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薬学科

高根 浩 (たかね ひろし) 

職 名 教授
学 位 薬学博士
専門分野 医療薬学、感染制御学、抗菌化学療法学、薬物動態学
担当科目 病院・薬局実務実習、病原微生物と感染症、薬学入門、薬学総論、臨床推論演習など
メッセージ 感染症の治療には抗菌薬が必要です。しかし、すべての人に効果が期待でき、安全に使用できる薬は存在しません。そのため、薬剤師には薬学の科学的視点とエビデンスをもとに患者さんに合った薬の選択や服用量を考え、安心・安全な治療を提供する必要があります。治療の問題点を解決する薬剤師の科学力にも注目してください。

抗菌薬の安全かつ効果的な使い方の科学的な証明を行う!

感染症の治療が成功するためには、発疹や肝機能障害など好ましくない症状が現れることを予測して回避する必要があります。さらに、高血圧などの治療薬と異なり、抗菌薬を不適切に使うと薬が効かない病原微生物(耐性化)が増えてしまいます。本研究室では、抗菌薬を安全かつ効果的に使う方法を研究しています。具体的には、抗菌薬の用法・用量や副作用など臨床で得られた情報を解析しています。成果は、医師や薬剤師による抗菌薬の選択や用法・用量を決定する科学的根拠となり、多くの患者さんが安心して治療を受けることができます。

薬剤耐性菌の課題を地域連携で解決する!

最近、国内や特定の地域で病原微生物に対して抗菌薬が効かなくなる「薬剤耐性」が問題になっています。薬剤耐性菌の発生を抑え、蔓延を防止するために効果的な対策を講じる必要があります。本研究室では、地域における薬剤耐性菌の発生や抗菌薬がどのように使われているかを継続的に監視し、薬剤耐性の変化や拡大の予兆を適確に把握するためのシステムを開発しています。このシステムを使えば、地域や医療機関における薬剤耐性菌による感染リスクの把握が簡単になり、積極的な予防および改善活動につなげることができます。

感染症治療の課題を薬学の力で解決できる人材を育成する!

薬剤師には、医師の思考過程や診療の意図を理解して、患者さんから適切な情報を聞き取るための「臨床推論力」と科学的根拠にもとづく「問題解決力」が必要になります。本研究室では、薬剤師による抗菌薬の適正な使用や薬剤耐性対策を推進できる人材育成を目的とした卒前・卒後教育プログラムや薬剤師業務支援ツールの開発を行っています。とくに、わが国では感染症の専門医が十分揃っていない病院が多いため、薬剤師の力が重要となります。