【国際交流】ブルガリア協定大学を訪問 冨士副学長の出張記

【国際交流】ブルガリア協定大学を訪問 冨士副学長の出張記

「ブルガリア」と聞くとヨーグルトを思い浮かべる方が多いと思いますが、この記事を読まれた方は、「福山大学」と聞くとブルガリアとの国際交流を連想されるようになること請け合いです!今月、冨士副学長がブルガリアの2つの協定大学を訪問しました。たくさんの綺麗な写真と共に出張記が届きましたので、国際交流課長の坪根が紹介します。

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副学長の冨士です。12月5日(水)から8日(土)までブルガリアに出張してたので、その様子をご報告します。出張の目的はソフィア大学の130周年記念に出席することと、2年前に協定を締結したヴェリコ・タルノヴォ大学を訪問することでした。本学とブルガリアとの関係は、バラの町を縁とする留学生受入れを経て、2010年11月にソフィア大学と学術教育交流協定の締結により本格的に開始しました。その後、交換留学生枠の増加やエラスムス+協定の締結により量的にも質的にも充実しました。さらに2年前にはヴェリコ・タルノヴォ大学とも協定を結び、現在までに18名の本学学生がブルガリアに留学しています(内16名がソフィア大学、2名がヴェリコ・タルノヴォ大学)。この間、ブルガリアからは11名の交換留学生を受け入れてきました。

まず、ヴェリコ・タルノヴォ大学を訪問しました。ヴェリコ・タルノヴォはソフィアから高速バスで3時間半ほどのところにあり、12世紀から14世紀にかけてブルガリア帝国の首都として栄えた観光資源にも恵まれた都市で、大学からも歴史的な絶景が見渡せます。

大学から見えるツアレヴェッツの丘

早速Burov 副学長他のメンバーと面談し、両大学の説明を行い、一層の両校の交流発展に努力することで一致しました。会議場は四方にはビザンチン様式の壁画が描かれており、ブルガリアの歴史を感じさせます。たまたま当日は「学生の日」の式典があり、学長による学生表彰等の式典が行われました。Burov副学長がフォーマルなガウンを着ているのはそのためです。私も飛び入りで招待され、丁寧に福山大学の紹介をしていただきました。

会談後Burov 副学長との記念撮影

「学生の日」式典開始

Bondzholov 学長と

式典終了後、Bondzholov 学長、Burov副学長等から昼食にご招待を頂きました。学長のご専門はスラブ文学とのことで、ビザンチンの歴史・文化談議を肴に、一層の親交を深めることができたように思います。

現在本学からは国際経済学科の盛影さんが留学中であり、ブルガリアの学生も交えて懇談会をしました。日本語学科の1,2年生たちが参加してくれましたが、明るくて元気なこと、日本語がしっかりしていること、アニメにひかれて日本語を始めたこと、日本留学を希望していることなどは共通です。盛影さんは日本人一人でちょっと心配していたのですが杞憂でした。日本語学科の学生たちが親日的なこともあるのかもしれませんが、盛影さんは憶する様子もなく、日本関連の話題が多かったこともあってか、グループの中心的存在として会話を楽しんでいる様子でした。若い学生は場を与えられれば成長するということを改めて認識させてくれました。留学生がほとんど例外なく成長して戻ってくる理由の一端を見た思いです。

盛影さんと日本語学科の学生たち

翌日ソフィアに戻り、渡邊駐ブルガリア大使と昼食をともにしました。大使館は本学留学生を見守り、困ったときに助けてくれる心強い存在です。これまでも大使館には病気の時等に大変お世話になっています。渡邊大使からは引き続き留学生をサポートするとともに、日本とブルガリアの交流のため福山大学に期待するとのお言葉をいただきました。また、同席された江端参事官は危機管理の専門家として「ゴルゴ13の海外安全対策マニュアル」を作られた方だとお聞きし、心強く思いました。

