生命工学部

Faculty of Life Science and Biotechnology

【生物工学科】海と森 どちらも学ぶ

【生物工学科】海と森 どちらも学ぶ

島の生態系を丸ごと明らかにしたい。因島 内海生物資源研究所を拠点に海と森のフィールド調査を行いました。対象は魚とネズミ。住んでいる場所が全く違いますが、どちらも食べているものを分析して、生態系における食物網(食物連鎖のネットワーク)を明らかにしようという点で一致しています。生物工学科では生き物全てが研究対象なのです。

まずは、調査漁船である爽風丸に乗船し、因島沿岸域の魚類の調査を行いました。卒業研究を行っている4年生は特に野生のシロギスが何を食べているのかを調べています。朝から不安定な天気で、雨が降っていましたが、ちょうどよく雨が止み、7時半ころに出航し、雨がまた降りだすまでの数時間、船上で釣りをしました。生物工学科で爽風丸を利用したのは初めてですね。

曇りだったせいか、暑くなく、ほどよい気温の中でサンプリングを行うことができました。普段、浜からの釣りでは釣ることのない大きなサイズのシロギスが釣れ、目的のサンプリングを行うことができました。その他、キュウセン、フグ、小さなタイが釣れました。

初めての船上からの釣りでしたが、藤井船長の指導の下、ケガも事故もなく無事に終えることができました。藤井船長、ありがとうございました。とっても貴重な経験ができましたし、目的も達成できました。

釣りに夢中で、釣った魚の写真を撮るのを忘れていました。下の写真は冷凍後の写真です。大きなサイズのシロギスが6匹。4年生たちはここからDNA分析を通して食の情報を抽出していきます。食べておいしいシロギス、シロギスは何をおいしいと思って食べているのでしょう。

さて、海の調査のあと、ネズミチームと合流し、今度は森のフィールド調査へと出かけました。小雨の中、そしてものすごい湿気と高くなった気温の中、何とか60台のネズミのトラップを仕掛けました。その後は、因島 内海生物資源研究所の宿泊施設にお邪魔して、バーベキューで研究室のメンバーの親睦を深めました。

夜も暗くなるまでバーベキューを楽しみ、その後は室内でトークを楽しみました。そして次の日のフィールド調査に備えてゆっくりと休んだに違いありません(察してください)。

翌朝、森のトラップをチェックに行くと、3頭のアカネズミが待っていました。そのうち2頭は以前もトラップで捕獲したことのあるアカネズミであることが分かり、「またお前か」と言いながら、月に一度の健康診断のようなサンプリングを行いました。3頭ともサンプリング後にはリリースし、元気に森に走り去っていきました。来月までごきげんよう、またウンチをもらいに来ます

無事に終わったフィールド調査。サンプリングに成功し、そして何よりも事故等がなかったことにいつもながら安堵感を覚えます。これからDNAの分析を通して、採集したサンプルから生態系に関する情報を4年生たちが抽出していきます。生物多様性豊かな瀬戸内の里山・里海の生態系の仕組みを少しでも明らかにし、うまく自然と付き合うことのできる人間社会ができるよう貢献していきたいと考えています。

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<文責 生物工学科 佐藤淳>

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