【建築学科】今年度も感染症対策を考慮した屋上デザインコンペが実施されました!

【建築学科】今年度も感染症対策を考慮した屋上デザインコンペが実施されました!

福山市内のラックス建設(株)福山大学工学部建築学科は、平成30(2018)年に屋上の有効活用について協働事業契約を締結し、福山大学工学部建築学科の学生のみを対象とした「屋上デザインコンペ」を年1回、夏休みを利用して実施しています。今年の屋上デザインコンペについて、都祭教授からの報告です(投稿は学長室ブログメンバーの山本)。

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今年度、ラックス建設が学生に与えた屋上デザインコンペのテーマは以下のとおりです。

テーマ:屋上(屋外)という空間を生かした、感染症対策に優れた地域の新しいランドマークを創造する

解説:コロナ禍で色々な制限がかかる中、人と人とのコミュニケーションの取り方も変わってきており、対面で会う機会も減ってしまいました。皆さんも生活様式の変化に戸惑ったり、ストレスを感じたりする事があるかと思います。そのような日常が当たり前になりつつある今、以前までとは違う新しい形の「息抜きの場・憩いの場・交流の場」となるような場所が必要なのではないかとラックスは考えます。そこで、この福山で「屋外」という換気の良い場所を活かした”新しいランドマーク”のアイデアを募集します!コロナ禍でも地元の人々が集える施設・空間、さらには今後、観光客にも注目されるような施設・空間のデザインをお待ちしています(応募要領から抜粋)。

このコンペには、福山大学工学部建築学科の学部生あるいは大学院工学研究科建築学専攻の大学院生であれば、個人でもチームでも応募することが可能です。提出物として①図面(A3版)、②設計主旨説明書、③作品紹介動画(5分程度)が必要です。また、選考基準は(1)オリジナル性、(2)実用性、(3)コンセプト・プレゼン力、(4)施工性、(5)創造性、(6)ユニーク度の6項目について各5点満点で評価されますので、本気で取り組まないと完成しません。

コンペでは最優秀賞1点(賞金5万円)と優秀賞1点(賞金2万円)が、ラックス建設の厳正な審査によって選出されます。

今年も夏休み期間を利用して実施され、10組が賞金を目指してコンペに応募しました。その審査結果および表彰式が、さる11月23日(水)にラックス建設の会議室にて開催されました。

コンペ表彰式には、10組中6組の応募者が参加しました。表彰式では、各自のデザインを3分程度でプレゼンテーションした後に、優秀賞、最優秀賞の順に発表がありました。

優秀賞は、建築学科3年生の旭健太君作の「“新”コミュニティの距離」が選出されました。続いての最優秀賞には、建築学科3年生の鶴村愛水・武方昭太チーム作の「ほっと一息~段差で築く段々畑のランドマーク~」が選ばれました。

最優秀賞の鶴村愛水・武方昭太チームとラックス建設の守岡聡取締役

 

「ほっと一息~段差で築く段々畑のランドマーク~」建築学科3年生の鶴村愛水・武方昭太チーム

 

審査結果のレーダーチャート

 

審査結果のレーダーチャートを見ると、この作品は審査項目の全ての項目でほぼ8割を確保していることから、実務家の方々に高い評価を得ていることが分かります。審査結果には、レーダーチャートと共に、ラックス建設の学生たちへの厳しいながらも将来を考慮した想いが詰まったコメントが添えられています。最優秀賞の作品に対しては、「パース、プレゼンも分かりやすく、イメージがしやすいものでした。コンセプトは親しみやすく、またパースだけでもほっと一息の思いを感じ取れた。」と讃えていますが、「作品のすばらしさに反比例して、施工するには少々難しいと感じました。」と様々な観点からの思いやりのあるコメントが学生たちに贈られました。

最優秀賞を受賞した鶴村さん・武方君のコメントです。

鶴村さん:この度は、貴重な機会と輝かしい賞を授与していただき、大変光栄に思います。今回のラックス屋上デザインコンペでは、コロナ禍による交流が難しくなった時代であっても多世代交流ができ、ここへ立ち寄ればほっと一息、心を休ませることができる空間を目指しました。そして、段差を用いて開放感をもたらし、汎用性の高い空間を実現させることができました。この屋上設計は、お互いに意見を出し合い2人で協力し合えたからこそできた空間であり、私自身とてもいい経験になりました。今後も視野を広く持って設計課題に取り組み、人と人との関わりが浅くなってしまう現状の中でも小さなきっかけや機会を大切にしながら日々尽力していきたいです。

武方君:この度はこのような賞をいただき、とても光栄に思います。この作品で工夫した点は、限られた空間を最大限活かせるように段差を用いて、高さレベルに強弱をつけ、同じ空間の中に独立した空間を形成したことです。そして、自然と密にならない環境となり、コロナ対策にも役立つように設計しました。また、この屋上設計は初めて2人で取り組んだ作品でしたが、構想段階からお互いの考えの方向性は同じで、納得のいく作品に仕上げることができました。2人で取り組んだ経験と今回頂いた賞で得た自信を糧にこれからも精進していきます。

表彰式の最後に、全員で集合写真を撮影して終了しました。本来ならば、コンペ対象となっている屋上で撮影したかったのですが、あいにく雨が降っていたのが残念です。

将来のデザイナーたちよ、挑戦を続け、知識と経験を積み重ね、多くの人々を幸せにする設計実力を付けてください。

表彰式終了後の記念集合写真

 

 

学長から一言:「屋上の有効活用」に関するデザインコンペで最優秀賞を獲得した鶴村愛水さんと武方昭太君のチーム、そして優秀賞受賞の旭健太君、おめでとうございます。最優秀賞の作品に対するレーダーチャートで示された評価を見ると、どの観点についても満遍なく高得点がとれていて、その素晴らしさが想像できます。来年度、4年生になってからの卒業設計でも、皆さんがきっと力作を完成することだろうと期待しています。