【経済学部】2026年の夏、韓国研修に行ってきました!
안녕하세요(アンニョンハセヨ、訳:こんにちは)。
今年度で4回目となる経済学部の韓国・釜山研修を9月11日から18日までの7泊8日の日程で実施しました。今回は14名の学生が参加し、そのうち2名は工学部、1名は人間文化学部からの参加でした。引率した国際経済学科の呉青姫が、その内容を写真とともに以下お伝えします。
今回の研修では、福山大学、福山大学後援会、福山大学経済学部同窓会から温かいご支援をいただきました。円安の影響で研修費用が高騰する中、学生たちにとって大きな支えとなりました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
おかげさまで学生たちは、韓国の文化や産業に直接触れ、さまざまな体験をすることができました。例年の企業見学、交流活動、文化体験、市場調査、ボランティア活動、市内観光などに加え、今回は新たに浦項市庁を公式訪問し、観光コンベンション都市推進本部長に研修活動を報告する機会も得ました。

【写真1 釜山金海空港&海雲台にて】
1.浦項見学
浦項市は、福山市と長年にわたる姉妹都市関係を築いており、両市とも製鉄産業を基盤として発展してきたという共通点があります。今回の研修では、こうした福山市とゆかりの深い浦項市を訪問しました。

【写真2 浦項見学:浦項市庁にて(右の写真の左から3番目が観光コンベンション都市推進本部長様)】
まず浦項市庁を公式訪問し、観光コンベンション都市推進本部長様にお会いしました。今回の研修で学生たちが浦項市内で行った活動について報告するとともに、福山市と浦項市との今後の交流についても意見交換を行いました。
市庁では展望台から浦項市内を一望したほか、市庁の皆様のご厚意で専用バスによる市内案内もしていただきました。訪問先の各所では福山大学を歓迎する掲示も見られ、韓国の地で私たちを温かく迎えていただいていることに、学生たちも大きな喜びを感じました。長年にわたる姉妹都市交流が、今回の研修を通して私たちの世代にもつながっていることを実感しました。

【写真3 浦項見学:Skywalkにて】
その後、浦項の街を見学しながらPOSCOが建てたSkywalkに足を運びました。鉄を用いて造られた特徴的な構造の階段を歩きながら、浦項の街並みや周辺の景色を眺め、製鉄の街として発展してきた浦項を身近に感じることができました。
今回の訪問では、浦項市の皆様の温かい歓迎と細やかなご配慮に触れ、姉妹都市交流のつながりを改めて実感することができました。この場をお借りして、浦項市の皆様に心より感謝申し上げます。
なお、この日に訪問したPOSCOおよびPOSCO広報館については、ほかのセッションで詳しくご紹介します。
2.企業見学
今回の企業見学では、浦項のPOSCOとPolaris 3D、釜山のDr.SANTEを訪問しました。鉄鋼、ロボット、美容・化粧品と、それぞれ異なる分野で事業を展開する3社を訪れることで、韓国の産業の各方面を知ることができました。
POSCO――世界有数の鉄鋼メーカー
最初に訪問したのは、浦項を代表する企業であり、韓国を代表する鉄鋼メーカーのPOSCOです。世界鉄鋼協会の最新統計によると、2025年の粗鋼生産量は約3,736万トンで、世界第8位に位置しています。
今回はPOSCOの工場ガイドの方にご案内いただき、工場内をバスで移動したり、歩きながら生産工程や設備について説明していただきました。工場内は写真撮影が禁止されていたため、写真を撮ることはできませんでしたが、広大な敷地に巨大な設備が立ち並ぶ光景に、学生たちは圧倒されました。
鉄鋼の素材が加工され、線材などの製品へと姿を変えていく生産現場を実際に見ることで、鉄が世界規模の産業として生産されていることを実感しました。そのスケールの大きさは、まるで学生たちが小人になって巨大都市の中に入り込んだような感覚でした。
Polaris 3D――最先端のロボット技術に触れる
続いて訪問したのは、浦項に拠点を置く産業用ロボット企業、Polaris 3Dです。同社はPOSTECH(浦項工科大学)の卒業生3人によって設立され、産業用ロボットの開発を中心に事業を展開しています。将来的には、人が常駐せずに生産活動を行う「ダークファクトリー」の実現を目指しているとのことでした。
訪問時には、事業の拡大やソウルへの移転、今後の展開について説明していただきました。説明の後には学生たちから次々と質問が出され、起業のきっかけやロボット技術の可能性などについて、活発な質疑応答が行われました。

