【グリーンサイエンス研究センター】トークでサイエンスコミュニケーション

【グリーンサイエンス研究センター】トークでサイエンスコミュニケーション

「いつも難しい顔しているね」、そんなこと言われたことないでしょうか?わたしは何度もあります。歩きながらいろいろと考えていると他の情報が入ってこないんです。このように、研究者はいつも小難しいことを考えているというイメージがあるのかもしれません。そんな研究者がトークする講演がありますよ~と言っても、なかなか足を運びにくいですし、聞いている方もなかなか身構えてしまいますよね。そのような壁を取っ払って、研究者が何を面白いと感じて研究をしているのかを分かりやすく伝えてもらおうというのが、「グリーンサイエンストーク」です。オープンなスペースで、自由気ままに研究について語っていただいています。

今年度も予定していた3つのトークが終わり、学生さん中心に聞きに来てくれました。演者の皆さんと観客の皆さんに感謝申し上げます。3回の様子をグリーンサイエンス研究センター長の佐藤生物科学科)が報告します。

 

第9回(10/20)キャッサバ研究の最前線

初回は本年度本学に着任した内海好規教授が、キャッサバを使ったデンプン研究の最前線を話しました。キャッサバと言えばタピオカの原料です。あのもちもち感はどのように出来上がるのでしょうか?わたしたちにとってデンプンと言っても同じようなものに思えますが、その合成メカニズムはさまざまであるようです。当日には、キャッサバと共に、トウモロコシ、ジャガイモ、米から取られたデンプンを準備していただいたことで、触った感じの違いを体験することが出来ました。内海教授はそうした物質としてのデンプンの性質の違いがどのように生み出されるのかを突き止めようと研究をしています。食糧問題にも関係おおありです。興味を持った皆さんは内海好規教授まで!

第10回(11/17)水族館生物学の最前線

第10回は、Dr.クラゲさんこと、泉貴人講師のトークがさく裂しました。最近上梓した『水族館のひみつ』に沿って、「資料収集」、「展示教育」、「研究」という3つの視点で、本書の紹介をしました。水族館のバックヤードには未だ名前も付けられていない生き物がいるそうです。特別な訓練を受けた専門家だからこそ、素通りせずに新種を発見できる、そんな楽しさを教えてくれました。まだまだ日の目を見ない生物たちが潜んでいそうでワクワクしますね。水族館と一緒に展開する生物学に興味を持った皆さんは泉貴人講師まで!そして本も読んでみましょう(→これ)。

第11回(12/17)頭皮研究の最前線

最後のトークは薬学部の道原明宏教授による頭皮の健康の話でした。中国の大企業との共同研究で、頭皮の炎症を抑える薬を開発するというスケールの大きな話でした。頭皮には様々な菌類が存在し、悪い“ヤツ”もいい“ヤツ”もいるそうです。しかし、どっちもいなくなってしまうと、それも問題で、頭皮の菌類のバランスを保つことがとっても重要とのことでした。長年、コレステロールや動脈硬化を研究してきた研究者が、頭皮の菌類研究の第一線にいるというダイナミックな数年間の出来事を教えてくれました。興味を持った皆さんは道原明宏教授まで!

 

今年度もグリーンサイエンストークに足を運んでいただきありがとうございました。サイエンスってこんなに楽しいんだということが少しでも伝わっていればいいなぁと思います。来年もぜひお越しください!

 

学長から一言:グリーンサイエンス研究センター主催の「グリーンサイエンストーク」は、学会報告や学術講演のようには肩の凝ることがなく、しかし、発表者は科学の本質をしっかり抑えた上で、聴く側に分かり易く語りかける、そんな雰囲気の催しのようです。今年度実施予定の3回が無事終了。着々と実績が上がっていることを心から慶びたいと思います。

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