【国際経済学科】国際ボランティアでOBとコラボレーション!

【国際経済学科】国際ボランティアでOBとコラボレーション!

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、海外への渡航が厳しく制限されています。国際経済学科の学生にとっても留学や海外研修に参加できず、さまざまなチャレンジの機会が奪われています。しかし、こんな時期でも、いや、こんな時期だからできることがあるはずです。国際経済学科の学生には、「海外に行けなくても国際経済学科の学生として何ができるか」を常に考えてもらっています。このことについて、国際経済学科の足立教授からの報告が届きました(投稿は学長室ブログメンバーの白)。

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今回は、国際経済学科の卒業生で、松永町で「Global English」という英会話学校を主宰し、貿易会社の代表取締役でもあるケニア出身のエリック・ムネネさんを2名の学生が訪問してインタビューし、ボランティアの現場を見学させていただきました。

英会話教室でのインタビュー

 

エリックさんは、母国ケニアの養護施設などに日本で不要となった古着や自転車などを送る活動をしています。ケニアでは経済的な格差は大きく、いわゆる絶対的貧困も存在しています。スラム街で暮らす人々も多く、エリックさんはこうした環境にある人々を支援しており、新聞やテレビでも活動が紹介され、支援の輪がコミュニティーに広がっています。

先進国におけるフードロスも大きな問題ですが、日本では1年間に15億着の衣服が廃棄されているといわれています。流行遅れになったから、サイズが合わなくなったから、という理由で多くの衣服が捨てられているわけです。一方で、世界には着る服に困っている人たちがたくさんいます。

国際経済学科では、2年生の基礎ゼミの授業で、「SDGs (Sustainable Development Goals)」について、自分たちに何ができるのかを議論してきました。エリックさんの活動はSDGsの1.「貧困をなくそう」や12.「つくる責任つかう責任」に特に大きな関係があります。

新聞やテレビで紹介されたことによる反響は大きく、自転車、ランドセル、衣料品、靴など1年間に約20トンの寄付が寄せられました。しかし、現在、原油の高騰や様々な世界情勢により、コンテナによる輸送費用が急騰しており、寄付していただいた品物が倉庫に山積みになっています。SDGsだけでなく、こうした国際経済情勢を目の当たりにすることも国際経済学科の学生には勉強になります。

内海町の倉庫にて説明を受けています

 

少しですがお手伝いもしました

 

参加した学生からは、「ケニアをはじめとするアフリカの貧困の状況がよく理解できた」、「是非自分たちも活動に参加したい」、「もっと早くこのプロジェクトにかかわりたかった」、「Reuseの大切さを痛感した」、「船会社への交渉の現場に同行してみたい」、「小学校でのSDGs教育活動に一緒に参加したい」といった感想が聞かれました。

2名の学生は4月から3年生になりますが、決して遅くはありません。何かを始めるのに遅いなんてことはありません。「自分たちに何ができるのか」、「どんな形でできるのか」、「誰を巻き込むのか」など国際ボランティアなどと大上段に構えず、このプロジェクトだけでなく、自分たちに何ができるのかを考えるよい機会になったとも思います。

 

 

福山大学にとって、国際経済学科にとって、世界中で活躍する卒業生ネットワークは、素晴らしい資産です。教員に出来ることは、卒業生と卒業生、卒業生と在学生を結び付けることであり、チャレンジする学生の背中をちょっとだけ押してあげることです。

 

 

学長から一言:本学の国際経済学科で留学生として学んだ後、この地に残って英会話学校や貿易会社を立ち上げ、その上で母国ケニアの貧困解消のためのボランティア活動にも尽力するエリック・ムネネさん、本当に頼もしい! パワフルで真剣な生き方から、われわれは多くのことを学べるでしょう。こんな先輩やその他にも様々なバックグラウンドの留学生と身近に接し、自分にないものを吸収できるのも国際経済学科の魅力と言えるでしょう。