【ワークライフ支援室】セミナー~希望の未来を拓く青年たちへ~

【ワークライフ支援室】セミナー~希望の未来を拓く青年たちへ~

ワークライフ支援室(男女共同参画推進室)は、ワークライフバランスを重要と考え、男女ともに働きやすく活躍できる職場や環境を目指し、様々な情報を発信しています。その活動の一環として、令和2年度ワークライフ支援室セミナーを建築学科のユニバーサルデザイン論の公開授業との共催で1月18日(月)に開催しました。ワークライフ支援室室長の薬学部杉原成美教授からの報告を薬学部ブログメンバーの五郎丸が紹介します。

今回のセミナーには、講師として(株)ライフステージ 取締役/保育士 妹尾昌子氏をお招きし、「希望の未来を拓く青年たちへ~あなたたちだからできることが、必ずある~」の演題で講演をいただきました。

次世代を担う学生の教育に携わる我々教職員に対して、参考になる貴重なメッセージが発信された講演会でした。しかし、コロナ禍のために急遽、学生の参加が中止になり残念でした。

職場は人づくりの場でもあります。妹尾氏が取締役を務める(株)ライフステージは、創業25年のまだ若い会社で、社長である夫と二人で興した住宅建設会社だそうです。住宅建設の領域は男性を中心とした職場のイメージを持ちますが、この会社では取締役である妹尾氏を筆頭に、多くの女性がポジションを得て活躍しています。週に1回開催している子育て支援ナチュラルママサークルのための空間が社屋の一角にあり、顧客も従業員もライフとワークのバランスをとる人生や家づくりの大切さを感じることができます。日本の古くからの経営哲学である「三方よし」が、引き継がれている会社です。

妹尾氏は建築業界とは全く無縁の保育士からの転職になりますが、保育士で培ったキャリアを活かし、自分の武器として会社の中に自分の居場所を築かれました。「技術もない」「知識もない」「ない」ことだらけを実感する中で、自分は何ができるのか、何の役に立つことができるのか、自分の可能性を考え抜いた時に見つけた答えが周囲の「潤滑油になる」ことでした。いつも最高の笑顔で周囲を懐深くに受け止めることでした。物心がついた小学校の低学年の頃、先生からの言葉が妹尾氏をその後長く霧で覆ってしまいました。その覆った霧を払うのに、何年もの歳月が必要だったそうです。しかし、その霧の中を抜けて来たことによって、保育士になることや潤滑油になるという答えを導き出すことができたのかもしれません。人はそれぞれ使命をもってこの世に生を受け、みんな大事な存在で価値があるということを深く感じることも霧の中で培われた感性かもしれません。みんなそれぞれに輝く個性があるとのメッセージには、大人しすぎるほどの子供であっても、その内面ははちきれないばかりの豊かな個性で溢れていたとの思いが込められていると感じました。

失敗や挫折は、走って逃げると後を追いかけてくる犬のようなものと例えられます。逃げないで向き合うと、犬が懐いてくるように、まさに自分の個性を磨くことに繋がります。怖がらず、恐れを超えていくことで自分の夢を大きく開かせることができます。失敗や挫折を超えてこそ得られる成功体験は、自分の個性を磨き、自らを大きな器に変えるために必要なものといえます。それでは、器は何のために大きくする必要があるのでしょうか? それは人のために貢献できることが増えるから、多くの人の役に立つことができるから、そこに夢の実現を見ることができるから、かもしれません。

どんな人に憧れますか?どんな人を尊敬しますか? しかし、憧れや尊敬だけで終わらせてはいけません。あなたが感じた憧れや尊敬と同じ種が、あなた自身の中にもあります。芽吹く時を待っています。自信がないなと思うことは、自分に足りないことを知るチャンスです。自分の夢が遥か彼方にあったとしても、その実現を信じて頑張れることを一つでもいいので探しましょう。自分の一番良いところを磨きましょう。できることを増やしましょう。それが個性を磨くことに繋がるはずです。

この度の講演会では、(株)ライフステージでのインターンシップのワークとして実際に行われている内容を行ってくださいました。

「可能性について考えたことがありますか?」「自分には可能性があると信じられますか?」そして、「関わる人の可能性を信じていますか?」は、次世代を担う学生の教育に携わる我々教職員にとって、心に刺さる言葉でした。貴重なメッセージが発信された講演会でした。

ワークライフ支援室 室長 杉原成美

学長から一言:すばらしい内容の講演だったようですね。。。コロナ禍で参加者が限られてしまったのが残念! 妹尾昌子様、貴重なお話しをありがとうございました!