【写真4 企業見学:Polaris 3D(左の写真の右から2番目が副社長)】
写真のロボットは、レストランなどで活躍するサービスロボットです。身近な場所で目にするロボットがどのような技術によって生み出されているのかを知ることで、学生たちは最先端の製造技術をより身近に感じることができました。
Dr.SANTE――韓国の美容産業を体験
最後に訪問したのは、釜山のDr.SANTEです。2003年創業の同社は、エステティック分野を中心に、化粧品の開発・販売や人材育成にも力を入れています。2年前にも本研修で訪問しており、今回も温かく迎えていただきました。
今回は、同社の事業や商品について説明を受けたほか、学生たちからも積極的に質問が出されました。特に、肌のケアを目的としたサンクリームなどの商品について詳しく紹介していただき、美容産業における商品開発や人材育成について学ぶことができました。

【写真5 企業見学:Dr.SANTE(左:Q&A、右:エステ体験)】
さらに、学生の一人が代表してエステを体験しました。企業の説明を聞くだけでなく、実際にサービスを体験することで、韓国の美容文化やサービス産業をより身近に感じる機会となりました。
3.交流活動
今回の交流活動は、釜山外国語大学の学生との交流と日韓交流ネットワーク「そこそこ」との交流を中心に行いました。韓国の人々と直接触れ合い、言葉や文化の違いを越えて交流することは、韓国研修の大きな目的の一つです。
釜山外国語大学との交流
釜山外国語大学では、竹中教授の異文化体験に関する授業に参加し、韓国の学生たちと交流しました。

【写真6 交流活動:釜山外国語大学の学生との交流】
福山大学からは、カルタや折り紙を用意し、日本の遊びや文化を紹介しました。一方、韓国の学生たちは伝統的な遊びであるユッノリやキーホルダーのDIY体験、韓国のお菓子などを用意してくれました。
日本の文化を一方的に紹介するのではなく、互いの文化を紹介し合う双方向の交流となり、ゲームやものづくりを一緒に楽しむ中で、最初は緊張していた学生たちも次第に打ち解けていきました。言葉だけではなく、実際に一緒に活動することで、異文化交流の楽しさを実感することができました。
日韓交流ネットワーク「そこそこ」との交流
もう一つの交流活動が、毎年恒例となっている日韓交流ネットワーク「そこそこ」との交流です。日本のアニメや歌などに関心を持つ韓国の社会人若者が参加し、福山大学の学生たちは日本語を教えた後、食事をしながら交流を深めました。

【写真7 交流活動:日韓交流ネットワークとの交流(左:日本語指導、右:懇親会)】
日本語を教える活動では、福山大学の学生たちも、参加者の日本語のレベルの高さに驚かされました。教える立場でありながら、逆に韓国の参加者から刺激を受け、外国語を学ぶことの大切さを改めて感じる機会にもなりました。
「そこそこ」との交流は、学生たちにも特に人気の高い研修の定番活動です。日本語を教えるだけでなく、食事や会話を通して親しく交流できるため、毎年参加者にとって楽しみの時間となっています。
4.文化体験
文化体験では浦項のPOSCO広報館で鉄鋼産業について学び、釜山では韓国の伝統衣装の着付けを体験しました。

【写真8 文化体験:POSCO広報館にて】
POSCO広報館では、光や映像、模型などを使った体験型の展示を通して、鉄の魅力や可能性について学びました。最初に目にしたのは、鉄や製鉄をイメージした幻想的な光のアートです。入場前に撮影した学生たちの顔が光の演出の中に登場する仕掛けもあり、まるで大阪・関西万博のパビリオンにいるような雰囲気を楽しみました。
その後、POSCOの工場を再現した模型や、木材や大理石のように見える鉄の壁や柱など、鉄のさまざまな可能性を紹介する展示を見学しました。磁石を使って実際に触れるなど、楽しみながら鉄の特性や加工技術について学ぶことができました。
さらに、鉄が自動車や建築物など幅広い分野で利用されていることや、未来の都市・住宅における鉄の役割について映像を通して学びました。POSCO広報館での体験を通して、学生たちは鉄を単なる工業材料としてではなく、デザインやアート、そして未来の街づくりを支える素材として捉えることができました。

【写真9 文化体験:韓国伝統衣装の着付け】
釜山では、韓国の伝統衣装の着付けも体験しました。色鮮やかな衣装に身を包み、互いに写真を撮ったり、衣装の特徴について話したりしながら、楽しい時間を過ごしました。実際に着てみることで、衣装の色彩やデザイン、着心地などを体感しながら、韓国の歴史や伝統文化をより身近に感じることができました。
5.ボランティア活動
今回の研修では、日韓交流ネットワーク「そこそこ」との交流に加え、毎年恒例となっている李秀賢氏の墓参りにも訪れました。私たちが毎年9月中旬に韓国を訪れる際に、研修の大切な活動の一つとして続けています。

