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情報工学科

中道 上(なかみち のぼる)

職 名 教授
学 位 博士(工学)
専門分野 HCI(ヒューマンコンピューターインタラクション),ソフトウェア工学,要求工学
担当科目 ソフトウェア工学、安全情報システム、暮らしと物つくり、みらい工学プロジェクト、情報工学演習Ⅱ,Ⅲ、情報処理技術I、情報処理技術Ⅱ
メッセージ 人と人とのコミュニケーションや人とコンピュータのインタラクション(やりとり)をセンサーやネットワークを効果的に利用して支援するシステムの構築を目指しています。 特に「使いにくいソフトウェアは使われない」と感じたソフトウェアエンジニアとしての経験から「使いやすいソフトウェア」を目指してソフトウェア開発の上流工程を中心に教育・研究を進めています。

 研究者情報 

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隠れたニーズ(ユーザーの要求)を明らかに!

ユーザーの要求を獲得するのってめっちゃ難しいんですよ.なんとか獲得するために,ユーザーの行動を細かく分解して「課題の抽出」や「原因の分析」を行います.細かく分類していくときに使うのがWBS(Work Breakdown Structure)という図になります.通常は「操作」のレベル(例えば,ボタンを押す)までの分解ですが,私たちは「見る,探す」といった注視行動のレベルまで分解します.例えば,リモコンでテレビを見るときの行動を分解すると,「リモコンを探す」が問題点であることが明らかになります. 新たな要求: リモコンのいらないテレビ(開発済み)

リモコンのいらないTV:Remote Touch TV

直感的な指差し:ポインティング手法の開発と応用

最近,スクリーンとプロジェクターを使ってプレゼンテーションする機会が増えています.そんなとき,「あれ!」と指差ししながらひとに説明することはないですか? じつは指差しの先は,頭から手の延長線上を指しています.この研究では指差しジェスチャによるポインティング技術(Remote Touch Pointing)を開発し,それを様々な分野に応用し,直感的に操作できる世界を目指しています. 応用例: 講義などのプレゼンテーション支援,カーナビゲーション操作,観光案内など

Remote Touch Pointing

防災に人間の行動データを活用しよう!

最近,災害のニュースなんか多いですよね。 災害に備えて人間の行動データから避難経路の「迷い」ポイントを見つける研究があります.そして「迷い」ポイントに案内板などの設置計画の支援をおこなっています。 ただ正しく人間の「迷い」データを記録するって難しいんですよ。だって被験者さん,「迷い」ボタンとか押し忘れるんですよ。そんなとき,観察してる人が被験者さんの「迷い」を一緒に記録したら正確なデータが記録できるかも・・ また災害発生後,二次災害に備えて立ち入り禁止の場所とか設置されますよね。でもあのバーとか設置されるまでに早く教えてほしい。そんなときに携帯端末のGPS信号を利用して,立ち入り禁止エリアに侵入してしまったことを知らせる「危険エリア通知システム」の開発を進めています。

被験者の「迷い」を記録してみよう

これって本当に使いやすい? 視線を使ったらわかるかも?

じつは皆さんの日常を様々なシステムが支えています。でも「あれ?なんか使いにくい」と思われたことはないですか? そんなシステムの使いやすさを実際にユーザーに使っていただいて調査することをユーザビリティ評価と言います。 システム利用時のユーザーの目の動きに着目して,視線を記録して分析・評価の手法を日々,考えています。例えば,こんな視線の表示の仕方をしたらもっと分析しやすくなるんじゃないか,ユーザーが迷っているときはあちこち見ているから視線の動きが速くなるんじゃないか,などです。

ただいま視線を記録中

薬剤処方ミスを減らしたい! 行動解析からわかること

ある日,視線を使ったユーザビリティ評価の研究発表をしているとき,薬剤師さんに声をかけられました。 「この研究って薬のチェック画面でも使えるかな?」 じつは薬剤師さんはこの薬のあの薬を一緒に飲んじゃダメとかの勉強はしているのですが,どういうチェックの仕方をしたほうがミスが少ない,といったことはわかっていないらしいのです。 そこから,薬剤処方ミスを減らすための支援策を考え,検証しています。 薬剤師さんってどんなチェックをしているの? どんな教材を作ればチェック能力は向上するの? チェックするときの画面はどんなレイアウトにすればミスは減らせるか

薬剤師さんの視線の動きを分析中