【海洋生物科学科】学生も参加して令和4年度日本水産学会中国・四国支部例会を開催!

【海洋生物科学科】学生も参加して令和4年度日本水産学会中国・四国支部例会を開催!

大学は学生の教育を中心に動いていますが、そのためには研究や技術開発をしっかりと遂行し、それをベースにしていくことが求められます。そうした研究充実の一環として、各種学会への参加及び運営協力があります。海洋生物科学科では、令和4年度より日本水産学会から中国四国支部の事務局の仕事を依頼されました。支部の活動は、年1回開催される例会(研究発表会)の企画・実施が大きなお仕事になります。今回は、4年生も参加して開催した例会の顛末記が海洋生物科学科有瀧教授から届きましたので、海洋生物科学科学長室ブログメンバーの阪本がお伝えします。

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令和4年度日本水産学会中国・四国支部例会H P

オンライン開催での支部例会

支部例会の準備は猛暑に見舞われた8月から始まりました。先が見えない新型コロナウイルス感染症の状況もあり、令和4年度の支部例会はオンラインで開催することにしていました。これまで対面で学会を企画・運営した経験はありましたが、オンライン開催は全く初めてで、何がどのようになるのか右も左もわからない中、例会をサポートするコンサル企業と打ち合わせを始めました。支部の庶務を引き受けたのは太田教授海洋生物科学科)です。ただ、ネット会議の度にパソコン越しに降ってくる「呪文」のような専門用語や、早回しのように切り替わる操作画面に目を白黒させながら対応することが繰り返されました。この時点まで、太田教授は難行苦行が例会直前まで続くことを知るよしもありませんでした。

例会は11月26日(土)の午後、27日(日)の午前で開催し、動画による口頭発表とPDF資料を掲示するポスター発表のほか、2日目の午後にはシンポジウムも計画しました。ポスター発表には地域の高校生にも参加していただくことを考え、阪本准教授海洋生物科学科)が広報担当として関係校への案内と発表を依頼しました。また、シンポジウムは、水産生物の病気に関する研究が専門の伊丹教授海洋生物科学科)に、「魚病で何か面白そうなものを」という曖昧かつ無茶な企画をお願いしました。

難行苦行を乗り越えて

太田教授の頑張りもあってなんとかシステムも組み上がり、オンラインでの参加申し込み受付を開始したのは10月7日でした。やれやれ、これでなんとか・・・と額の汗を脱ぐったのも束の間、越えるべき山はさらに険しく、多くの大学や研究機関から「申し込みができない」、「講演要旨を送れない」、「発表資料が登録できない」、「参加手続きはちゃんと完了していますか」などなど、トラブルや問い合わせのメールや電話が山のように(太田教授へ)届くことになりました。おまけに、11月19日(土)までで締め切ったはずの申し込みが、その後も飛び込んできてプログラムが全く固まらない事態になりました。例会まで1週間を切ってもこの状態が続き、あわや開催断念か・・・との思いがよぎる日々が続きました。それでも力技でなんとか体裁を整え、講演要旨集を組み上げたのは開催前日の11月25日(金)のことでした。

講演要旨集

4年生たちも必死

一方、研究室の4年生たちもバタバタする日々を過ごしていました。担当教員にせっかくの機会だからと学会へ参加するよう背中を押されたものの、卒業研究の成果をこの時期にまとめるのは大変です。それでも6名の学生たちが初めて発表要旨を書き、初めて発表スライドを作り上げ、音声を入れ動画ファイルに変換し、無事口頭発表資料としてエントリーすることができました。あとは当日、参加者に興味を持っていただき、質問やコメントを受けることができれば大成功です。さて、どうなりますか、心配は尽きませんでした。

いよいよ例会当日、朝からドキドキが収まりません。HPはちゃんと閲覧できるようになるのか、皆さんが発表サイトに来てくださるのか、心配の種は次から次へと湧いてきます。それでも開始時間の13時にはインターネットで全ての発表資料が閲覧可能となり、次々とアクセスの様子が表示されていきました。期待半分、心配半分だった研究室の学生たちの発表はどうでしょうか。そっと覗いてみたら、多くの質問やコメントをいただいており、彼らもしっかりと応答してくれていました。学生たちはここ数年、新型コロナ感染症の拡大で多くの学習機会が奪われることとなりました。そんな中、オンラインではありましたが、自分たちの研究成果を多くの方々に見聞きしてもらい、それに対する反応を直接経験できたのは大きな糧になったと感じております。

学生による口頭発表の質疑応答

シンポジウム「瀬戸内海の寄生虫病撲滅へ向けて」

例会2日目は研究発表に加え、伊丹教授がコンビーナーを務めたシンポジウム「瀬戸内海の寄生虫病撲滅へ向けて」が開催されました。魚の飼育現場では、今も昔も病気、特に寄生虫による被害が大きな問題となっています。その課題に対し、最新の研究結果を海洋生物科学科水上講師をはじめ、5名の専門家の方が詳細かつわかりやすく話してくださいました。外部の大学や研究機関をはじめ、学内の学生も多く視聴しており、貴重な学習の機会となりました。講演をいただきました先生方には、この場をお借りしてお礼を申し上げます。

趣旨説明をする伊丹教授

水上講師の講演内容

こうして無事に2日間の例会を開催することができました。最終的に、参加者は74名、口頭発表22題、ポスター発表10題、シンポジウム参加者は59名と大変盛況の研究集会となりました。これも関係していただいた方々と、ご参加くださった皆様のおかげだと深く感謝申し上げます。支部の事務局の仕事は来年も続きます。次回の例会は、是非対面で実施したいと思っています。その時はご参加いただけると幸いです。

 

 

学長から一言:日本水産学会の中国四国支部事務局として、海洋生物科学科が企画・運営に携わった研究大会での奮闘記。現場の大変さが伝わってきました。しかし、学生諸君も初めての体験にもかかわらず果敢に発表に挑戦し、最後までやり遂げたのは素晴らしい! 発表の構想から資料作り、当日のプレゼンや質疑応答など、日頃の何倍も勉強になり、研究と結びついた大学での学びの醍醐味を少しだけ体験できたはずです。