学部・学科・大学院

薬学研究科

Graduate School of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences

薬学研究科

高度な知識と実務能力を身につけた臨床薬剤師の養成をめざします。

研究科紹介

研究科の取り組み

薬学研究科長(今 重之 教授)からのメッセージ

 福山大学大学院薬学研究科は、薬学部が2006年度から6年制教育課程となったのを受け、2012年度から4年制の博士課程としてスタートしました。
 私たちの健康を守っている医療は、新しい検査方法や治療方法、治療薬が次々に開発され、日々目覚ましく進歩しています。また臨床現場では、医師、薬剤師、看護師をはじめとする医療従事者がお互いの高度な専門性を活かしながら連携して医療を支えています。このように高度化、複雑化していく臨床の場で生じる問題を自ら発見し解決していく高度な能力をもった医療人が求められています。本研究科は、このような社会の要請に応えることのできる研究者を養成することを使命と考えています。
 本研究科のカリキュラムは3つのワーク(コースワーク、リサーチワーク、キャリアワーク)を基盤としています。コースワークで専門分野を中心に科学を幅広く探究し、リサーチワークで情報収集、発信能力を鍛え、キャリアワークで「高度医療薬学」を研修することにより、臨床を踏まえた薬学研究を展開できる医療人研究者を育成していきます。
 2020年12月に「未来創造館(薬学研究棟)」が完成し、2021年度から運用が開始されました。この新棟の4階から10階には各研究室間の間仕切りを除いた今までにない薬学部・薬学研究科の実験室(オープンラボ)が設置され、研究の技術・知識の交流が活発にできるように工夫されています。この最新鋭の施設・設備で知識、技能、態度を身につけると共に、高度な問題解決能力を有する研究者の育成を目指します。
 本研究科は、倫理観・使命感と豊かな人間性を備えた高い研究能力を有する医療人研究者となる意欲と情熱を持った人を求めています。

研究室一覧

福山大学薬学部では、19の研究室を設置しています。基礎薬学分野(化学系2研究室、生物系4研究室、物理系3研究室)、衛生薬学分野(2研究室)、医療薬学分野(5研究室)、薬学臨床分野(3研究室)からなります。学生は、1年次から3年次までは、実習・講義(化学系、物理・分析系、生物系、衛生系、薬理系、薬剤系)により研究するための基本的な知識や技能を学びます。1年次から3年次まではクラス担任の指導をうけ、4年次から6年次までは研究室に配属され、研究室教員の指導のもとに課題研究を行っています。多様な専門性をもった研究室で、全学生が卒業研究に取り組んでいます。

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福山大学ブランド研究プロジェクト

福山大学が取り組む大学ブランディング研究事業『瀬戸内の里山・里海学』のもと、研究プロジェクトを支援し、次世代シーケンサーや質量分析計など先端の研究環境を整備するとともに、各種講演会・セミナーなどを企画・展開しています。これまで薬学部の横断的研究プロジェクトでは、『細胞接着分子を標的とした自己免疫疾患の新規治療法の確立』、『核内受容体を標的とした血管疾患の新規治療法の確立』、『巨大液胞形成によるがん細胞の細胞死誘導機構の解明』、『天然植物を利用した“One Health”確立への挑戦』などを推し進めてきました。これにより、本学の研究ブランドの向上とともに、人類の健康に貢献できる研究成果について、地域から世界に向けて発信しています。

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共同利用センター

福山大学共同利用センターは、福山大学における主要な施設設備を計画的に整備し、効率的に管理運営する目的で設置され、教育・研究機器設備部門、ICTサービス部門、および作業環境管理部門の3つの部門で構成されています。教育・研究機器設備部門では、大型の教育・研究機器を計画的に整備し、学内の効率的な共同利用を推進するとともに、関連技術の研究・開発を行い、教育と研究の便宜を図ることを目的としています。

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科学研究費助成事業

福山大学の科学研究費助成事業(科研費)の採択件数は、広島県内の私立大学で第1位(2021、2022、2023年度の3年連続)となり、教育とともに研究も活発に行われています。科研費とは、文部科学省及び独立行政法人日本学術振興会が、研究者の研究の発展を促すことを目的として交付する助成金です。研究者から提出される研究計画が記載された申請書に対して厳格な審査が行われ、採択された研究課題に対して研究費が交付されます。本学薬学研究科においても、教員の研究課題が採択され、科研費により最新の研究を展開しています。

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大学院生

町田 葵さん

医療薬学専攻 博士課程
東京都・東京女学館高等学校 出身
福山大学 薬学部 薬学科 2023年 卒業

脳出血の治療メカニズムの根本に迫る研究を目指して

大学院での研究の醍醐味は、未知の病気や障害の予後について、その根本に迫れることです。私は本邦の死因上位に挙げられる脳血管疾患に焦点をあて、その予後を改善する新たなメカニズムの解明と治療薬の探索に取り組んでいます。大学院では、専門知識や実験手技に加え、プレゼンテーション力や情報収集力など、身につけるべきことが多岐にわたります。様々な専門分野の先生方にサポートしていただきながら研究を進めて、医療の発展に貢献したいです。

