【薬学部】薬物乱用防止サークル「危防」の活動
薬学部3年生を中心に薬物乱用防止サークル「危防」が2024年度に結成されました。2025年度は新たに1年生8名が加入し、サークルとしての活動を本格的に開始しました。このことについて、杉原教授からの報告です(投稿は五郎丸です)。
サークル名「危防」は、危険ドラッグや違法薬物のない社会の実現への希望を込めてつけられたものです。「危防」のメンバーは全員、「薬物乱用防止教育認定講師養成講座」(麻薬・覚せい剤乱用防止センター、広島県健康福祉局薬務課 麻薬グループ及びライオンズクラブ国際協会 共同により開講)を受講し、広島県ヤング薬物乱用防止指導員の資格を取得しています。「危防」サークルが2025年秋に行った主な活動を紹介します。
1)三蔵祭(福山大学学園祭)での啓発活動 10月25日(土)~26日(日)
三蔵祭において、未来創造館1階にブースを設置し、薬物乱用防止に関する展示や資料配布をおこない、来場者を対象に啓発活動を行いました。「身近に迫る大麻」、「オーバードーズ(OD)ってなに?」、「大国を滅ぼしたアヘン」、「タバコの害と禁煙の重要性」のタイトルでまとめたポスター展示を行いました。玄関入口の場所であったことから、200名を超える地域の方々が足を止めて展示ポスターを見てくださいました。


三蔵祭前日、ポスター展示の準備をしている様子
2)2025 三原市民保健・福祉まつり(三原市民健康まつり)への出展 10月25日(土)
広島県東部環境事務所・東部保健所からの依頼を受けて、三原市中央公民館やフジグラン三原を会場として開催された三原市民健康まつりの会場に、薬物乱用防止の啓発ポスターを展示し、来場された三原市の市民の方々に情報提供を行いました。啓発ポスターの内容は三蔵祭のポスターとほぼ同じでしたが、相談先や支援先の情報については三原市版を提示しました。啓発ポスターの展示による参加でしたが、来場された300名以上に薬物乱用防止に関する情報の提供を行うことができました。

「2025 三原市民保健・福祉まつり」の会場内に展示されたポスター
3)尾道市立栗原中学校での薬物乱用防止教室 11月6日(木)
3年生112名を対象に、オーバードーズ(OD)の危険性や違法薬物の恐ろしさについて周知する活動を行いました。オーバードーズ(OD)とは、治療とは異なる目的で身近にある市販薬を大量に服用し、乱用することです。市販薬乱用は、中学生にも拡がる兆しがあり、問題となってきています。誰もが手にしやすい市販薬にも薬物乱用の危険があることを伝えました。後日、生徒のみなさんからの感想と共に、校長先生と養護教諭の先生からお礼の手紙を受け取りました。手紙には、違法薬物は個人の問題に止まらず、自分の大切な人を巻き込み、さらに社会問題にもなっていくことを分かりやすく教えていただいたと、感謝が綴られていました。生徒の皆さんからはオーバードーズ(OD)や違法薬物にはぜったいに関わらないという感想を受け取りました。
4)広島県立尾道北高等学校での薬物乱用防止教室 11月12日(水)
「過去1年以内に市販薬を乱用した経験がある高校生は約60人に1人」との調査結果が報告されています(国立精神・神経医療研究センター)。高校からの依頼を受けて、1年生139名を対象に、「身近に迫る薬物乱用~その時あなたは~」というテーマでオーバードーズ(OD)や大麻について話しました。その後、「誘われたら、あなたはどうする?」というロールプレイングでは、3名の高校生に「断る」ことに挑戦してもらいました。高校の先生から、分かりやすく、生徒がとても関心をもって聞いていたと感想をいただきました。

高等学校での薬物乱用防止教室の様子
以上のように、薬物乱用防止サークル「危防」は、イベントや地域の学校等において薬物乱用の未然防止に関わる活動を展開しています。今後も、地域社会と連携しながら、より多くの方々に向けて啓発活動を広げて行きます。
薬物乱用防止サークル「危防」顧問 薬学部 教授 杉原成美
学長から一言:薬学部のボランティア・グループとして薬物乱用を防止し、危険防止のために活動する「危防」の皆さんが、今年も大いに活躍したようです。大学祭、地域のイベント、地域の学校での出前授業での広報活動を通じて、着実にグループの目的を遂行しています。薬物乱用の怖さが人の心に浸透し、危険な目に遭う人が減少するように、今後もいっそう頑張ってください。




