【機械システム工学科】水中ロボットをプールで実証実験

【機械システム工学科】水中ロボットをプールで実証実験

福山大学の近くにある旧東村小学校のプールで、水中ロボットの実証実験を開始しました。機械システム工学科の内田が報告します。

東村小学校は、2020年(令和2年)3月末に閉校された福山市東村町内の小学校です。同じく、東村町内に位置する福山大学からは1km足らずの距離にあります。この学校のプールで水中ロボットの実証実験を行うことを福山市が実施する「実証実験まるごとサポート事業」に応募したところ採択され、この実験のためにプールを専用使用することが認められました。

水中ロボットの実験はこれまで工学部棟内に設置した水槽内で実験を行っていましたが、水槽は狭いため、実際に海で動かす時と同じような動作を実験することはできません。そこで、今は使われていないプールでの実験を計画したわけです。

3月23日(火)午前、このプールでの最初の実験を行いました。実験担当者は、新年度から卒業研究で水中ロボットに取り組む3年生の山内君と若木君、そしてこれまで「海中探査プロジェクト」で活動してきた2年生の中岡君です。この日はお世話になっている福山市の関係者の皆さんにもお越しいただき、また報道機関からの取材も受けました。

あわただしく実験準備を行った後、まず水中ロボットの潜航実験を行いました。ロボットはするすると順調に潜航しましたが、しばらくしたら浮上してくるはずが浮上してきません。実験の最初からトラブルに見舞われました。ロボットを引き上げて調べてみると、水中の細かい藻が推進器に吸い込まれて目詰まりを起こしたためであることがわかりました。

続いて、水上ロボットの実験を行いました。こちらもひとまず順調に航行できましたが、2個ある推進器の片方の電気回路が故障していたために、予定した通りの動きを完全に実現することができませんでした。これは、以前の実験で推進器に無理な動作をさせていたことが原因です。

水上ロボットは自動車用バッテリーを2個搭載していて、実用段階ではそこから給電線を介して水中ロボットに電力供給する予定でしたが、これまでそれを実際に行ったことはありませんでした。ところが、取材に来られた記者から「一体で動作させてみてください」とのリクエストがあり、急遽それを行うことになりました。初めてのトライです。

両ロボットを給電線で結合して同時に発進させると、水中ロボットも上記と同じく最初は順調に動作したのですが、途中からプールの底に沈んだまま動作しなくなりました。引き上げて調べてみると、今度は水中ロボットが内部に水漏れを起こしたために、電気回路が正常に動作しなくなったことが原因であることがわかりました。水漏れは水中ロボット開発では頭の痛い問題です。

以上のように、最初のプール内実験はうまくいかなかったこともいくつかありましたが、それらの原因はつかめました。大学での研究は学術的な面が重視されますが、実際のものづくりの局面では、こうした泥臭い面でのノウハウも大切です。早速、実験担当者は、改良案についてディスカッションを始めています。これからもこうして実験と改良を重ねながら、実用性のある水中ロボットシステムを実現していく考えです。

 

学長から一言:文字通りTry and Errorですねッ!学生の皆さん、エラーからたくさん学んで成功への道をがんばって進みましょう!期待しています!!!