【薬学部】学生たちの挑戦が輝く。日本薬学会第146年会に参加しました。
日本薬学会 第146年会(会期:2026年3月26日~29日)が、関西大学 千里山キャンパス(大阪府吹田市)で開催されました。同学会には、全国から多くの参加者が集まりましたが、福山大学薬学部からは40演題の発表が行われ、そのうちの30演題は学生が、5演題は教員が筆頭発表者として発表しました。その発表の様子について、薬学部の今重之教授(薬学研究科長、グリーンサイエンス研究センター 副センター長)と松岡浩史教授からの報告です(投稿者:五郎丸)。
本学薬学部の研究室は、基礎薬学分野(化学系2研究室、生物系4研究室、物理系3研究室)、衛生薬学分野(2研究室)、医療薬学分野(4研究室)、薬学臨床分野(3研究室)の合計18研究室から構成されています。学生たちは4年次に各研究室へ配属され、課題研究を実施していく中で、薬の科学者として必要な論理的思考能力、問題発見・問題解決能力、実践力などの修得を目指します。
これら研究室は、未来創造館(薬学研究棟)の4階から10階にかけて配置されています。
研究室一覧:https://www.fukuyama-u.ac.jp/course/pharm/pharmacy/labo-list/
未来創造館(薬学研究棟):https://www.fukuyama-u.ac.jp/news/43343/

未来創造館(中央)と医療薬学教育センター(右奥)の外観
この未来創造館で学生たちが取り組んできた研究成果について、日本薬学会で下記の発表を行い、質問や議論を通して学びを深めてきました。
■エストロゲン受容体陽性乳がん細胞における17β-エストラジオールとカドミウムの相互作用:エストロゲンシグナルの過剰活性化とERαの分解促進 [29-21-pm09S] ○要田 恒希1、平尾 雅代2、瀧口 益史2、竹田 修三1 (1は 福山大院薬所属、2. 広島国際大薬は所属、以下同様)

■薬学生の自己の健康管理と地域住民に対する健康支援への意識に及ぼす薬学教育の影響 [28-59-pm1-03S] ○高山 佳穂1、上本 涼太1、小松 可歩2、村上 慎3、鶴崎 健一4、猿橋 裕子5、竹田 修三1、杉原 成美1 (1.福山大薬、2. 脳神経センター大田記念病院、3. JA尾道総合病院、4. 福山大共同利用センター、5. フィンガルリンク(株))

■菌比率依存的なHaCaT細胞の炎症応答性を解析する新規共培養系の構築と Staphylococcus capitis の機能評価 [29-23-am03S] ○金子 凌1、三輪 大智1、松岡 浩史1,2、Fangfang Wang3、Xianting Lin3、Jianzhong Yang3、道原 明宏1,2 (1. 福山大薬、2. 福山大院薬、3. 美研創新)

■共培養系におけるリジン/アルギニン由来ペプチド単独とマルトテトラオース含有オリゴ糖併用による皮膚常在菌の菌選択的作用 [27-63-am-17S] ○三輪 大智1、道原 明宏1、松岡 浩史1、丹下 雅仁1、王 放放2、林 嫻婷2、楊 建中2 (1. 福山大薬、2. 美研創新)

■大学祭における児童と保護者のペアを対象とした体験型ワクチン教育プログラムの実践とその有効性の評価 [28-59-am-14S] ○道原 ゆい1、渡邉 果歩1、金子 凌1、永塚 由佳1、松岡 浩史1,2、道原 明宏1,2 (1. 福山大薬、2. 福山大院薬)

■天然由来ポリメトキシフラボンによる RORα 核内受容体アゴニスト活性の評価 [28-62-pm1-05] ○松岡 浩史1,2,3、井野 蒼1、行武 由利子1、佐倉 智哉1、高橋 希弥1、秦 季之1、栢木 宏之4、木曽 昭典4、道原 明宏1 (1. 福山大薬、2. 福山大グリーンサイ研セ、3. 福山大教育セ、4. 丸善製薬総合研)

■エルネオパ®NF1号輸液に混注した低用量インスリンの濃度変化 [28-58-am-06] ○藤村 よしの1、巻 篤志1、熊谷 岳文2、木平 孝高1、佐藤 英治1 (1. 福山大薬、2. 株式会社ファーマシィ)
■HIF-1αヘテロ欠損マウスにおける腎虚血再灌流障害後の腎線維化解析 [28-60-pm2-02S] ○内田 直倫1、木平 孝高1、藤村 よしの1、佐藤 英治1 (1. 福山大薬)

■尿細管細胞における低酸素/再酸素化処理およびERストレスによるグルタチオン分解酵素CHAC1発現に対する低酸素誘導因子の異なる働き [29-63-pm1-50S] ○廣村 光美1、木曽 智彩音1、藤村 よしの1、木平 孝高1、佐藤 英治1 (1. 福山大薬)

