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分子免疫学研究室

分子免疫学研究室

細胞接着の人為的制御による難治性疾患治療戦略

分子免疫学研究室は、2016年4月から開設された新しい研究室です。薬学部は、薬剤師養成の学部である一方で、創薬研究も担う必要があると考えております。現在、薬学部が6年制になり実験に集中できる期間が十分にありませんが、厳しい状況でも、研究に興味を持った学生が少なからずおります。当研究室では、そのような学生に第一線の研究に触れて、体験して、さらに興味を持ってもらえるように心がけて指導を行っております。少ない時間で効率的に実験を進めるためは、実験計画をきちんと立てることが必要です。将来は研究マインドを持った薬剤師として、医療に貢献してくれることを期待しております。

 当研究室では、免疫疾患における細胞接着や食品機能成分の機能と新たな治療法の開発を目的とした研究を行っております。その目的の達成のためには、免疫学的手法のみならず、遺伝子組換やたんぱく質機能、細胞工学といった分子生物学的手法、さらにはマウス個体を用いた実験病理学的手法などを修得する必要があります。当研究室では、最新の実験テクニックを積極的に取り入れることで、時間の有効化や実験成功率の向上を図っております。

 

研究内容

1.細胞外基質とインテグリンとも細胞接着を抑制できる物質の創出

細胞外に存在する組織構成タンパク質は細胞外基質と総称されます。細胞外基質はかつて細胞間の隙間を埋めるだけの物質と考えられていましたが、現在はその受容体であるインテグリンを介して、自己免疫疾患等様々な難治性疾患に関与することが明らかとなっております。当研究室では、細胞外基質を介した細胞接着様式について詳細に研究し、福山大学発「副作用の少ない自己免疫疾患治療法の開発」を目指しております。

2.インテグリン活性化を制御できる物質の創出

インテグリンは活性化に伴いダイナミックな構造変化を生じることで、細胞外基質との接着が亢進します。インテグリン機能の新たな抑制方法として、インテグリン活性化に関与する分子を阻害することを考えました。現在、その有力な分子の同定に成功したことから、現在、その分子に対する阻害剤の機能を解析しております。

3.食品機能成分による疾病予防効果及び生理活性作用の解明

健康寿命を延ばすことと食生活は密接な関係があります。中でも、食品機能成分は様々な生理活性作用や疾病予防効果を発揮することが期待されています。本研究室では、認知症・ロコモティブシンドローム・メタボリックシンドロームといった健康寿命を縮める要因である加齢性疾患や自己免疫疾患等に対して有効に作用する食品機能成分の探索と作用機序の解明を進めております。

 

研究業績
(researchmap研究者情報)

 

スタッフ
(教員紹介)

写真をクリックすると、「教員紹介」ページが表示されます。
今重之教授
本田真知子助手