【生命栄養科学科】日本応用糖質科学会創立70周年記念大会でポスター賞を受賞!

【生命栄養科学科】日本応用糖質科学会創立70周年記念大会でポスター賞を受賞!

一般社団法人日本応用糖質科学会2022年度大会(創立70周年記念大会:8月31日(水)~9月2日(金)、タワーホール船堀、東京都江戸川区)で、生命栄養科学科久保田結香助手がポスター賞を受賞しました。このことについて、学長室ブログメンバーである生命栄養科学科の石井が紹介します。なお、詳細については指導教員の井ノ内教授が報告します。

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 (ポスター賞の賞状)

ポスターのタイトルは「凍結乾燥法により調製したバーリーマックス澱粉の性質」です。このポスター賞に関する研究や学長への受賞報告について、井ノ内が詳細をお伝えします。

この研究は、帝人株式会社と私たちの研究室(生命工学部生命栄養科学科食糧科学研究室)との共同研究(令和2年10月~令和5年3月)によるものです。バーリーマックス(BM)とは大麦の一種で、帝人株式会社が精力的に販売している大麦種子です。通常の大麦と比べて、食物繊維含量や難消化性澱粉(レジスタントスターチ:RS)含量が高く、機能性の高い食品として近年注目されています。

久保田助手は、そのBMの大麦種子から主成分である胚乳澱粉を凍結乾燥法により調製し、その澱粉の構造と物性を明らかにしました。また、BM澱粉のRS含量を測定するとともに、BM澱粉からRSを精製し、その構造解析についても解析を行いました。一方、BM澱粉を酸処理することにより、RS含量がさらに増加することを確認し、その酸処理したBM澱粉の微細構造も明らかにしました。

(受賞を大塚学長に報告する久保田助手)

以上のような研究成果が、日本応用糖質科学会の創立70周年記念大会でのポスター発表でも高く評価され、受賞に繋がったものと考えています。

(会長から賞状を授与される久保田助手)

(ポスター賞受賞者の集合写真、向かって右端が久保田助手)

(受賞の喜びの言葉を述べる久保田助手)

日本応用糖質科学会は、私が昨年9月までの2年間会長職を務め、また本学で3度(1993年、2001年、2016年)大会を開催するなど、大変本学に関係の深い学会でもあります。

(2016年に本学で大会を開催したときのポスターを大塚学長に説明)

今後も今回の受賞を糧に、米、トウモロコシ、大麦などの穀類澱粉を中心とする研究を続けて参りたいと思います(井ノ内直良)。

 

 

学長から一言:日本応用糖質科学会の大会でのポスター発表が認められ表彰された久保田結香助手、壇上で学会長から表彰状を受け、受賞の喜びを語った瞬間はずいぶん晴れがましい気持ちだったことでしょう。本当におめでとうございます。大麦の種子の胚乳に含まれる澱粉の性質や構造を実に詳しく分析した研究は、世界を食糧危機から救うことにもどこかで繋がっていないかななどと想像しました。これからも益々頑張って下さい。