専攻紹介

医療薬学専攻(博士課程)

■ 分子薬学コース群

分子代謝制御学特論/シグナル伝達特論/分子腫瘍機構特論/細胞分子構造学特論/分子血液学特論/微生物と化学療法学特論/薬物分子認識学特論/医薬分子化学特論/生理活性素材学特論/生理活性素材学特論/生体分子解析学特論/バーチャルスクリーニング解析学特論/分子薬学論情報演習

■ 病態制御学コース群

薬物送達学特論/医薬品製剤安定性特論/薬効解析科学特論/神経薬理学特論/臨床免疫病態学特論/薬物動態学特論/臨床薬剤学特論/薬剤情報解析特論/漢方薬理学特論/放射線統合解析学特論/病態制御学論情報演習

■ 社会環境薬学コース群

活性天然薬物学特論/補完代替医療特論/環境保健特論/毒性・中毒学特論/公衆衛生学特論/予防薬学特論/薬剤疫学特論/生活習慣病特論/セルフメディケーション特論/在宅医療特論/医療情報データベース特論/社会環境薬学論情報演習

■ 各コース群共通

高度医療薬学研修Ⅰ/高度医療薬学研修Ⅱ

■ 博士論文演習

博士論文基礎演習Ⅰ/博士論文基礎演習Ⅱ/博士論文応用演習Ⅰ/博士論文応用演習Ⅱ/博士論文作成演習Ⅰ/博士論文作成演習Ⅱ/博士論文作成演習Ⅲ/博士論文作成演習Ⅳ

学位(博士)論文の審査体制・基準

1.審査体制

  • ・博士論文は審査委員(主査1名、副主査2名)により審査する。
  • ・審査委員は本研究科委員会の審査認定資格のある教授から選出する。ただし、特に必要がある場合は、研究科委員会の委員以外の者を審査委員に加えることができる。

2.審査の方法

審査委員は、学位論文およびその論文公聴会について、下記の「3.学位(博士)論文の評価基準」に基づいて審査を行う。ただし,大学院薬学研究科における博士課程を経ない者の場合,外国語試験を行う。

3.学位(博士)論文の審査基準

判定基準 判定項目
研究論文を提出するとともに公聴会で口頭発表を行い,試験に合格していること。
  • ・博士論文を提出して審査委員の審査を受け合格していること。
  • ・また論文内容を公聴会で発表して聴衆に理解され,それに対する質疑に関連する領域の研究結果と自らの研究結果を比較しながら応答が行われたこと。
  • ・別途行う語学試験に合格していること。
博士学位論文の内容を専門領域の学会で複数回発表し,審査制度が確立された学術雑誌に論文を2編以上発表していること。
  • ・学会発表においては申請者が主体的に実行した内容であり登録発表を行ったものであること。
  • ・発表論文2編のうち少なくとも1編は筆頭著者であり実験計画,実験実施,論文執筆,投稿を主体的に行ったものであること。
臨床薬学領域において研究活動を自立して遂行する能力を身につけていること。
  • ・研究成果の読解,評価ができる。
  • ・専門領域の研究計画を自立的に立案,実施,結果解析,および意義づけを行い新たな問題設定ができる。
  • ・研究の独自性を説明でき,科学的な観察眼を持ち論理的思考ができる。
  • ・研究分野の法令や指針について説明できる。
高度な知識と技能により医療における諸問題に対処できる資質を有していること。
  • ・医療における問題に対処するための情報収集ができる。
  • ・医療における問題点を抽出し,解析または分析して解決策を提案することができる。
高い倫理性と強い責任感を持っていること。
  • ・研究倫理に関して関連する規範や指針に従って研究を遂行してその旨論文に記載することができる。
  • ・ヘルシンキ宣言を理解している。
  • ・医療薬学分野におけるみずからの立場を認識し,果たすべき役割を理解するとともに実行できる。

4.学位論文が満たすべき水準

  • ・学位(博士)論文審査は,各判定基準について審査委員会の合議により総合評価する。
  • ・研究科委員会において学位審査合否の最終判定を行う。

主な就職・進路

めざす学位

□ 博士(薬学)

医療に貢献できる高度な知識と技能、及び高い研究能力を有する薬剤師・研究者を示す。

めざす進路

□ 大学等高等教育機関の教育研究者

□ 病院・保険調剤薬局等における指導的薬剤師

□ 医療関係等の研究所における研究者

□ 行政や企業における医療関係業務の管理職

主な就職実績

□ 福山大学薬学部(教員)、国立病院機構四国がんセンター

*6年制薬学教育課程に対応した薬学研究科4年制博士課程は、2015年度に完成しました。