【写真10 ボランティア活動:義人・李秀賢氏25周忌のお墓参り】
李秀賢さんは2001年1月、新大久保駅で線路に転落した人を助けようとして事故に遭い、亡くなりました。その行動は日韓両国で広く知られ、国籍を越えて人を助けようとした人物として、現在も両国の交流を考える上で象徴的な出来事の一つとなっています。
墓前では、学生たちが李秀賢さんの生涯とその行動について読み上げ、花を手向け、静かに手を合わせてご冥福をお祈りしました。
今回の墓参りを通して学生たちは、日韓交流とは文化や言葉を学び合うだけでなく、互いの国の歴史や人々の思いを知り、記憶を受け継いでいくことも大切であると感じる機会となりました。これからも、この活動が学生たちにとって日韓両国のつながりについて考える場として続いていくことを願っています。
6.観光文化
研修中には、韓国を代表する歴史・文化・観光地も数多く訪れました。浦項市庁を訪問する途中には慶州を、釜山外国語大学での交流活動の後には釜山の歴史的な寺院を巡りました。
慶州は、かつて新羅の都が置かれた歴史都市です。瞻星台や東宮と月池などを含む「慶州歴史地域」は2000年にユネスコ世界文化遺産に登録されており、古代新羅の歴史や文化を今に伝えています。瞻星台は新羅時代の天文観測施設として知られ、石を積み上げた独特の形からも、当時の人々の科学や天文学に対する知識をうかがうことができます。

【写真11 観光文化:慶州の瞻星台】
続いて訪れた良洞民俗村は、朝鮮時代の伝統的な家屋や村の景観が残る歴史的集落です。2010年には安東の河回村とともに「韓国の歴史的村落:河回と良洞」として世界文化遺産に登録されました。
良洞村は現在も人々が暮らす「生きた世界遺産」であり、月城孫氏と驪江李氏という二つの名門家門によって形成された集姓村としても知られています。歴史的な古宅が数多く残され、孫仲暾や李彦迪など、朝鮮時代の著名な儒学者も輩出しました。学生たちは村を歩きながら、伝統的な家屋や町並みを実際に見て、朝鮮時代の暮らしや儒教文化について学ぶことができました。

【写真12 観光文化:慶州の良洞民俗村】
釜山では、歴史ある寺院も訪れました。金井山のふもとにある梵魚寺は、新羅時代に創建されたとされる釜山を代表する古刹です。また、通度寺も韓国を代表する仏教寺院の一つで、長い歴史を持つ韓国の仏教文化を今に伝えています。二つの寺院を訪れることで、韓国の伝統的な仏教文化や寺院建築に触れることができました。

【写真13 観光文化:梵魚寺と通度寺】
さらにほかの日に、釜山では現代の都市文化や海洋観光にも触れました。BUSAN X the SKYでは、海雲台LCTランドマークタワーの98~100階にある展望台から釜山市内と海岸の景色を一望し、釜山水族館などの観光施設も見学しました。また、例年の研修と同様に市場調査も行い、韓国の観光産業や人々の消費生活についても学びました。このように今回の研修では、古代新羅から朝鮮時代の伝統文化、そして現代の都市・観光文化まで、韓国の歴史と現在を幅広く体験することができました。
7.参加者の感想
経済学部 経済学科2年生 澤田奈々実
今回の韓国研修では、韓国のメイクやコスメについて実際に現地で見たり、調べたりすることができ、とても貴重な経験になりました。初めて海外に滞在する中で、日本とは異なる環境や生活習慣に触れ、最初は戸惑うこともありましたが、少しずつ新しい環境にも慣れていきました。また、他大学の学生と交流する中で、自分の考えを相手に伝えるためのコミュニケーション能力が大切だと感じました。今回の経験を通して、海外に行くことへの不安も少なくなり、これからは韓国だけでなく、他の国にも行ってみたいと思うようになりました。
経済学部 経済学科3年生 武田啓太
韓国研修で現地の学生と交流し、歴史ある名所を訪れました。最初は言葉が通じず不安でしたが、ジェスチャーや笑顔、スマホの翻訳アプリを駆使して心を通わせる楽しさを実感しました。完璧な会話ができなくても、伝えたいという気持ちがあれば壁は越えられると気づいた貴重な経験となり、自分の視野が大きく広がりました。
学長から一言:始まってから4年目の韓国釜山をフィールドとする経済学部の海外研修が、今年も大きな成果をあげて終了しました。豊富な活動内容に圧倒されます。各企業の見学や業務内容の聞き取りを通じて、現場感覚も含めた韓国経済やものづくり産業の理解、歴史遺産や伝統文化にも触れ、さらに協定校の釜山外大の学生の皆さんとの交流と、盛り沢山の研修で、参加者の皆さんは十分満足であったことでしょう。




