【建築学科】びんご建築女子キャリア講演会を実施!

【建築学科】びんご建築女子キャリア講演会を実施!

女性建築専門家のキャリアを考える講演会がZoomを活用し、学科OGによって実施されました。失敗を恐れずに挑戦することや失敗をしても迅速に対応し挽回することなど、実体験に基づいた重みのあるアドバイスをいただけたようです。びんご建築女子運営メンバー(建築学科2年生)の山根愛加さん(サポート:佐々木准教授)からの報告について、学長室ブログメンバーの伊澤が紹介します。

***********************

 

びんご建築女子運営メンバー建築学科2年生の山根愛加です。

びんご建築女子の第15回OGキャリア講演会が、9月17日(金)に行われました。新型コロナウイルス感染症対策のため、今回は全員がZoomを使ってオンライン方式で行いました。

今回講師としてご協力くださった方は、株式会社嵩心の設計部設計課で働いておられる日和茅里さんです。講演のタイトルは「地域密着型ハウスメーカーの仕事―お客様とつくりあげる住宅づくり」でした。日和さんは本学卒業後、株式会社嵩心に勤めて4年目の二級建築士です。私たちと歳の近い先輩から大変貴重な話を伺うことができ、数年後の自分たちを想像することができました。地元ハウスメーカーではどのような仕事をするのか、入社してから現在までどのようなことをしてきたのか、仕事と資格勉強の両立の大変さなどを詳しく説明していただきました。

株式会社嵩心は、ハラグループカンパニーという企業集団に属しており、株式会社嵩心以外にもエクステリアの販売・施工を行う原建具工場株式会社、総合建設業を行う関西住建株式会社、ストックビジネスや飲食店経営を行うタカシン・コラボ株式会社があります。その中で、株式会社嵩心は新築注文住宅や分譲住宅、リフォームなどの分野を担っています。営業部、設計部、工務部に分かれ、日和さんは設計部設計課に勤めていらっしゃいます。

講演会では、日和さんの具体的な仕事内容について、1日のスケジュールや1週間の仕事を紹介してもらいました。

日和さんのとある1週間のスケジュールです。お客様の打ち合わせで休日に出勤する際は、平日に振替を取りながら業務を行っているそうです。

 

日和さんが設計した住宅の写真です。

 

また、日和さんは設計部の業務以外にリクルート業務も担当されており、会社見学や説明会、研修の内容など様々な業務をこなしていらっしゃいます。入社して設計部に配属後は、図面のトレースや仕様の勉強を上司の方に教えていただき、その2~3か月後に、お客様との打ち合わせに同席させていただいたそうです。

初めて物件を担当した時は現場に何度も通い、自分の描いた図面がどのように施工されているのかを確認したり、現場の職人さんと話をし、「現場を知らないと図面は描けない」ということを改めて実感したそうです。この経験はその後にも活かされており、現在でも分からないことがあれば現場を訪れているそうです。

講演の中で日和さんは、「仕事をしている中で失敗をすることもありますが、失敗を恐れず様々なことに挑戦すること」また「仕事でミスや失敗をしても、そこで諦めずにミスも1つの経験と思い、自らの成長のために、また、よりお客様に喜んでいただけるように失敗やミスへの対処を迅速に行うこと」を心がけていると話されていました。

その話に対して、ミスや失敗は仕事に限らず誰にでもあることのため、私も大学生活の間にミスや失敗をすることがあっても、そこでくじけず、挽回できるよう迅速に行動できるように心がけようと思いました。

日和さんの職場は、助け合える同期の仲間やアドバイスやサポートをしてくださる上司の方に恵まれ、社員間の絆も深く、日々楽しく仕事を行っていらっしゃることがお話から窺えました。

同僚の方々との楽しい休日の写真。

 

日和さんの講演終了後、今回は新たな試みで座談会を行いました。座談会では、資格や就活についてみんなでディスカッションしました。

今回、日和さんのお話を聞いて特に印象深かったことは、日和さんは2級建築士を取得するまでに3年かかり、大学の同期の女子の中で2級建築士を今現在取得できているのが2人とごくわずかだということです。昨年度から建築士法が改正され、福山大学でも在学中の学生が何名か合格しています(1級2級)。2級建築士を取得している学生が身近にいるので、2級建築士の取得があまり困難ではないように感じている学生も少なくないと思います。しかし、実際は多くの場合は就職後、仕事をしながら資格学校に通うようになるため仕事と勉強の両立が難しく、合格率は約2割となっています。そのため、私たちは就職後にスムーズに2級建築士を取得できるよう、大学で学修した知識を忘れず、在学中に解ける過去問を解いていくなどの対策を今から行うべきなのだと感じました。

 

(学科教員より)コロナ禍で様々な活動が行いにくい中、今回講演会に参加できた学生は、将来を見つめ直す良い機会になったと思います。日和さんにおかれましては、お忙しい中、貴重な時間を私たちのために割いて下さり、ありがとうございました。今後、益々のご活躍を願っております。

講演終了後恒例の記念撮影は、Zoom上で行いました。

 

 

学長から一言:活発な活動を続ける「びんご建築女子」が学科の先輩を招いて開催した講演会で、学生の皆さんは多くの貴重な経験を共有させて頂いたようです。分かっていたこととはいえ、資格取得はかなり大変だということをリアルに感じ、参加者は勉学への気合いを入れ直したのではないでしょうか。また、きっとお忙しかったでしょうのに、後輩のためにご協力くださった建築学科OGの日和さんに心から感謝したいと思います。