実践医療薬学研究室(Laboratory of Practical Pharmaceutical Care)では、実際の医療現場で起こっている薬物治療上の問題を薬学的視点から原因を追究し、科学的根拠に基づいた実践的な解決方法を探索しています。また、チーム医療の一員である薬剤師には、患者や医薬品等の情報を収集して薬物療法上の問題を解決するための臨床推論力と問題解決力が必要です。そのため、薬剤師による医薬品の適正な使用を推進できる人材育成を目的とした卒前・卒後教育プログラムや薬剤師業務支援ツールの開発を行っています。本研究室では、教員と学生が今何をしないといけないのかを考え、理解して、コミュニケーションを取りながらチームが一つとなることでお互いの目標(薬剤師国家試験合格、就職、学会発表・論文発表)を達成できる、チーム医療に必要な資質の醸成を目指しています。
Faculty of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences
実践医療薬学研究室
教育・研究を通じて薬剤業務技術を進歩・普及させることで医療や地域住民の健康に貢献する
お知らせ
- 2021.04.01 高根 浩 教授が着任しました(鳥取大学医学部附属病院より)。
- 2021.03.27 5年生の小田原里奈さん、白木原成帆さんが日本薬学会 第141回年会でポスター発表を行いました。
- 2021.03.12 長崎信浩教授の最終講義が行われました。タイトル 「臨床薬剤師への誘い、そして福山大学薬学部への期待」薬学教育にご尽力いただき本当にありがとうございました!!
- 2021.02.19 広瀬講師の研究成果が学会誌「薬学教育」に掲載されました。
- 2020.11.27 猿橋准教授の研究成果が学会誌「薬学教育(早期公開論文)」に掲載されました。
- 2020.09.16 5年生の森野涼太くんが日本社会薬学会 第38回年会でポスター発表を行いました。
- 2020.04.10 広瀬講師の研究成果が学会誌「医療薬学」に掲載されました。
- 2020.03.28 5年生の豊田祐子さんが日本薬学会 第140回年会で発表(開催中止のためWeb要旨公開のみ)を行いました。
- 2020.01.31 猿橋准教授の「健康食品の基礎知識第2版」(株式会社じほう)が出版されました。
研究内容
1.抗菌薬適正使用を推進し、薬剤耐性菌の低減を目指した実践ベースの研究、教育アプローチ

感染症の治療には抗菌薬が必要です。しかし、すべての人に効果が期待でき、安全に使用できる薬は存在しません。そのため、感染症の治療が成功するためには、発疹など好ましくない症状が現れることを予測して回避する必要があります。さらに、抗菌薬は不適切に使うと薬が効かない病原微生物(耐性化)が増えてしまいます。そのため、抗菌薬の用法・用量や副作用、薬剤耐性菌など臨床で得られた情報を解析することで、抗菌薬のより良い選択や用法・用量を決定する方法を開発しています。同時に、それらの情報を用いて論理的に解決できる人材育成を進めることで、多くの患者さんが安心して治療を受けることができる医療を目指して統合的・発展的に取り組んでいます。
2.人生100年時代 健康長寿につながる健康習慣を研究する。
どの様な生活習慣が、健康寿命を延ばすでしょうか?
地域薬局の“かかりつけ薬剤師”が、患者さんの健康長寿を延伸する手助けがどの様にできるかを研究しています。東京都の台東区の薬局で調査を行いました。特に75歳以上の一病息災の患者さんは、タバコを吸わない、定期的な運動習慣がある、規則正しい食習慣を保っているなどの良い健康習慣を保っている人が多く、BMIも標準の方が多かったです。また、運動習慣が高いほど、健康食品を摂っている人が少ないことが示されました。同様の調査を、備後地域の福山市でも行い、地域差を調べてその地域にあった健康指導に生かすことを目指しています。
3.薬学的管理能力の評価法構築と教育手法の探求

実務実習に臨む薬学生の臨床対応能力の向上を図るため、客観的かつ薬局や病院で働く若手薬剤師にも応用できる教育手法の研究を行っています。企業との共同研究では、薬学教育用の電子薬歴ソフトの開発も進めています。また、改訂コア・カリキュラムに則した実務実習を推進する手段としての、医療現場での実習方法の検討や、指導薬剤師への支援も兼ねた生涯学習も実施しています。研究室の学生による課題研究では、実務実習での経験から事前学習の内容を評価するテーマなどに取り組んでいます。