【心理学科】後期ボランティア活動報告第4弾!(CyPat FUが新たな2つの挑戦+α!)

【心理学科】後期ボランティア活動報告第4弾!(CyPat FUが新たな2つの挑戦+α!)

今年度も残りわずかになってきましたが、ボランティア活動報告はもう少し続きます。本日はサイバー防犯活動を行うCyPat FU(サイパットエフユー)の新たなチャレンジの様子について、心理学科兼学長室ブログメンバーの大杉お届けします(盛りだくさんで少々長めの記事です)。

1.赤坂交流館におけるサイバー防犯教室

2月4日(日)に、サイバー犯罪の中でも今着目されている「サポート詐欺」に関する防犯教室を行いましたので、まずはその様子をご紹介いたします。

CyPat FUのサイバー防犯教室の対象者は、これまで小学生が中心でした(今年度の際サイバー防犯教室の様子はこちらこちらをご参照ください)。しかし、サイバー犯罪被害に遭う可能性があるのは、もちろん小学生だけではありません。昨年11月に管轄署である福山西警察署の皆様と開催した対話会においても、サイバー防犯を地域にどのように広めていくかが1つの重要なトピックでした。特に、高齢者を対象とした詐欺被害は増えるばかり。そこで企画されたのが、本学からほど近い赤坂学区の防犯研修会におけるサイバー防犯教室です。

福山西警察署の生活安全課長からお声がけをいただき、赤坂学区の防犯組合員や「福祉を高める会」の皆様に対し、サイバー犯罪に関する講義をCyPat FUが担当させていただくことになりました。

これまで小学生に対する防犯教室しかほぼやったことのないメンバーたちでしたが、どのようにサイバー防犯を伝えていけばよいか、頭を悩ませました。しかし、準備の過程で「百聞は一見に如かず」ということで、グループで実際に「サポート詐欺」の警告画面を体験してみるワークも交えた実践的な教室にしようと思い至りました。

動画作成でも活躍したタブレットやパソコンを持参し、講義のスライドも用意して、準備万端です。

<準備の様子。学内の教育振興助成金で今年度購入したタブレットが大活躍です。>

防犯研修会は、福山西警察署による特殊詐欺クイズからスタートしました。私たちCyPat FUも参加者側で参加させていただき、各テーブルで大盛り上がり。実はその前に、「福祉を高める会」の皆さんが心を込めて作ってくださったカレーライスを皆で配膳し、交流しながら楽しくいただいた経緯もあり、研修会は終始アットホームな雰囲気で行われました。おかげで緊張も解け、ついにCyPat FUの出番がやってきました。

はじめに、「サポート詐欺」について、簡単にパワーポイントのスライドを用いて説明をさせていただきました。2月に開催していた警察庁の広報啓発コンテストでは惜しくも受賞を逃し本審査出場止まりとなりましたが、動画の題材が「サポート詐欺」であっただけあって、「サポート詐欺」の説明はお手の物です!

<講義開始の様子>

サポート詐欺は、パソコンやスマホを使用中に突然現れる警告画面に端を発し、そこから警告に従ってしまうとまんまとお金を騙し取られてしまうという形態の詐欺です。サポート詐欺対策として、「警告出ても慌てん」「電話は絶対かけん」「遠隔操作アプリを入れん」「請求されても払わん」「何が何でも従わん」の、5つの「」が大事!と伝えています。

<講義中の様子>

講義の後は、実際にどんな警告画面が出てくるのか、そしてそれに対してどのように対処すればよいのかを体験していただくグループワークをしました。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が作成し公開している「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)画面の閉じ方体験サイト」を活用させていただきました。興味のある方は、リンクから体験いただけます(スマートフォンからだと体験できませんのでご注意ください)。

<グループごとに警告画面の閉じ方を体験する様子>

各グループ、タブレットやパソコンから大きな音が鳴り響き、「えー、どうしよう!」と慌てそうになる場面も見られました。しかし、そこは「慌てん」!ということで、冷静に「従わん」練習、すなわちすぐに画面を閉じてしまう練習を、楽しみながら参加者の皆さんにしていただくことができました。実際に警告画面が出てきた経験をお持ちの方もいらして、各グループで盛り上がりました。

はじめはとても緊張していたCyPat FUのメンバーでしたが、防犯組合の皆さんや福祉を高める会の皆さんが本当に温かく迎えてくださり、楽しく防犯教室を行うことができました。福山西警察署の皆様にもたくさんのサポートをいただき、初めての試みは無事楽しく終えることができました。

<集合写真>

参加していただいたお礼に、CyPat FUから参加者の皆さんにプラバンで作成したキーホルダーをお渡ししました。サポート詐欺の対策付きキーホルダーです。思いのほか皆さんが喜んでくださり、メンバー一同とても嬉しい気持ちになりました。ご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました。

