【経済学科】新任教員紹介~助田 暁講師、藁谷 達至講師~

【経済学科】新任教員紹介~助田 暁講師、藁谷 達至講師~

4月から経済学部経済学科へ新たに2名の教員が加わりました。助田暁(すけだ  あかつき)講師と藁谷達至(わらがい  たつし)講師です。その個性豊かな2名の教員について、学長室ブログメンバーの中村(経済学科講師)が質問形式で聞きましたのでお伝えします。

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助田 暁講師(研究室にて)

●経歴を教えてください?
生まれは三重県、育ちは東京。ここ10年間は、大学院をきっかけにニューヨーク、バルセロナ、カリフォルニアのサンタクルーズ、ロンドンと海外の大学で過ごし、そして福山に来ました。学部の留学プログラムでウィスコンシンのアップルトンにも1年いました。学部生の時は政治学を専攻していましたが、なんとなく関連科目で取った経済学入門の内容に魅かれ、大学院からは公共政策大学院の経済コースを経て、経済学でPh.D.を取得しました。専門はマクロ経済学と金融論です。

助田 暁講師(屋外にて)

●どんな性格ですか?
基本的には前向きで、負けず嫌いです。多少、目立つのが好きかもしれません。

●座右の銘はありますか?
「賢者は昨日済ませている(the wise lived yesterday)」です。
東京タワーが目の前にある中高一貫校に通っていた時に毎年書かされた文集に、教員が挿し込んだ名言の一つでした。たくさんあった名言の中から覚えているのはこれだけです。これを覚えている理由はおそらく、この言葉が経済学によく使われている規範的な仮定に基づく結果と同じだからでしょう。
将来も生きる人間の現在の最適な選択は、現在の状況と将来の状況に依存します。現在の行動だからといって、現在の状況だけを見ていれば良いわけではありません。今、問題に直面しているとして、それがまったく予期できなかったものであれば仕方ありませんが、そうでなければ、その問題はすでに過去の選択の積み重ねによってある程度は対処されてきているはずです。経済学で将来の予測に関する研究が多く行われているのもこれが理由の一つです。
過去の誤った選択は将来に負の遺産を与えます。普段から現在の選択が将来にどういう影響を与えるのかを考えながら選択をして、未来の今日が来た時に「昨日済ませている」と言えると良いですよね。

●なぜ大学教員を目指しましたか?
大きく二つあります。一つ目は、経済のように人々の幸せに大きな影響を与えるものをとことん考える必要があると思ったからです。二つ目は、子どもの時から人に教えるのが好きだからです。アメリカの大学院の時に教育の賞を頂けたのは嬉しかったです。

●研究の専門内容を教えてください。
おもしろいことに、金融政策の効果については「何でもできる」という意見から「全く効かない」という意見まで耳にします。よく考えてみるとこれも分からないではなくて、金融政策にも様々なアクションがありますし、いつの期間の何の変数を結果として捉えるのか、そしてそれらの効果も状況に依存するからです。アクションにすら至らない、中央銀行関係者の発言ですら、しばしば市場に影響を与えます。
こうした性格を持つ金融政策を分析するのに大切なものの一つが、コンピューターで動かせる、数式に基づくモデルです。私の論文では、フォワードガイダンスと呼ばれる、中央銀行の将来の政策金利に関するアナウンスの効果を分析しました。大事なのが、将来の政策金利に関するアナウンス通りに中央銀行が実際の将来の政策金利を誘導するとは限らず、また場合によっては誘導すべきでないという状況があることです。したがって、モデルの中では、アナウンス通りに中央銀行が行動しない可能性も経済主体が考慮しています。これを考慮するとしないとでは、フォワードガイダンスの効果が大きく変わってきます。また、金融危機のように、長期間に渡るフォワードガイダンスに頼りたくなる状況であるほど、アナウンス通りに中央銀行が行動しない可能性を考慮することが重要になってきます。

研究室からの景色

●福山大学はいかがですか?
まだまだ分からないことだらけですが、ひとまずは楽しんでやらせてもらっています。キャンパスは広くて落ち着ける割に使い勝手も良く、学生もしっかりしていて感心しています。

●福山大学生にひと言。

とにかく色んなことに挑戦してみてください。今はまだ知りもしない素敵な未来につながるかもしれません。

 

 

藁谷 達至講師(研究室にて(1))

●経歴を教えてください。
学部から大学院までずっと立命館大学にいました。
また、昨年1年間も研究員として立命館大学に在籍していました。

●どんな性格ですか?
非常にマイペースだと思います。また、興味のあるなしがはっきりしているとよく言われます。

●なぜ、大学教員を目指しましたか?
私の場合、大した理由がないのですが、学部当時、お世話になっていた先生に「君の性格では企業で働くと苦労する」と言われ大学院に誘われました。自分でも、まあそうかなと納得した記憶があります。

藁谷 達至講師(研究室にて(2))

●研究の専門内容を教えてください。
近年、高所得国を中心に価格競争ではなく高価格な商品の生産・消費が台頭しています。その中で高価格商品の比較優位形成過程に注目して、高価格商品が社会にもたらす影響について研究しています。

●福山大学の印象はいかがですか?
豊かな自然にも囲まれており、ゆったりとした雰囲気を感じています。

●福山大学生にひと言。
情報通信技術の発達にともなって、社会はますます高度化・複雑化しています。このような社会の中に単なる歯車として埋め込まれるのではなく、幸せを感じながら生きるには、科学的知識を利用して合理的に仕事をこなすことで生活時間を増やしウェルフェアを追求するという姿勢が大切なのではないでしょうか。大学での勉強は大変だと思いますが頑張ってください。

 

以上、若い2名が経済学科に加わりました。これにより、益々勢いに乗る経済学科になることと思われます。こんな素敵な先生の元で一緒に学んでいきしょう。

 

 

学長から一言:助田講師と藁谷講師、福山大学へようこそ! まぶしいばかりのフレッシュな新任講師2人の参入で、経済学科が一挙にパッと明るくなったのではないでしょうか。大学教員の世界では、「フレッシュ」などと言ってもすでに確固たる実績と華々しい経歴を携えての着任であることは言うまでもないこと。お二人からイキイキとした経済の話を聴くことを心待ちにしている学生がたくさんいると思います。どうぞ宜しくお願いします。