【スマートシステム学科】SAKURAサイエンスプランの実施!!

【スマートシステム学科】SAKURAサイエンスプランの実施!!

ベトナム国立ハノイ土木大学とのSAKURAサイエンスプランが、8月27日(月)から9月1日(土)の日程で、工学部スマートシステム学科(フェイスブックはこちら)を主体として開催されました。これは、海外からの皆様を迎えて行われる大変大きなイベントでした。様々なイベントが企画実行されましたが、今回は企業見学や交流会の部の報告が工学部長の香川教授より届きましたので、スマートシステム学科の伍賀がお伝えします。


工学部スマートシステム学科は、国立研究法人科学技術振興機構(JST)が公募する「日本・アジア青少年サイエンス交流事業」(通称「さくらサイエンスプラン」)の補助を受け、ベトナム国立ハノイ土木大学情報工学部のTuan先生をはじめ、10名の4年生の学生をお招きすることができました。さくらサイエンスプランは、産学官の緊密な連携により優秀なアジア地域の青少年が日本を短期に訪問し、未来を担うアジア地域と日本の青少年が科学技術の分野で交流を深めることを目指しており、アジア地域の青少年の日本の最先端の科学技術への関心を高め、日本の大学・研究機関や企業が必要とする海外からの優秀な人材の育成を進め、アジア地域と日本の科学技術の発展に貢献することを目的としています。福山大学は、今回で4回目の採択になります。

 

■8月27日(月)
午前6時40分に11名の皆さんが、ほぼ定刻通り関西国際空港に到着しました。その後、列車を乗り継いで、お昼前に福山大学へ。初日は歓迎会、オリエンテーション、学内見学、そして尾道のプチ散策を行いました。

朝7時30分、11名の皆さんは関西国際空港の到着ゲートから元気に登場されました。皆さん、初めての日本です。日本が大好きで、ワクワクしているとのことでした。

歓迎会では、今回訪問されたハノイ土木大学の皆様から福山大学に絵の贈り物をいただきました。

 

■8月29日(水)
前日のIoTハンズオンセミナーの初日ミッションを無事に終え、この日は日本人大学院生の2名も加わって広島市内へ赴き、平和学習として平和記念公園と原爆資料館を訪れ、そしてIoT通信企業であるソフトバンク(株)広島オフィスとモデルベース開発で優れた性能の車両を開発するマツダ(株)を見学させていただきました。初日のハンズオンセミナーで徐々にチームのアイスブレークも進み、日本人学生とも打ち解けてきたようです。

 

原爆資料館では、技術系の展示物を熱心に見ていました。最先端の技術は、強大な凶器にもなることを痛感されたと思います。

原爆ドームでは、被ばく当時の状態が保持されていることに皆さん驚いていました。

 

ソフトバンク(株)広島オフィスの見学です。IoTを活用したスマートオフィス化へのトライアルを行っている事務所です。様々なセンサーの使われ方に興味深々です。

お世話になったソフトバンクのオフィス前で記念撮影です。

マツダ(株)を見学しました。まず、マツダミュージアムを観覧し、その後は技術懇談会を開いていただきました。

お世話になったマツダの社員の方々を交えての記念撮影です。

 

■8月31日(金)
さくらサイエンスプランの5日目は、福山市内の企業見学と鞆の浦散策、そして企業交流会を行いました。企業見学ではクリーンルームに入れさせていただき、IoTに不可欠な半導体センサの製造工程を拝見しました。防塵服を着るのに10分間を要し、良い経験をしました。巨大なクリーンルームの中の作業は徹底したスマート化がなされており、定期的な保守以外は人の手を借りることはありません。また、その企業で作っている様々なセンサのデモも行っていただき、皆さん興味深々でした。
午後は手握りちくわ作りを体験し、尾道ラーメンを食して、鞆の浦を散策しました。こちらでは、海と古い町並みに感心していました。そして、夜は福山市内の企業の皆様や広島県、福山市、商工会議所の皆様との交流会を開催しました。様々な分野の方々と交流ができ、大いに盛り上がりました。

