工学部

Faculty of Engineering

【機械システム工学科】研究集会で自動運転車の制御技術について講演

【機械システム工学科】研究集会で自動運転車の制御技術について講演

3月9日(火)午後、MIMS共同研究集会「高度な自動運転を実現するための数理の現状と課題」にパネラーとして参加し、講演を行いました。研究集会はZoomを使って開催され、パネラーは10名、聴講参加者は約20名でした。機械システム工学科の内田が報告します。


MIMSとは、文部科学省 共同利用・共同研究拠点「現象数理学研究拠点」として認定されている「明治大学先端数理科学インスティテュート」のことで、明治大学が「自動運転社会総合研究所」を開設していることもあって、自動運転に関する研究集会を定期的に開催しています。私は過去3回の集会にパネラーとして参加し、講演を行っています。

今回私は、「エネルギー最適制御」の自動運転への適用に関する研究成果について講演しました。「エネルギー最適制御」は、私を含む数人のグループが研究している新しい制御方法で、これをハイブリッド電気自動車(HEV)の自動運転に適用した場合、以下のようなメリットがあります。

①消費エネルギーを最小化すると同時に回収パワーを最大化する制御を容易に実現できる。この記事のトップの画像は、研究集会でそのことを説明しているところです。下の写真は制御法の理論式を説明しているところです。

 

②意図的にプログラミングしなくても、エンジンとモーターが自然に役割分担する創発的な制御動作が得られる。下の写真はそのことを説明しているところです。

 

これらのことから、HEVの自動運転にエネルギー最適制御を適用すると、従来の制御法に比べて消費エネルギーが少なくて済むと同時に、速度制御や位置制御の制御精度が高くなります。このことを、いくつかのシミュレーション結果を交えて説明しました。

研究集会では、自動運転に関する基本的な考えから、最新のニューラルネットワーク技術の応用まで、幅広い論点による講演が行われました。特に地域の道路環境では、高速道路など高規格道路での自動運転とは異なる困難な問題が数多くあるため、多角的な観点からの多様なアプローチでの研究が必要であることを改めて感じさせられました。今後も、ユニークな研究を行っている他大学の研究者らと意見交換・情報交換しながら自動運転の研究を続けていきたいと考えています。

 

私の研究室での卒業研究について、学長室ブログでも紹介していますので、そちらもご覧ください。

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