【心理学科】PACE福山支部が西公民館で地域安全マップ作製指導を行いました!

【心理学科】PACE福山支部が西公民館で地域安全マップ作製指導を行いました!

ぐっと寒くなり、風邪の予防が欠かせない時期になりましたね。「風邪の予防方法」を聞かれて答えられない人はあまりいませんが、「子どもの犯罪被害の予防方法」を聞かれたらどうでしょう。意外と難しいのではないでしょうか。

本学心理学科にあるPACE福山支部(ペース)では、子どもが犯罪被害に遭わないようにする防犯活動として、地域安全マップ活動が行われています。本日はそんなPACEの活動について、心理学科濱本有希助手からの報告をお届けします(投稿は学長室ブログメンバーの大杉です)。

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心理学科の濱本です。

PACE福山支部のメンバー11名が、9月24日(土)に西公民館地域安全マップ作製指導を行いましたので、本日はその様子をご報告いたします(PACE福山支部に関する過去の記事はこちらです)。

PACE福山支部は主に小学校で地域安全マップの作製指導を実施しているため、普段は小学生のみが指導の対象となることが多いです。しかし、今回は西公民館が主催した活動であり、参加者は小学生だけでなく、その保護者や地域で活動されている方々も含めた幅広い年齢層で構成されました。

現在のPACE福山支部のメンバーは小学生に対する指導の経験はありますが、実は大人に対する指導は今回が初めてでした。どのように指導を進めるか悩みながら話し合いを行い、まずは対象者を2つに分けて、子ども版と大人版の2つの事前講義を行うことにしました。

<小学生に対する講義の様子>

小学生に対する講義では、「悪いことをしようとしている人は見た目だけではわからない」ということを教えるために不審者役の大学生が登場したり、小学生が講義に飽きてしまわないように途中で体を動かしたりなど、たくさんの工夫が見られました。

<参加した小学生の保護者や地域活動をされている人に対する講義の様子>

大人に対する講義では、少し難しい理論の話もしました。専門用語を使って大勢の前で話すので、とても緊張したと思いますが、講義を担当したメンバーは大きな声で堂々と、上手に説明ができていました。

<フィールドワークの様子>

フィールドワークでは、講義で学んだ領域性の低い入りやすい場所監視性の低い見えにくい場所を危険な場所として、領域性の高い入りにくい場所監視性の高い見えやすい場所を安全な場所として、それらの場所を実際に街を歩きながら探します。

<フィールドワークで見つけた危険な場所(左)と安全な場所(右)の目印>

今回のフィールドワークでは、割れた窓ガラスを発見しました。普段、フィールドワークでも心理的に危険な場所を説明する際に「割れ窓理論(Broken Windows Theory)」の話をしますが、学生メンバーは、本当に割れている窓ガラスを見つけたのは初めてだったようです。

<マップ作りの様子>

マップ作りでは、小学生はもちろんですが、大人の人も童心に返って楽しく作業をすることが出来ていました。

<発表会の様子>

発表会では、活動を通して感じたことについて、参加者全員が前に出て発表しました。

<前に出て自分たちの作ったマップを紹介している様子>

<完成した地域安全マップ>

とっても素敵な地域安全マップが出来ました。

発表会の後、「危険な場所と安全な場所を見分けられるようになりましたか?」「自分の班の地図が一番いいなって思った人いますか?」と質問をしましたが、どちらの質問にも全員が手を挙げてくださいました。

今回の地域安全マップ作製も大成功でした。

最後に集合写真を撮影しました。

<集合写真(撮影の時だけマスクを外しています。)>

地域安全マップ作製指導を終えたPACE福山支部のメンバーの感想をいくつか紹介します。

  • 増田礼智さん(捜査心理学研究室3年・因島高校出身)

私は今回、大人班の担当をさせていただき、たくさんの課題が明確になり、とても成長できたと思いました。私は、まず、必ず大きな声で挨拶をすることを心がけました。最初と終わりに来て下さる方には「おはようございます!今日はよろしくお願い致します!」「お疲れ様です!今日はありがとうございました!」とお伝えできました。
大人用の講義は初めて行ったため、聞き取りにくい箇所やわかりにくい箇所など多くの意見をいただき、非常に参考になりました。本当に有難いことだと思いました。
フィールドワークでは、私がなるべく積極的に発言するように心掛けました。私の説明で理解してくださる地域の方々の姿を見て非常に嬉しく思いました。他のメンバーとも協力しながら、有意義な時間を過ごすことができました。
マップ作りでは今まで学んだことを十分に発揮できたと思います。私たちが以前の活動で作成した地域安全マップを参考にし、説明を具体的に書いたり、絵を書いてカラフルに書いたりしました。参加者のみなさんに童心に返って楽しんでいただけたので、私も嬉しかったです。
学ぶことが沢山あった本当に為のある地域安全マップになったと思います。ありがとうございました。

  • 野村奈央さん(捜査心理学研究室4年・松江市立女子高校出身)

今回はこれまでと違って子供だけが対象ではなく、大人の方を対象とした地域安全マップ作りだったため、学生メンバーもすごく緊張していました。私自身も、少し不安な気持ちを抱えながらの本番となりました。準備期間が夏休みだったこともあり、なかなか全員が集まれない中、本番成功のために対面だけでなくZoomなどのツールも使いながら日々練習を行いました。
本番は、自分たちが思っている以上にたくさんの課題点、ご指摘を頂き、すごく勉強になった活動でした。自分たちだけでは絶対に見つけることが出来なかった問題点もたくさん見つかったので、次回の活動までに改善していきたいと思っています。

今回の活動は、西学区まちづくり推進委員会のHPでも紹介していただきました。サポートしてくださった西公民館の皆様、福山市青少年女性活動推進課の皆様、ありがとうございました。

今後も、PACE福山支部の活躍にご期待ください!

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人にわかりやすく説明するということがどういうことか、事前の準備でも大いに悩んだ学生メンバーでしたが、実際の活動を通してさらに深く理解したものと思います。次回、更なるブラッシュアップがなされ、よりよい防犯活動ができると期待しています。興味を持ってくださった皆さん、ぜひお問い合わせくださいね!

 

学長から一言:心理学科のPACE福山支部のメンバーが行う「安全マップづくり」は、大学で学んだ内容を地域の安全な暮らしに役立てようという「サービス・ラーニング」の一環。参加した子ども達や今回は大人の皆さんとも現場を実際に歩き、安全に関する地図づくりで頑張りましたね。教えたつもりが実際には自分たちにとっての更なる学びになっているのが良く分かります。それにしても、他人への信頼でなく、取り敢えず悪漢や不審者の見分け方を子どもに伝えないといけない社会や時代をどう考えればよいのでしょう。