シャープ(株)での説明です。半導体センサの微細さを思い知らされる説明でした。この後、防塵服を着て、最新鋭のほぼ無人のクリーンルームへ入れていただきました。全自動で次々に半導体センサーが作られていく様子に驚きです。

シャープが福山で作っているセンサを用いた製品の説明をしていただきました。食い入るように説明を聞いていたのが印象的でした。

鞆の浦の散策です。皆さん日本のアニメが大好きで、崖の上のポニョの話を聞いたら大盛り上がりになりました。それから、ジュースの自動販売機にとても心ひかれたとのことです。

仙酔島にも渡りました。様々な色の岩に感動していました。でも、ちょっと疲れました。

 

交流会の様子です。広島県、福山市の行政、福山商工会議所、地元企業の方のご協力を得て盛大に行うことができました。語学が堪能な方も多く、具体的なお話もできたようです。

最後に交流会の参加者全員で記念撮影を行い、再会を誓いました。

 

■9月1日(土)
さくらサイエンスプランの最終日を迎えました。この日の午前中は、スマートシステム学科の研究紹介を行いました。これまでの行事ですっかり打ち解けあった参加者の皆さんから、多くの質問がありました。センシング、ロボット、そして音と様々な分野の研究テーマに多くの関心が集まりました。そして、午後は送別会を開催して、再会を約束しました。

研究室紹介の様子です。研究テーマの多さに驚いていました。最後のアンケートでも、進んだ研究をしていると関心していました。頑張らないといけませんね。

1週間の殆どを一緒に行動した日本人の大学院生(角野君と白井君)とはすっかり仲良くなり、送別会後は、みんなで一緒にご覧のポーズで〆となりました。

 

■9月2日(日)
大阪市内で1泊した一行は、翌朝、関西国際空港から帰国の途に就かれました。その後、無事に全員帰宅されたとの連絡をいただきました。とても充実した1週間でした。

搭乗ゲートに向かう直前に記念撮影。また、お会いしましょう。

 

最後に、この事業を振り返ってみたいと思います。

世界的には、IT、ICTによる第4次産業革命(Industry4.0)が言われ、ベトナムにおいてはハノイに日本のODAと日本企業によるスマートタウンの建設が進められていることから、今回来日した皆さんはスマートテクノロジーに非常に関心があり、将来的には母国のスマートタウンプロジェクトにも寄与する方がおられるでしょう。彼らはスマートシティのためのビルディングインフォメーションモデリング、 IoT技術を用いた道路評価と地表面評価システム、自動運転技術、知的交通信号灯の開発、大気質監視・計測システム、交通安全を確保するための情報技術の応用などを興味あるテーマとして挙げています。それゆえに、これらの未来の技術を支える日本の精緻な製造技術と製品化手腕の需要と関心は高いのです。一方で、スマートテクノロジーの有効なサービスを企画する能力は今後必須となります。この度の研修は、実習、企業見学による技術体験に加えて、特に企画の部分に力点を置くプログラムとしました。また、前述のIndustry4.0に加え、日本では軽便なコンピュータによってソフトウエアとハードウエアが融合してデータを有効に活用する超スマート社会(Society5.0)が謳われており、福山市も「先端技術によるまちづくり官民協議会」が発足するなど、AI/IoTを駆使したスマートシティ化を目指す活動が始まっています。従って、このプログラムをきっかけとして、広島県、福山市、福山商工会議所、地域企業の皆様と協力し、福山や備後地域のイメージを高め、彼らが将来、再来福する等、福山とハノイのスマート化に向けて、良好かつ持続可能な関係を築けるとよいと思います。

スマートテクノロジーは、自然環境保全に寄与し、平和な社会を維持することに働かなければなりません。両国の文化を交換し、我々の望むスマートシティが環境に優しく持続可能な都市の発展に繋がるように我々の意識を共有し、スキルを高めることができれば幸いです。

 

学長から一言:ベトナム国立ハノイ土木大学情報工学部のTuan先生をはじめ、10名の4年生の学生の皆さん、よい学び、よい交流、よい旅行になりましたか?またお会いできるとよいですねッ!!!