【税務会計学科】地元企業とともに進化し続ける連携授業「地域調査」

【税務会計学科】地元企業とともに進化し続ける連携授業「地域調査」

地元企業とのコラボ連携授業である税務会計学科の「地域調査」の実施状況について、担当の張楓教授から報告が届きましたので、学長室ブログメンバーの関下(経済学部税務会計学科)が投稿します。

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「地域調査」は、備後地域の経済・社会の過去・現在・未来に関する疑問を、学生自身による学外訪問調査により解決することを目的とするアクティブ・ラーニングです。学生を主体とする演習形式のなかで、事前学習や訪問調査、発表、討論を実施することにより、地域への関心を高め、専門科目への橋渡しとしても期待されています。
この授業の実施にあたって、(株)ププレひまわり(株)エブリイホーミイホールディングスという地元小売企業の2社が、相互協力による地域課題解決を目的として福山大学と締結した「協働事業協定」に基づいて地域調査授業に参画しています。連携授業の狙いは、受講生が講義を通じて地域経済を支える地元企業に対する理解をより深め、高付加価値商品・サービスの提案力を身に付けるとともに、能動的学習能力の向上を図ることにあります。

写真1:地域調査授業の様子

若手経営執行部と若いスタッフの迅速な決断力・遂行力・行動力を原動力として、急成長を成し遂げてきている両社は、いずれも若くても“ベテラン”社員をコラボ授業に派遣して下さり、大学生を直接指導することへのご協力に尽力されています。その甲斐もあり、連携授業は、学生だけでなく企業からも大変高い評価を得ることができて、今年度は第6弾の連携授業を実施することとなりました。新型コロナウイルス感染症が危惧される中でも、学生の意欲的な学び及びスムーズなグループワーキングを確保することを目指して、両社の協力を得てオンライン形式でも学べる企画を練り上げ、その実施に際して若干戸惑う学生への指導体制も工夫しています。

たとえば、(株)ププレひまわりとの連携授業では、「販売計画立案:経営者観点をもち数値改善せよ」というかつてなかった難しいテーマにチャレンジしました。具体的には、①売上表を元に課題を抽出し、②課題に対して個人が商品を選定し、➂選定した商品の売り上げを上げるために、「どのように展開したらいいのか」、「どこに展開したらいいのか」、「どのように演出したらいいのか」、数値を交えながら①~➂を考えてもらい、5チーム(35名)に結果を発表してもらいました。

写真2:最終プレゼンの様子

(株)ププレひまわりの担当者は「私たちも新しい発見があり、勉強になりました」「学生の皆さんからも今回の授業は楽しかったという声があり」「これまで以上に学生のやり切った(達成感)表情を見れて、今回の授業を行って良かった」「年々進化しつづける連携授業に手ごたえを感じています」と話して下さいました。実際、参加した学生たちからも、つぎのような、自らの成長と学びを感じ取った喜びの声が届いています。いくつかご紹介します。

①経済学科1年生(A班リーダー):
初めて地域調査の授業に参加しました。グループワークの授業だったので、人とのコミュニケーションの練習にもなり、いい機会をいただきました。また、グループで案を出し、それをプレゼンするという少し難しい課題のようにも感じましたが、チームのみんなが積極的でいい雰囲気で取り組め、結果2位という惜しい結果ではありましたが、いい順位をとることができました。自分の感想としては、リーダーという役割は中学校・高校と経験していたので、それほど苦労はなく取り組めましたが、取り組む内容に関しては経験がなかったので、かなり苦労はありました。チームとしてはみんなが一生懸命に取り組み、きちんとやってくれたし、メンバーそれぞれのオリジナリティーがすごくて、お互いに刺激しあいながらの準備になったので、そこはこのチームの自慢です。最後に普段考えないことを考え、また社会に出てからの練習にもなるような講義を考えてくださった張先生、ププレひまわりの方々に感謝します。ありがとうございました。

写真3:A班のメンバーの様子

②経済学科1年生(B班リーダー):
地域調査の活動を通して学んだことが多くあります。多くのお店は、商品の置く場所、展開方法や関連したものを近くに置くこと等を考えることで、お客の目を引き付け、売上に影響を与えていることを知りました。今までは客として買う側の視点でしか見ていませんでしたが、売る側になると頭を使わなければならないことがわかりました。新しい発見があり授業は楽しかったです。そして、一番頑張ったことはグループ内でのコミュニケーションです。リーダーになるとは思っていませんでしたが、成長できた部分もあると思います。みんなの意見を聞いて回り、まとめることは難しいですが、これから先も必要な力だと感じました。完璧ではない部分もありましたが、達成感を感じました。

③国際経済学科2年生(C班リーダー):
授業を通して、最も重要なのはグループ内でのコミュニケーションをとることだと思いました。最初はメンバー間での話し合いがなかなか進まず、「何をすればいいのか」、「どのように話し合えば問題ないのか」と互いに考えていたと思います。しかし時間が経つにつれ、積極的に「自分はこうしたい」、「こうすればもっと売り上げにつながるのではないか」と意見を出し合い、最終的にグループとしてうまくまとまったと思います。そのなかで実感したことは、失敗を恐れないこと。現実的かつ自分がやってみたいという意見があれば、どんどん出してよいと思います。その過程で、素晴らしいアイデアが生まれるのだと思います。優勝はできませんでしたが、貴重な経験になったと思います。この授業を企画・運営してくださった張先生、ひまわりの方々、ありがとうございました。

 

学長から一言:以前から地元企業との連携を通じた貴重な実践的取り組みとして注目されてきた税務会計学科の「地域調査」が、今年度も新企画で頑張ったようですね。協定を結んでいる地元の2社の関係者の皆様には、ご協力に対して改めて御礼を申し上げたいと思います。地域経済をより良く理解し、一足早く職業人としての感覚を味わい、何よりも他者とのコミュニケーションの取り方を訓練するという多面的な効果が望めるこの授業の更なる発展に期待します。