【心理学科】心理実習、頑張っています!

【心理学科】心理実習、頑張っています!

国家資格である公認心理師を目指して、心理学科の4年生も頑張っています!

本日は心理学科の専門科目である「心理実習」における学外実習の様子について、授業を担当する中野美奈講師からの報告をお届けします(投稿は学長室ブログメンバーの大杉です)。

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心理学科の中野です。

心理学科で4年生次に「心理実習」を履修した実習生は、毎週の講義の他に学外実習に参加し、80時間の実習時間を積み上げていく必要があります。今年度は12名の学部実習生が、保健・医療分野、教育分野、福祉分野などにおける複数の実習先で様々な体験をし、貴重な学びを得ています。

11月17日(木)は広島県立障害者リハビリテーションセンターでの施設見学実習でした。10名の学部実習生と、引率の金平希講師と私がスクールバスで東広島市西条町に向かいました。現地を案内してくださったのは、機能回復訓練部小児訓練科の科長で理学療法士の柴田邦宏先生です。

<医療センターの歩行分析室の説明をしてくださる柴田先生>

広島県立障害者リハビリテーションセンターは、医療センター、高次脳機能センター、若草園(肢体不自由児施設)、若草療育園、あけぼの(リハビリテーションセンター)、スポーツ交流センター「おりづる」で構成される医療・福祉複合施設です。広い敷地に複数の施設が入っているので、見学中は迷子になりそうなほどでしたが、学生にとっては大きな規模の複合施設でいかに心理師が活躍するかを学ぶことのできる絶好の機会!様々な他職種との連携が不可欠であることをよく理解できたものと思います。

<スポーツ交流センターの視覚障害用バスケットゴール>

実習生はそれぞれの施設を見学し,柴田先生の説明を聴きながらしっかりメモを取っていました。実習生の感想を紹介します。

  • 尾村実咲さん(社会心理学研究室4年・鳥取県立米子西高等学校出身)

施設内の様々な場所を見学させていただき、良き学びとなった他、普段触れられることのない義足に触れることもでき、貴重な体験となりました。施設内の見学を通し、特に印象に残ったのは若草園でした。ここでは肢体不自由であったり発達障害を抱えていたりする子どもたちを対象とし、単独入園・親子入園・通園の3つの形態で医療福祉サービスを行っておられました。なかでも親子入園は、子どもと保護者が施設へ入園し、およそ2か月をめどに療育及び育児支援を受けると伺いました。保護者も共に入所するというお話は初めて伺い、驚きました。確かに、実際に障害を抱えている子どもはもちろん、その保護者も障害をどう対処してよいのかわからないものだと思います。不安が顔に出てしまい、子どもに接する際に笑顔が曇りがちになり、安全基地としての機能を果たせなくなるのだとも伺いました。このことから、患者本人だけでなく,その周囲の人々への支援も大切なことであると再度考えるようになりました。

<各施設を実際に見学しながら説明を聴く様子。具体的にイメージしやすいですね。>

上記の感想にもあるように、若草園は、広島県で唯一親子入園できる肢体不自由児施設です。見学させていただき、本当に貴重な体験ができました。


さて、病院や小学校や福祉施設など様々な活動をした4年生の学外実習も11月いっぱいで終わり、それ以降は各自が実習の振り返りのカンファレンスや発表資料の作成に力を注ぎます。実習生にこれまでの学外実習を振り返って感想を寄せてもらいました。

  • 大島佳香さん(教育心理学研究室4年・広島県立可部高等学校出身)

私は将来、心理学を生かして子どもと関わる仕事をしたいと考えています。小学校やフリースクール等の学外実習を通して、将来について具体的なイメージを持つことができました。また、3年次に履修していた心理演習で学んだ傾聴技法などを実践することができたり自分の中にある偏見や先入観に気付くことができたりと、大学の机上の授業だけでは学ぶことのできなかったことが学べ、とても貴重な経験を積むことができました。学外実習や心理実習の授業を通して専門的知識の不足を感じ、今後は教育や薬の知識等幅広い専門知識の勉学に励むとともに、大学院に進学し学外実習でさらに経験を積みたいと考えています!

  • 中村圭佑さん(障害心理学研究室4年・広島県立府中高等学校出身)

様々な現場で実習させていただき、とても貴重な経験となりました。特に教育関係での実習が印象に残っています。初日はとても緊張していましたが、子どもたちからはとても元気で明るく接してもらえたため、緊張はほぐれ、子どもたちからは元気を貰いました。子どもたちの笑顔が眩しかったです。しかし、実習期間は短く、また初めての教育現場での実習だったため、児童生徒一人ひとりについて完全に把握できていない状況での個別対応はとても難しく感じました。とある生徒から悩みを相談されることがあり、どのように対応すれば良いのかその場で判断できず、曖昧な返事になってしまったこともありました。しかし、こういった状況でどうすべきなのかを具体的に考えることができ、とても貴重な経験をさせていただくことができました。

実習生は、学部卒業後は大学院に進学したり就職したりと道は1つではありません。しかし、実習の貴重な体験は将来きっと役に立つと思います。今後さらなる発展を期待しています!

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実際に現場で見て、そして体験する「実習」を通じて、学生たちが多くの気づきと学びを得たことがよくわかります。学生の実習を引き受けてくださった各機関、各施設の皆様に、改めて御礼申し上げます。心理学科、そして大学院人間科学研究科は、引き続き地域で活躍する公認心理師の育成のために尽力していきたいと思います!

 

 

学長から一言:「心理実習」の一環で訪れた東広島市の障害者リハビリテーションセンターは医療・福祉の総合施設であることを初めて知りました。公認心理師を目指す参加者の感想からは肢体不自由児や発達障害児の施設での体験がとくに印象深かったように思えます。大学の座学だけでは獲得が難しい多くの貴重な経験を積めたことでしょう。センターの関係者の皆様のご協力に私からも感謝したいと思います。