向かって右が渡邊大使、左が江端参事官

大使とお別れした後は、ソフィア大学隣のカフェレストランで、人間文化学科の長見さん、メディア・映像学科の大嶋さん、ソフィア大学日本語学科3学生たちと語り合いました。今年の秋まで本学で学んでいたマルティン君とお母さまが駆けつけてくれたのもうれしい驚きでした。大嶋さんも長見さんも当初は慣れない留学生活に苦労したようですが、今ではソフィア大学での毎日を満喫している様子でした。

大嶋さん、長見さんと日本語学科の学生たち

また、日本語学科を訪問し、1年生の授業を参観させて頂きました。学生たちは日本語を始めてまだ2か月とのことでしたが、授業はすべて日本語で進められ、速いテンポの質問に答えるだけでなく、漢字の音読みと訓読みを理解しているのには感心しました。途中から私も飛び入り参加し、「福山大学のシンボルがコウモリというのは本当か?」(→福山市のシンボル)などの質疑を交えながら授業を楽しみ、終わりには学生が手作りした来年の干支の年賀状を贈られました。ソフィア大学日本語学科の皆さんからは本学の国際交流関係教職員に山のようなお土産を頂き、両大学の親密な関係を改めて実感しました。

その後、担当のStoicheva副学長と国際交流課担当を交えて協定改定について協議し、基本的な合意に至ることができました。これによりソフィア大学との交換留学がさらに活発になりそうです。

熱心に日本語を学ぶ日本語学科の1年生

日本語学科の諸先生、JICA派遣の納士先生と山口先生

12月8日(土)にはソフィア大学の130周年記念式典に出席しました。午前中はセレモニーやキャンパスツアーが組まれ、ソフィア大学の歴史ある建物内部、多くの貴重図書を保蔵する図書館、巨大なマンモスの化石が迎える考古学博物館などを見学し、午後は東方正教教会や古代ローマ遺跡が混在する魅力あるソフィアの町を案内してもらいました。

ソフィア大学正面

ソフィア大学正面玄関

ソフィア大学化石展示館

大学近くのアレクサンドル・ネフスキー寺院

式典はIvan Vazov 国立劇場において、ルメン・ラデフ大統領をはじめとする来賓、海外大学からの招待者、大学功労者等を迎え盛大に行われました。ヨーロッパ等多くの海外大学招待客はガウンを纏い、式典の厳粛な雰囲気を演出していました(私は持っていないのでスーツ姿でした)。

式典会場のIvan Vazov 国立劇場

入場を待つ海外大学からの出席者

挨拶、祝辞、功労者表彰等が終わると一転し、舞台上ではブルガリア合唱、器楽演奏、ジャズ演奏等が繰り広げられ、最後はブルガリア民族舞踊で華やかに幕を閉じました。

式典を盛り上げるブルガリアの民族舞踊

体力的にはなかなか厳しい出張ではありましたが、以下の収穫があり、満足して帰国することが出来ました。

・留学中の学生たちの様子を目の当たりにし、ブルガリア学生を交えて語ることができ、若者が海外留学で成長する可能性を改めて確信しました。「努力は報われる!」、盛影さん、大嶋さん、長見さん頑張ってください。
・両大学の日本語学科の先生方、学生たちが福山大学に親近感を持っていること、それが留学生たちの支えになっていることが再確認できました。今後もこの良好な関係を維持・発展させて行きたいと思います。
・大使館も交流を暖かく見守ってくださっており、留学生にとって心強い存在であることがよくわかりました。
・さらに交流を発展させるため、ソフィア大学との協定を改定することの目途がつきました。ヴェリコ・タルノヴォ大学とも一層の相互信頼を築くことが出来たと思います。
・海外からの参加他大学との交流の糸口を掴むことが出来ました。

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学長から一言:冨士副学長、短期間での2大学の出張、お疲れさまでした!歴史遺産と文化を大切にしているブルガリアはとても魅力的!学生達の成長ぶりもとてもうれしいですねッ!たくさんの学生がこのブログを見て、留学を希望・決意してくれると、さらにうれしいですねッ!!!