【生物工学科】ラオスの風はラオスに吹く② 研究交流

【生物工学科】ラオスの風はラオスに吹く② 研究交流

生物工学科のラオス海外研修の一部であるラム酒製造メーカーLAODIでの様子を12月21日(水)のブログで紹介しました。本研修ではLAODI外でも多くの研究・教育・国際協力機関と交流をしてきました。本ブログでは、ラオス国立大学(ビエンチャン)、スファヌボン大学(ルアンパバーン)、JICA(ビエンチャン)、IUCNラオス支部(ビエンチャン)との交流について、生物工学科佐藤が紹介します。研究・教育・国際協力機関に吹くラオスの風を感じてきました。

ラオス国立大学

今回、ラオス国立大学農学部を訪問した理由は3つあります。一つ目は学生と教員の研究やその他の交流、二つ目は両学部(ラオス国立大学農学部と福山大学生命工学部)の共同的活動についての合意(MoA)を得るための議論、そして三つめは相互の訪問を含めた教育・研究交流プロジェクトを立ち上げる議論を行うことでした。初めに秦野教授が3つの目的を説明しました。

その後、まずは私(佐藤)が大学と学科の紹介をした後、4年生の石岡綺音さん(広島県立福山誠之館高等学校 出身)が、卒業研究で進めているオリジナルロゼワインの研究の紹介を行いました(タイトル:Development of a fermentation method to make original wine from local grapes)。その後、再び私が瀬戸内の生物多様性に関する研究の紹介をしました(タイトル:Evolution and Ecology of the wood mouse in the Seto-Inland Sea islands, JAPAN)。他の学生たちも一人一人自己紹介しました(もちろん英語)。良い経験です。

MoAについては、両学部ともに最終確認を取ることで合意が得られました。今後のプロジェクトについても引き続き、議論を進めていくこととなりました。これらの議論の後、ラオス国立大学における研究と施設紹介をしていただきました。生物資源と生物多様性の観点で、連携が可能であることを再認識しました。今後、どのような連携が進むでしょうか。楽しみです。

スファヌボン大学

さて、今度はところ変わってビエンチャンの北部にある街、ルアンパバーンです。ルアンパバーンは街全体が世界遺産で、風情漂う大変魅力的な街でした。私(佐藤)も大好きになりました。ルアンパバーンでの最初のイベントは、スファヌボン大学との交流です。ラオス国立大学と同様に、大学・学科紹介(佐藤)、研究紹介(石岡、佐藤)を行い、スファヌボン大学における研究と施設を紹介していただきました。ここでもキーワードは、生物資源と生物多様性でした。日本からのお土産として琴のオルゴールをプレゼントしました。

スファヌボン大学では、大変ありがたいことに、学生さんがたくさん集まってくれました。一人一人自己紹介をした後、教員が施設案内で不在の間、学生同士でずいぶんと交流が進んだようです。今やSNSですぐに友達になることもでき、国際交流の壁は昔ほどはないのかもしれませんね。終始和やかで友好的な交流ができたことは学生にとっても大変良い経験になったはずです。教員は施設を案内していただくとともに、共同研究する際の生物資源の取り扱いの注意などの議論をしました。それにしても本学学生も交流においてはスファヌボン大学に負けずに積極的で友好的で何か一歩を踏み出そうという気概のある印象を受けました。そのポジティブなマインドはとっても良いですね。

JICA

またまたところ変わって今度はビエンチャンです。JICAラオス事務所を訪問し、ラオスの現状とJICAの取り組みという内容で、JICAの国際協力の活動について学んできました。何故ラオスで国際協力をしているのかという学生の質問にも、JICA橋本さんから学生目線で率直な思いが語られるなど、わかりやすいお話を聞くことができました。ありがたいことに渡航前には得ることのできなかったラオスでのコロナウイルスへの対応に関する情報もこのJICAで得ることができとても良かったです。

IUCN

ラオスを発つ日には、学生たちはビエンチャンで自由行動ででした。その間、LAODIの井上さんとシハッタさんの計らいで、急遽、国際自然保護連合(IUCN)ラオス支部の支部長と研究交流をすることができました。井上さんとシハッタさんは、動物の生態や進化の研究が専門の私(佐藤)にも大変気遣って、このような会を特別にセッティングして下さったのです。遺伝情報を使った哺乳類の進化や生態に関する研究を紹介し、ラオスにおけるIUCNの活動とカモシカの仲間で絶滅危惧種であるサオラという種の保全についてご紹介いただきました。共通の興味と課題があることを相互に認識しました。さらに、同じ日にはWCS(野生動物保全協会)の研究者とも議論することができました。ラオスの生物多様性に携わる研究者との共同研究を通して、大変面白そうな研究ができそうだと感じ、想像力が働き、わくわくしました。生物多様性の損失は世界の課題です。今後、同じ課題を解決するためにも連携を考えていきたいところです。私にとっても意義のある海外研修となりました。

今回も長い長いブログでした。ここまで読んでいただきありがとうございました。LAODIでの研修を記したブログ①をご覧になっていない方は、ぜひこちらからご覧ください。ラオス海外研修で学生たちが学んだことはまだまだありますよ。次のブログ③をご期待くださいね。

 

 

学長から一言:生物工学科のラオス研修レポートの第二弾。今回は大学や研究機関との交流というアカデミックな内容。学生の皆さんは、共通言語の英語を駆使して双方の大学での学びなどを理解しあい、引率者もせっかくの海外滞在の機会に、寸暇を惜しんで専門の近い現地の研究者と交流。これぞ海外研修の醍醐味でしょう。学びの深さが伝わってきました。