【経済学科】福山市のスポーツ3団体の協力でリニューアルした「スポーツマネジメント論」!

【経済学科】福山市のスポーツ3団体の協力でリニューアルした「スポーツマネジメント論」!

経済学科スポーツマネジメントコースの中核をなす科目でもある「スポーツマネジメント論(毎週木曜日3限)」が、今年度から福山市スポーツ協会・福山シティFC・一般社団法人ITADAKIの3団体の協力のもと、リニューアルして開講されました。学科ブログ委員の中村和裕が報告します。

昨年度まで授業を担当していた吉田卓史准教授と私との間で、どういった授業の枠組みが本科目の授業目的を達成できるかについて多くの対話を重ねて事前準備を行い、実際のスポーツマネジメントの現場と当初の授業の枠組みとのズレを柔軟に修正しながら進めてきました。以下、リニューアルした内容や実際です。

ZOOMを使用した授業

ZOOMを使用した授業

授業では、「実践的な講義を通じ、実際にマネジメントできる能力を養う」を目標に掲げるとともに、「スポーツを通じた福山市の活性化」をテーマとして、第1回~第5回を”個人スキルの獲得”、第6回~第9回を”グループワークスキル”、第10回~第15回を”チームになり成果を出そう”という3ステージに区切ることにしました。また、授業の一貫した方法として、レクチャー+グループディスカッション+課題提出+プレゼンテーションといったアクティブ・ラーニングの形式を採り入れました。授業形態は当初対面を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、オンライン+対面での実施となりました。

ZOOMブレークアウトルームでのグループワーク

新たな授業テーマの達成に向けて、福山市スポーツ協会・福山シティFC・一般社団法人ITADAKIの3団体に協力をいただきました。福山市スポーツ協会からは、協会の概要や事業計画の立案・実施について具体的な事例を交えてご紹介いただき、官として地域全体を想定したマクロな事業展開のあり方を学びました。福山シティFCからは、地域課題解決型サッカークラブとしてのビジョンやミッション、実際の活動を、また一般社団法人ITADAKIからは、法人設立の経緯や事業として行われているマラソン大会やトレイルラン、そしてコロナ禍に対応するスポーツイベントとして、オンラインマラソンやシティロゲの実際についてお話いただきました。「民」の立場からベンチャー精神にあふれ、「官」を補完するミクロな事業のあり方を学びました。官・民双方の観点から地域スポーツ振興に関する実際の話を聞くことができ、受講生のみならず教員にとっても学ぶ事の多いレクチャーだったと思います。

福山シティFC代表の岡本氏によるレクチャー

これらのレクチャーを基に、受講生はZOOMのブレイクアウトルームやライングループ等の機能を活用し、授業時間は勿論のこと、授業時間外にもグループワークを重ねて、「スポーツを通じた福山市の活性化」に向けた企画案を作成しました。そして、どの回においても話し合った結果や進捗状況について発表を行う、プレゼンテーションの場を設定しました。

福山市スポーツ協会の吉川氏によるレクチャー

最終発表では、地域課題解決にスポーツを活用する実践的な企画案が提起されました。例えば、子供の運動実施率向上という課題に対して既存の「ふくやまマラソン」と連携し、「カレーマラソン」を実施するという案、福山市外への人口流出を防ぐために大学生のインターンシップとスポーツイベントを組み合わせる案など、ユニークかつ実現可能な企画案が見られました。

受講生最終発表の様子

福山市スポーツ協会の小川事務局長による講評の様子

この授業を通じて、受講生は企画・立案に必要な知識を獲得したばかりでなく、改めて福山市に対する関心を高め、自分たちの持ち前の特徴を活用した活性化案を考えることができたと思います。グループワーク→企画立案→プレゼンテーションの過程に主体的に取り組み、ZOOMを使用した講義にも上手く対応し、学生同士の横のつながりが増え、コミュニケーションの幅も広がったようです。

さらに、教員側にとっても、協力団体と一緒になってアクティブ・ラーニング形式の講義をマネジメントでき、信頼関係が構築できました。オンライン・対面・ハイブリッドと多様な講義形式に対応できたことは大きな収穫でした。残された課題としては、受講生の企画案を企画のみに終わらせることなく、実際に実施できるところまでの道筋を作ることだと思います。

以上、今年度の経験をふまえて、来年度の「スポーツマネジメント論」をより充実したものにすべく、協力諸団体との対話をさらに重ねながら進めていきたいと思います。

授業終わりの1コマ

最後に、この授業にご協力下さった福山市スポーツ協会・福山シティFC・一般社団法人ITADAKIの3団体の関係者の皆様には、惜しみなく知識や経験の提供をいただいたことに対して、この場を借りて感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

 

 

学長から一言:装いを新たに開講の「スポーツマネジメント論」の生き生きした雰囲気が伝わって来ました。スポーツマネジメントコースの看板科目の一つが、地元スポーツ関連団体の皆様のご協力の御蔭で生まれ変わりました。「聴くこと」だけに傾斜しがちだった授業から、学生諸君が主体的に取り組み、自ら課題を発見し、解決策を提案していく、まさしく「マネジメント」と呼ぶにふさわしい中身に変わってきているのを感じます。さあ、次はどんな新機軸を見せてもらえるのでしょう。大いに楽しみです。