【海洋生物科学科】新任紹介(その2)~泉貴人講師~

【海洋生物科学科】新任紹介(その2)~泉貴人講師~

今回は、海洋生物科学科新任教員の泉貴人講師を紹介します。泉講師はこれまで海洋動物の分類を精力的に研究し、いくつもの不思議な生態を持つ新種発見の業績を携えての赴任です。泉講師から、ユニークなエピソードとともに自己紹介してもらいました(投稿は海洋生物科学科の山岸)。

 

研究室にて

 

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お初にお目にかかります。わたくし、生命工学部海洋生物科学科に着任いたしました、泉貴人と申します。謎の貫禄と怪しげな見た目をしていますが、アラサーの新人教員です(笑)。

 

クラゲとイソギンチャクの不思議

私の研究のメインテーマは「クラゲやイソギンチャクの分類学」です。終生のテーマである“分類学”。非常に平たく言えば、“新種に名前を付ける学問”となります。実はこの世界、名前のついている種は極々一部でしかなく、多くの生物は名前すらついていないことをご存じでしたか? 我々は日々、未知の生物に名前を付けています。

私は、クラゲやイソギンチャクが子供のころから好きで、これらの生物を対象に分類学を専攻し、新種をいくつも発表してきました。テンプライソギンチャクという名前を付けた下の写真の新種は、世間で非常に話題となりました。

まるでエビ天?新種テンプライソギンチャク(撮影:伊勢優史氏)

 

水族館との研究の日々

さて、海洋生物科学科には「アクアリウム科学」というコースがあります。アクアリウムとは“水槽”、そして“水族館”という意味です。水族館がレジャー施設だったのは少し前までの話で、研究という側面において、水族館の重要性が今、見直されています。

手前味噌ですが、その先駆をなしているのがほかならぬ私です。私は、全国130館近くの水族館を巡る生粋の水族館マニアでして、それが高じて多くの水族館を介して研究をさせてもらっています。

新種チュラウミカワリギンチャク(提供:沖縄美ら海水族館)

水族館の水槽から新種を発見したこともありました。上の写真のイソギンチャクは、沖縄美ら海水族館の水槽で15年も飼われた後に新種と判明し、水族館と共同で発表しました。水族館にちなんでチュラウミカワリギンチャクと名付け、現在も深海コーナーで堂々たる展示が行われています!

 

夢を実現するために

実は、「クラゲの研究者になり、新種を見つける」というのは、私が小学生の頃の文集に出てきているんです。クラゲやイソギンチャクに魅せられ新種にあこがれ、水族館を愛した男の細やかな人生の夢を叶える職場に、今まさに出会えた気がします!

そして最後に、極度の目立ちたがりが高じて、YouTubeもやっています。研究・水族館・生物の話を中心に配信しておりますので、私の研究をもっと見たい!という方はぜひチェックとチャンネル登録、お願いします!…一応、大学公認です(笑)。

YouTubeリンク:https://www.youtube.com/channel/UCXqlXcOLK0xkmHj9Z2ZcsQg

 

 

学長から一言:泉講師、福山大学へようこそ! クラゲやイソギンチャク大好き少年が夢を捨てることなく、生涯の仕事にしてしまうとは、なんと素晴らしい生き方でしょう。安定したアカデミックな仕事に就くのは決して容易でない状況の下でつかんだポストです。思いっきり新種の発見や研究に取り組むことで、物事を探求する面白さが若い学生諸君に伝わるよう、大いに頑張って下さい。