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薬学科

本屋敷 敏雄(もとやしき としお)

職 名 准教授
学 位 博士(薬学)
専門分野 放射薬品学、生化学
担当科目 物質の構造と放射線、生体エネルギー代謝、生体調節分子、化学物質の分析・化学応用など
メッセージ 薬と毒は、紙一重ということを知っていますか? 実は薬と毒は、ともにヒトを含めた生物に何らかの作用を及ぼす化合物で、生物活性物質あるいは生理活性物質と呼ばれ、基本的には同じと見なされています。ヒトにとって有益な作用をする場合に「薬」、害になる場合を「毒」といっています。従って、薬も使い方を誤れば、副作用という「毒」としての作用を表します。 しかしながら「毒」も、使いようによっては、「薬」になることもあるのです。生物毒の中から薬になる物質を見つけてみませんか?

ヘビ毒液中に含まれるα1アドレナリン受容体結合物質の精製

ヘビ毒液中には、多種多様な生理活性物質が含まれており、中でも獲物を捕捉する時に相手を動けなくする神経毒(コリン作動生神経作用物質)は有名です。また我々生物には、アドレナリン作動神経というものも存在し、血圧の調整等、重要な役割を果たしています。しかしながら、このアドレナリン作動神経に作用する物質がヘビ毒液中に含まれているかについては、不明な点が多い。そこで、種々のヘビ毒液を用いて、α1アドレナリン受容体結合物質を検索し、その物質の分離精製を行っています。将来、新薬の開発につながればと願い、研究を行っています。

ラジオアイソトープセンターで、結合活性測定をする様子

ダニ毒に含まれる新規血液凝固阻害物質

ダニ(Tick)をはじめとする吸血動物は、ヒトやその他の動物から栄養を得て生活しています。従ってこれらの動物から持続的に吸血を行わなければならないので、ダニの唾液(毒液)には、血液凝固を阻害する物質が存在すると思いますよね? そこでウズベキスタンに生息するダニ (Boophilus calacaratus)の毒液に含まれる血液凝固阻害物質を分離精製し、新しいタイプの血液凝固阻害薬の開発につなげたいと思っています。

ウズベキスタンに生息するダニ (Boophilus calacaratus)