情報工学科
上野 貴弘(うえの たかひろ)
| 職 名 | 助教 |
|---|---|
| 学 位 | 博士(工学) |
| 専門分野 | 人間情報学、IoT |
| 担当科目 | コンピュータネットワーク、情報センシング、情報セキュリティ |
| メッセージ | ICT機器を通して人の生活を豊かにするための方法を研究しています!専門は情報工学系の分野ですが、教育、心理、医学など様々な分野を横断できます。好奇心が旺盛な人は一度足を浸かってみてください、抜け出せなくなります。私がそうです。 |
生体情報からハラスメントを検出できるのか
ハラスメント(いじめやパワハラ)は、被害者本人の主観的な感情に深く関わる行動です。この研究では、被害者が「ハラスメントで強いストレスを受けた」と感じたときの生体情報、特に心拍変動などのデータに着目し、機械学習を活用してハラスメント状態の検出を試みています。VR動画を用いた疑似体験実験を通じて、リラックス時とハラスメント時の生体反応の違いを分析しています。なお、100%の自動検出を目指すのではなく、あくまで一次フィルターとして活用できることを目指しています。
ハラスメント被害体験実験の様子
メンタルヘルス症状を「悪い」と認識せずに行動変容できるのか
最近では、メンタルヘルスをモニタリングするアプリが普及していますが、「症状が悪い」と直接通知されることで、逆に不安を感じる場合もあります。この研究では、自分のメンタル状態を明確に言語化せず、曖昧な自己表現ができる仕組みや、機械学習による異常の自動検出を活用しています。また、「悪い」という言葉で伝えるのではなく、天気のメタファー(例:雨の街並み)を使ってやんわりと気づきを与えるなど、症状の悪化をストレートに認識させず、行動変容を促す新しい通知インタフェースを研究しています。
メンタルヘルス症状のトラッキングシステム
生体情報の時系列変化からフロー状態を見つけることができるのか
何かに夢中になって取り組んでいる状態は「フロー」と呼ばれますが、どのような生体的変化が起きているのかは十分に解明されていません。この研究では、シューティングゲームやテトリスなど、難易度を調整できる単調なアクティビティを使い、心拍変動などの生体情報を時系列で解析しています。特に、フロー状態は「能力と難易度が釣り合っているとき」に生じやすいと言われており、実験を通じて難易度ごとにフロー状態がどのように変化するかを詳しく調べることで、集中や没頭の生体的指標を明らかにしようとしています。
フロー状態を調べるためのシューティングゲームプレイ実験