■散剤代用となる新規小児用製剤に関する研究 ~小児と保護者のニーズ調査~ [28-60-pm1-24S] ○公文 愛花1、松岡 啓輔1、川井 慎太郎1、井上 真2、五郎丸 剛1 (1. 福山大薬 、2. 福山市薬剤師会)
■散剤代用となる新規小児用製剤に関する研究 ~薬剤師のニーズ調査~ [28-60-pm1-25S] ○川井 慎太郎1、松岡 啓輔1、公文 愛花1、井上 真2、五郎丸 剛1 (1. 福山大薬、2. 福山市薬剤師会)

■リスペリドン内用液と茶飲料によって生じる沈殿のカフェインによる可溶化効果 [29-53-am-10S] ○藤原 隼輔1、大本 亜美1、鎌倉 紗恵1、松岡 啓輔1、石津 隆1、五郎丸 剛1 (1. 福山大薬)

■金属ポルフィリン触媒系を活用した内因性ビタミンD3酸化代謝物合成法の開発研究 [27-61-pm2-18] ○小川 祥二郎1、合田 七彩1、中西 ひなり1、伊達 有子1、楢原 奈穂子1、井上 裕文1、小嶋 英二朗1 (1. 福山大薬)
■電子環状反応を利用した新規quinazolin-4-one骨格構築法の開発と応用 [27-61-pm2-24S] ○内畠 茉祐1、西山 卓志1、町支 臣成1 (1. 福山大薬)
■Cyclocarbonylation反応を利用したclausamine類の不斉全合成研究 [27-61-pm2-25S] ○大江 倫暉1、西山 卓志1、稗田 雄三1,2、町支 臣成1 (1. 福山大薬、2. 福山大共同利用センター)
■エナミノジケトンと置換ヒドラジンとの反応によるピラゾール誘導体の合成とその構造解析 [27-61-pm2-26S] ○花谷 理紗子1、西山 卓志1、山内 明2、秦 季之1、波多江 典之3、町支 臣成1 (1. 福山大薬、2. 川崎医大、3. 横浜薬大)
■新規indolo[3,2-a]carbazole骨格構築法の開発とdamirine Bの全合成研究 [27-61-pm2-32S] ○林 奈菜子1、西山 卓志1、町支 臣成1 (1. 福山大薬)
■3-Arylisoquinolone合成におけるReissert-Henze型反応の特異的な反応に関する検証 [27-63-pm1-52S] ○水野 翔太1、西山 卓志1、秦 季之1、稗田 雄三1,2、波多江 典之3、町支 臣成1 (1. 福山大薬、2. 福山大共同利用センター、3. 横浜薬大)

■(+)-eupenoxide のα-グルコシダーゼ阻害活性の解明 [27-59-am-01] ○佐藤 真子1、前原 昭次1、秦 季之1 (1. 福山大薬)

■穿孔褐斑病サクラエンドファイトの構成に関する研究 [28-62-pm1-21] ○種田 ひなの1、髙原 千穂1、前原 昭次1 (1. 福山大薬)

■ヨモギエンドファイト糸状菌培養エキスの抗酸化活性に関する研究 [28-62-pm1-22] ○後藤 拓1、安井 愛友1、髙原 千穂1、前原 昭次1 (1. 福山大薬)

■ユキノシタエンドファイト培養エキスの抗SARS-CoV-2活性 [28-62-pm1-23] ○釜田 知里1、中嶋 章悟2、渡士 幸一2、秦 季之1、前原 昭次1 (1. 福山大薬、2. 国立感染症研究所)

■ユキノシタエンドファイト糸状菌の分離・同定 [28-62-pm1-24] ○門田 雪杏1、釜田 知里1、秦 季之1、前原 昭次1 (1. 福山大薬)

■サンショウエンドファイト培養エキスのSARS-CoV-2由来3CLプロテアーゼ阻害活性 [28-62-pm1-27] ○渡邉 亮1、中嶋 章悟2、渡士 幸一2、髙原 千穂1、前原 昭次1 (1. 福山大薬、2. 国立感染症研究所)

■ウメエンドフ糸状菌培養エキスの抗SARS-CoV-2活性 [28-62-pm1-29] ○足立 桐琉1、中嶋 章悟2、渡士 幸一2、髙原 千穂1、前原 昭次1 (1. 福山大薬、2. 国立感染症研究所)

■Aspergillus属由来eupenoxide類の抗SARS-CoV-2活性および選択的α-グルコシダーゼ阻害活性 [28-62-pm1-25] ○髙原 千穂1、柴田 紗知2、熊本 萌香1、稗田 雄三3、中嶋 章悟4、渡士 幸一4、秦 季之1、前原 昭次1 (1. 福山大薬、2. 岡山県大保、3. 福山大共セ、4. 国立感染症研)

