学部・学科・大学院

薬学科

赤﨑 健司(あかさき けんじ)

職 名 教授
学 位 薬学博士
専門分野 細胞生物学
担当科目 生命体の基本としての細胞、生活環境と健康、社会集団と健康、健康と環境特講、総合薬学演習Ⅰ など
メッセージ 私は、細胞の中の膜で囲まれた細胞小器官の1つであるリソソームの研究をしています。有名なミトコンドリアも細胞小器官の1つです。ミトコンドリアは発電所のようにエネルギーを作り出していますが、リソソームは、細胞内リサイクル工場の役割を果たしています。環境にやさしいリソソームの研究に興味はありませんか?

 研究者情報 

Fukuyama Univ Ver. researchmap

リソソームは何者ですか?

リソソームは1956年にC. de Duve博士(1974年ノーベル生理学・医学賞受賞)によって発見された細胞小器官です。リソソームの内部にはタンパク質、核酸、脂質、糖質など加水分解する様々な酵素が存在します。特に外環境に接する場所にある細胞(左写真:気管支細管の繊毛細胞)や免疫に関係するマクロファージ(右写真)はリソソームを多く含みます。そして、細胞外の細菌などを飲み込み、リソソームへ送り込み、加水分解酵素で消化してしまいます。

右写真:細気管支の粘膜にある繊毛細胞とクララ細胞。左写真:マクロファージやⅡ型肺胞上皮細胞。茶色に染色されているのがリソソーム

リソソームは隣のミトコンドリアを食べてしまう。オートファジー(自食作用)

細胞の栄養が不足する場合、ミトコンドリアを含む細胞小器官をリソソームが取り込みます。リソソームの酵素により、それらの成分を加水分解して、アミノ酸などの最小単位にまで分解して、細胞が生きていくための栄養源を供給しています。この現象をオートファジーとよびます。オートファジーは生命活動に必要なアミノ酸を供給するだけでなく、機能不全となって細胞に害をおよぼすミトコンドリアを選択的に分解することがわかってきました。

初代培養ラット肝細胞で起こるオートファジー。リソソーム(黒く染まった膜)に取り込まれたミトコンドリア。Gはゴルジ体