【剣道部】第69回全日本学生剣道選手権大会並びに第55回全日本女子学生剣道選手権大会に出場!

【剣道部】第69回全日本学生剣道選手権大会並びに第55回全日本女子学生剣道選手権大会に出場!

 

令和3年(2021年)12月4日(土)に開催された剣道男子学生個人の全国大会である「第69回全日本学生剣道選手権大会」に経済学部経済学科3年次の鈴木匠さんが、また同日に開催された剣道女子学生個人の全国大会である「第55回全日本女子学生剣道選手権大会」に経済学部経済学科4年次の佐野菜々子さんが出場しましたので、剣道部顧問の香川直己工学部スマートシステム学科)が結果を報告します。

学生剣道の世界も、2020年、2021年は様々な決断が迫られた年となりました。特に2020年度は、団体戦、個人戦すべての大会が中止となり、この年に全国大会出場を目指して精進してきた学生たちに大きな失望感を与えることになりました。一方、全日本剣道連盟では技の攻防、残心の上で不可避となる発声、接近を伴う剣道の特性を踏まえた上で、感染防止対策を施しつつ稽古、試合ができる用具、稽古法、試合規則の制定を急ぎ、徐々に稽古が再開されていました。

全日本学生剣道連盟は、2021年度の個人、団体の全国大会を開催することを念頭に事業を進めましたが、第5波の影響は、学生剣道の世界にも再び影を落とし、全国大会につながる地区大会の開催可否についても地区連盟ごとの判断にゆだねられることになりました。

このような背景のもと、これまで夏に行われてきた個人の全国大会である、全日本学生剣道選手権大会、ならびに、全日本女子学生選手権大会が、12月4日(土)に東京都墨田区総合体育館で開催されることになり、中四国学生剣道連盟では過去の実績を踏まえて加盟大学に参加枠を付与し、各大学が選手を選考するという選抜方法を採りました。福山大学は、全日本学生選手権大会に1名、同女子選手権大会に1名の枠が与えられ、部内選考の結果、それぞれ、鈴木さん、佐野さんが出場権を獲得しました。2名とも全日本選手権大会は初出場です。

大会出発に先立つ11月30日(火)に学長室を訪問し、大塚学長から激励をいただきました。

左より鈴木 匠さん、大塚学長、佐野菜々子さん、そしてブログ筆者の香川

 

試合結果をお伝えしましょう。選手の引率を峠(たお) 周治監督にお願いし、私は、福山大学からライブ配信映像で応援をいたしました。
試合は3本勝負。先に2本先取することで勝者となります。全日本学生兼選手権大会、第2試合場の第1試合に登場した鈴木さんは、気迫のある堂々とした剣風で相手と互角に渡り合っていましたが、試合開始後3分30秒、満を持して放った面に対する抜き面で1本を先取され、果敢に攻め込むところを小手を取られ、2本先取され敗退しました。敗れはしましたが、全国大会にふさわしい試合であったと思います。彼は3年次ですから、最終学年に向けた大きな経験ができたのではないかと思います。個人、団体ともに次年度の活躍を期待しています。

美しい構えで堂々とした試合運びをする鈴木さん(こちら向き)

 

全日本女子学生選手権大会、第5試合場の第6試合に登場した佐野さんは、胸のすくような素晴らしい剣道を見せてくれました。恐らく彼女がこれまで見せたことのないほどの気迫あふれる、それでいて、慎重な攻めに、何かが起こりそうな期待感を抱きながら、吸い込まれるように画面を見つめておりました。そして、試合開始後2分40秒、素晴らしい飛び込み技で面を先取しました。(剣道の応援は拍手のみで声援を送ってはいけないのですが、遠く離れていることを良いことに、思わず大きな歓声を上げてしまいました。)その後も積極的な攻めを見せていたのですが、3分30秒、一瞬の隙をつかれて面を取り返されてそのまま延長戦に入りました。延長戦でも一進一退の激しい攻防を続けていましたが、試合開始から8分、面を取得され勝負がつきました。結果からみれば、残り30秒で勝利を逃したのかもしれませんが、これは4年間の彼女の思いと鍛錬の成果を余すところなく出し切った天晴な試合でした。

激しい間合いの攻防の中から一閃した佐野さん(後ろ姿)の会心の面。この時、竹刀は既に相手の面に届いていました。

さて、試合後の一枚です。

試合を終えた鈴木 匠さんと佐野菜々子さん

 

鈴木さんは、来年への闘志を、佐野さんは4年間の達成感を纏っているように私には見えます。二人の健闘を心から讃えたいと思います。

なお、彼らの試合の動画は、毎日新聞社のウェブページから視聴することができます。

 

 

学長から一言:大会への出発直前のスーツ姿とは打って変わって、道着・防具を身につけた二人は実に凜々しく、頼もしい。試合直後に剣道部顧問の香川教授から教えてもらった動画配信サイトで見た試合中の二人は感動的でした。やるか、やられるかの緊張感、相手の一瞬のスキを逃さずく衝く武道の厳しさがひしひしと伝わって来ました。直垂に書かれた名前で鈴木さんと佐野さんを確認し、素人にはどこでどう決まったのかよく判らないながらも、そして結果は知っていても、思わず握る拳に力が入りました。鈴木さんには、峠監督の指導の下、来年に向けて更なる精進を期待します。