■NPC1L1 LoopC-LoopI変異体を用いたコレステロール結合解析 [28-63-pm2-15] ○中石田 啓1、岡田 心祐1、東元 結渚1、橋本 諒1、志摩 亜季保1、上敷領 淳1 (1. 福山大薬)

■自己免疫疾患における翻訳後修飾型ネフロネクチン受容体発現細胞とその機能の解析 [29-63-pm1-29] ○本田 真知子1、今 重之1 (1. 福山大薬)

■LC-MS/MS法による鎮静薬3種および代謝物のラット血中濃度同時測定法の開発と応用 [27-13-am04S] ○角場 里菜1、佐藤 雄己1、永塚 由佳1、阿部 拓也2、藤井 豊2 (1. 福山大薬、2. 新潟福祉大医療技術)

■分子系統に基づく新規病原性カンジダ菌に有効な治療薬 ―Yarrowia属およびSporopachydermia属 [27-63-am-58S] ○池田 あゆみ1、永塚 由佳1、佐藤 雄己1 (1. 福山大薬)

■がん食欲不振-悪液質マウスにおける消化器障害に対する六君子湯および人参養栄湯の効果の比較 [28-51-am-09S] ○出原 翔1、井上 千尋1、木村 颯太1、永塚 由佳1、佐藤 雄己1 (1. 福山大薬)

■ドネペジル投与時の消化器症状および薬物動態に及ぼす人参養栄湯の影響 [28-52-am-03S] ○久保 智香1、木下 翔音1、坂元 瑠璃1、永塚 由佳1、佐藤 雄己1 (1. 福山大薬)
■ドネペジル投与時の消化器症状および薬物動態に及ぼす抑肝散および抑肝散加陳皮半夏の影響 [28-52-am-06S] ○坂元 瑠璃1、木下 翔音1、久保 智香1、永塚 由佳1、佐藤 雄己1 (1. 福山大薬)

■統合失調症患者におけるクロザピンおよび代謝物の血中濃度変動と薬物代謝関連因子の検討 [28-54-am-12S] ○藤井 絢悟1、横江 穂奈美2、高田 千明1、永塚 由佳1、山田 雅彦2、福田 のぞみ2、下村 悠祐2、塩出 知余美2、藤田 康孝2、中村 優2、佐藤 雄己1 (1. 福山大薬、2. こころホスピタル草津)

■シスプラチン誘発性悪心に対する小半夏加茯苓湯の効果 [28-60-pm1-08S] ○木村 颯太1、出原 翔1、永塚 由佳1、佐藤 雄己1 (1. 福山大薬)

以上、35演題でした。この他に、他大学や企業の筆頭発表者としての共同研究発表が5演題ありました。



また、学会発表後は学生たちを労い、今後の研究についてのディスカッションとともに、ご当地グルメも堪能しました!!
【薬学研究科】:薬学部6年制を卒業後の進学先となる大学院薬学研究科博士課程4年制では、医療に貢献できる高度で広範囲な知識に基づく研究能力を有するスペシャリストの養成を目指しています。
今教授(大学院薬学研究科長)からの一言:先日、3月下旬に開催された「日本薬学会第146年会」は、関西大学の千里山キャンパスが会場となりました。毎年8,000名規模の大きな学会ということもあり、現地は大変な熱気に包まれていました。会期中は天候にも恵まれ、満開の桜の下、清々しい気持ちで参加することができました。
今回、本学の薬学部と薬学研究科からは「40演題」もの発表がありました!これだけ多くの発表ができたのは、高い研究マインドを持った学生が増えていることに加え、未来創造館1階の共同利用センターへの新型機器の導入が進んでいる成果だと考えています。
そこで、学会で発表した学生・大学院生の皆さんへ一つお願いです。「研究って面白いな」と興味を持ってくれる後輩が一人でも増えるよう、ぜひ今回の経験や研究の面白さを直接伝えてあげてください。皆さんの生の声が後輩たちへの良い刺激となり、研究発表に挑戦する学生・院生がさらに増えることを大いに期待しています。
学長から一言:関西大学千里山キャンパスで開催の日本薬学会 第146年会に本学薬学部の教員・大学院生・学部生が多数参加し、40演題もの研究発表を行ったという実に頼もしい報告。他機関の研究者との共同研究も含めて、本学で薬学分野の研究が充実した研究機器を活用して精力的に展開していることの表れです。学会発表の緊張の後、関西の味を満喫する息抜きとともに、打ち解けた雰囲気の中で今後の研究展開について熱く語られたことでしょう。