<お礼のキーホルダーを作成する様子と、完成したキーホルダー>

2.鞆の浦学園におけるサイバー防犯教室

翌々週の2月16日(金)には、福山市立鞆の浦学園においてサイバー防犯教室を行いました。鞆の浦学園は小中一貫の義務教育学校で、今回は後期課程の7年生から9年生(中学1年生から3年生)を対象としたサイバー防犯教室を実施してほしいとのご依頼でした。中学生を対象としたサイバー防犯教室も実は初の試みでした。

小学生に対するサイバー防犯教室では、いつもサイバー防犯標語を作成するワークを行っていますが、今回はもう少し難易度を上げようということで、メンバーでどんなワークがいいか真剣に考えました。そこで思いついたのが、様々な事例を用意し、その事例において「起こり得るリスク」とどうすればよかったのかという「適切な対処法」を挙げるというグループワークでした。どんな事例がいいか、どんなものを準備するのか、何日も話し合いながら準備しました。

<後期課程7年生から9年生(中学1年生から3年生)まで、合わせて9つのグループに分かれて座ってもらい、防犯教室スタートです。>

当日は、はじめに「インターネットの使い方」としていくつかのポイントを伝える講義を行いました。簡単なクイズを交えながら、和気あいあいとした雰囲気で進みました。

<講義の様子>

その後、9つの事例をグループごとに提示し、それぞれリスクと対処法を話し合いました。CyPat FUのメンバーのファシリテートにより、様々な角度でその事案を掘り下げる鞆の浦学園の中学生の皆さん。「こんなことあった!」とか「友だちから聞いたことある!」とか、様々な声が体育館内に響いていました。考えたことは付箋にメモしながら、発表に備えます。

<各グループでワークをする様子>

ワークを終えた後は、グループで話し合ったことを全体でシェアする発表会を行いました。たくさんの付箋を見ながら、様々なリスクと対処法を挙げてくれ、どのグループも真剣に取り組んでくれていたことが良くわかりました。

<発表会の様子>

始まるまでは、中学生が誰も手を挙げてくれなかったらどうしようか、意見が出なかったらどうしようかと心配していたメンバーたちでしたが、楽しくサイバー防犯教室を行うことができ、最後はこの笑顔。広島県警察生活安全部サイバー犯罪対策課の皆様にも、たくさんのサポートをいただきました。このような機会をくださった鞆の浦学園の皆様にも、心から御礼申し上げます。

<集合写真。手でCyPat FUの「C」を作っています。>

3.その他の活動

他にもたくさんイベントがありましたが、長くなったので少しだけ補足でご紹介します。

2月10日(土)は、広島市で開催されたサイバーセキュリティ・カレッジin広島に参加しました。オンラインゲームの仕組みや、組織におけるセキュリティ対策に関する講演を拝聴して勉強した他、その後開催された委嘱式において、今年度の活動に対する感謝状もいただきました。

<サイバー犯罪対策課長より、感謝状をいただきました。>

3月3日(日)には、広島県警サイバー犯罪対策課主催のヤマダデンキ福山店におけるサイバー防犯セミナーのお手伝いをしてきました。午前と午後、1度ずつ行われるセミナーの前に、ヤマダデンキに訪れた皆さんに対してチラシを配布し、サイバー防犯を呼びかけました。

<サイバー防犯に関するチラシを配布するCyPat FUのメンバー>

初めてのチラシ配りを経験するメンバーばかりだったこともあり、最初はとても緊張していた様子でした。しかし、県警マスコットの「メイプル君」と「減らそう犯罪」県民総ぐるみ運動マスコットキャラクターの「モシカ」のヘルプもあり、楽しい広報啓発活動となりました。

<メイプル君とモシカ君は大人気。人気に肖ってチラシ配りです。>

2023年度も、たくさんの社会貢献活動を積み重ねたCyPat FU。最後になりましたが、その功績を認めていただき、1月25日(木)に学長賞(社会活動部門)もいただいていました。

<授賞式の様子>

日頃サポートしてくださっている多くの方々に、改めて御礼申し上げます。来年度は目前ですが、引き続き、CyPat FUはサイバー防犯活動に尽力していきたいと思います。更なる活躍を、ぜひご期待ください!

 

学長から一言:サイバー犯罪防止に取り組む心理学科のボランティアグループCyPat FUが実に盛り沢山の活動を展開。対象を従来の小学生から年配者や中学生に拡げ、それぞれに適した内容を考え出すために知恵を絞り、大変な好評を博したようです。一方で、防犯活動の講演会で新知識を獲得し、企業で開催された県警主催のサイバー防犯の催しもお手伝い。まったく留まるところがありません。