマトのおいしさも大切ですが、今回の主役は、いと小さき生き物の方です。小さなバクテリアのすごい力を感じていただければ嬉しいです。生物工学科のことがもっと知りたい方は、こちらからどうぞご覧ください。体験入学会の情報は以下のとおりです!!

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テーマ:【バイオX微生物と植物の協奏】

担当:広岡和丈准教授

内容:土の中、とりわけ植物の根の周辺には目に見えない微生物で満ち溢れています。これらの土壌微生物は多種多様な集団を形成し、集団の中、あるいは他の生物との間でいろいろなやり取りを繰り広げていることがわかってきました。そうした微生物の働きと農業や産業への応用について、紹介したいと思います。

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学長から一言:目に見えない微生物が、大きな大きな働きをしているのですねッ!その恩恵の片鱗を、生物工学科のオープンキャンパスで味わえるかもしれませんよ!高校生の皆さん、ぜひ福山大学のオープンキャンパスへ!!!ちなみに「どの子も育つ、育て方ひとつで」が、先頃亡くなられた本学の名誉理事長 清水厚實先生の口癖でした!