【薬学部】薬学部生が筆頭著者として国際学会誌に論文掲載
薬学部6年の角場里菜さんが、筆頭著者として執筆した研究論文が生体試料分析および薬物動態研究分野の国際学術誌(J Chromatogr B)に掲載されました。このことについて、指導教員の佐藤雄己教授からの報告です(投稿は五郎丸です)。
本研究は、新潟医療福祉大学の藤井豊先生との共同研究として実施されました。ECMO(体外式膜型人工肺)は、新型コロナウイルス感染症の流行時に重症患者治療で広く注目された高度な生命維持装置です。ECMO施行中には薬物の体内動態が変化することが知られていますが、その詳しい機序は十分に解明されていません。本研究では、その機序解明を目指す薬物動態研究の基盤として、ECMOモデル動物の血漿中薬物を高精度に測定する分析法の開発に取り組みました。

2026年3月に行われた日本薬学会年会で発表する角場さん
角場さんは、LC-MS/MS(液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析計)を用いた測定、データ解析、論文執筆に主体的に取り組み、本研究成果を筆頭著者として発表しました。また、角場さんはこれまでにも、2025年に発表されたScientific Reportsなどの掲載論文2報にも共著者として参画し、薬物濃度測定やデータ取得を担当してきました。学部在学中に複数の国際論文の発表に関わり、本論文では筆頭著者として研究成果を取りまとめたことは大きな成果です。
研究を通じて習得したLC-MS/MSによる分析技術やデータ解析能力は、薬物動態研究や個別化医療の発展に欠かせないものです。近年の薬剤師には、薬物が体内でどのように変化し患者ごとにどのような影響を与えるのかを科学的に評価する能力が求められています。今回の研究活動は、将来の医療や創薬研究を支える実践的な学びの機会となりました。
今後のさらなる研究の発展と活躍が期待されます。

掲載論文
論文タイトル: “Simultaneous Quantification of Remimazolam, Midazolam, 1’-Hydroxymidazolam, and Dexmedetomidine in Rat Plasma by LC-MS/MS: Application to Biological Samples and Partial Validation in ECMO-Derived Plasma ”
著者名: Rina Kakuba, Yuhki Sato, Yu Fujii, Yuka Nagatsuka, Takuya Abe, Yutaka Fujii
DOI: 10.1016/j.jchromb.2026.125343
学長から一言:薬学部6年生の角場里菜さん、筆頭著者として執筆した論文が権威ある国際学会誌に掲載された喜ばしいニュース、本当におめでとうございます。私のような素人でも耳にしたことのあるECMOという人工肺機器の施行中に起こるという、薬物の体内動態の変化をモデル動物を使って調べ、血漿中薬物を高精度に測定する分析法の開発に取り組んだとのこと。きっとたいへん意義深い研究なのでしょう。苦労も多かったことでしょうが、研究の面白さを一度覚えると病み付きになるもの。これからの更なる発展が楽しみです。




