【薬学部】音楽でつながる、笑顔あふれるクリスマス♪
「和ごころ」のクリスマス活動について、薬学部の道原教授より報告です(投稿は五郎丸です)。
福山平成大学同窓会長であり、特定非営利活動法人希望のいりぐち「サポートセンターゆいねっと」(生活支援センター)を運営されている山田大史さん(相談支援専門員・社会福祉士・介護福祉士)が、インターネットで本学の情報を調べる中で、FUKUDAI Mag等に掲載されている「和ごころ」のこれまでの音楽ボランティア活動の記事をご覧になりました。その活動内容に関心を持たれ、2025年12月14日(日)に障害のある方を対象としたクリスマス会を開催するにあたり、演奏ボランティアとして協力していただけないかとの問い合わせを、本学へ直接お寄せくださいました。
この問い合わせをきっかけに、総務部庶務課・佐久間課長を通じて道原教授へ連絡があり、「和ごころ」として演奏ボランティアに伺う運びとなりました。山田さんが福山平成大学の卒業生であると伺い、姉妹校である福山大学出身の道原教授にとっても、自然と親しみを感じるご縁となりました。
当日は、「和ごころ」から道原教授、薬学部1年生の石川涼之助さん、そして、保育園や高齢者施設でのボランティア活動を積極的に行っている3年生の渡邊凜さん(バイオリン演奏)、渡邊さんの母親である美穂さん(リコーダー演奏)の計4名で参加しました。
朝9時に会場入りし、9時20分から約20分間のリハーサルを実施しました。会場設営と並行してのリハーサルで、なかなか忙しかったのですが、本番をより良いコンサートにしようと、互いに声を掛け合いながら準備を進めていきました。

リハーサル中の渡邊凜さん(左)と渡邊美穂さん(右)

会場設営に励む石川さん(右)
リハーサル中には、渡邊凜さんから「アニメソングで一緒に踊ってもらえたら楽しいのでは」という提案があり、石川さんと道原教授も加わって急きょ練習することに。約15分間の集中練習を経て、本番での披露が決定し、ほどよい緊張感が生まれました。

アニメソングの打ち合わせをする渡邊凜さん(左)と渡邊美穂さん(右)
10時になると送迎車が到着し、午前の部がスタートしました。

当日のスケジュール
参加者の皆さんによるクリスマスツリーの飾り付けや、ヘルパーの方が見守るなか塗り絵制作が行われ、完成した作品は壁へ掲示されました。

参加者が飾りつけしたクリスマスツリー
会場はこの時点ですでに、あたたかく和やかな雰囲気に包まれていました。さらに、3名の参加者がサンタクロースに扮し、プレゼントの入った袋や箱をひもで引っ張りながら登場する場面もあり、会場の盛り上がりは一気に高まりました。
演奏開始前、入口の扉の向こうで鈴の音を鳴らしながら、「トナカイがやって来る」演出を行いました。扉が開くと、トナカイの角を付け、茶色の衣装に身を包んだ渡邊凜さんが、バイオリンを携えて入場。この演出に、会場からは自然と笑顔と大きな拍手が起こりました。

トナカイをイメージさせる格好で登場した渡邊凜さん(中央)
最初の挨拶の後、クリスマスにちなんだ楽曲を3曲(ジングル・ベル、おめでとうクリスマス、もろびとこぞりて)、続いてクラシックのクリスマス曲「主よひとの望みの喜びよ」を演奏しました。
続いて、NHKの長寿アニメ『忍たま乱太郎』の「勇気100%」を、リコーダーの二重奏で演奏し、石川さんと道原教授が手拍子で会場を盛り上げました。
さらに、リハーサルで練習した踊りを、渡邊凜さん・石川さん・道原教授の3名で披露し、美穂さんがリコーダー演奏で加わる形に。参加者の皆さんも自然と手拍子をしたり体を動かしたりと、会場全体に一体感が生まれました。
最後の楽曲は、Kiroroの「冬のうた」です。渡邊凜さんが冒頭を歌い、中盤からバイオリンへ切り替え、終盤ではメロディーに合わせて手話を交えながらの歌唱となりました。

手話を交えながら奇麗な歌声を響かせる渡邊凜さん
演奏後には大きな拍手が起こり、「うまいね」、「聞けてよかった」、「また聞きたい」といった声を、参加者やスタッフの方々から直接いただくことができました。
渡邊凜さん、渡邊美穂さん、素晴らしいステージの演出、ありがとうございました。
演奏後はビンゴ大会が行われ、参加者の皆さんはたくさんのプレゼントを手に、笑顔で会場を後にされました。
昼休憩を挟んで行われた午後の部も、午前同様に大盛況のうちに終了しました。
2ステージ(各20分)の演奏を通して、これまで高齢者や園児との交流経験はありましたが、障害のある方々を対象とした集いでの演奏は初めてでした。選曲や関わり方に戸惑いもありましたが、結果として皆さんに心から楽しんでいただけたことを実感し、大きな学びとなりました。
今後は、
・より多くの方が一緒に歌える楽曲を増やすこと
・可能であれば30分程度のプログラムに挑戦すること
を目標にしたいと感じています。
このような貴重な機会を与えてくださった、生活支援センターゆいねっと様に心より感謝申し上げます。また機会がありましたら、ぜひお声がけいただければ幸いです。
なお今回は、福山大学の学生2名、福山平成大学2名、他大学等から2名の学生が一緒に活動しました。石川さんはボランティアを通じて他大学の方々と打ち解け、「名前を呼び合い、手を振って別れを言える関係になれたことがとても嬉しかった」と語っていました。
学生にとっても、かけがえのない経験となった一日でした。
それでは、一言づつ感想をお願いします。
薬学部1年生の石川さんから一言:
集まっていただいた方々に楽しんでもらうために参加しましたが、一緒に踊ってくださる方もおり、こちらも楽しませていただきました。ありがとうございました! 良いお年を!
薬学部3年生の渡邊凜さんから一言:
このたびは、地域のクリスマス会にてヴァイオリン演奏をさせていただきました。今回ヴァイオリン演奏を実施してみて、私はとても印象深い場面に出逢いました。私の演奏やダンス・ハンドサインに合わせ、参加者さんが音楽を全身で感じていらっしゃったのです。ある参加者さんは、全力でダンスをしてくださったりあるいは指揮者になりきって聴いてくださっていたり…。演奏している私も、内から湧き上がる喜びを感じながら、楽しいひとときを過ごすことができました。今回のクリスマス会演奏にご協力くださいました先生方、そして和ごころのメンバーさんに感謝いたします。今後もこのような活動を通して、「薬で病気に立ち向かい、音楽で心を癒せる薬剤師」を目指し自己研鑽に励んでいきます。
生活支援センターの山田さんから一言:
この度は、急なお願いを快くお引き受けいただき、誠にありがとうございました。当日の参加者の方々の言葉や笑顔、体の動きに表れていた通り、大成功でした。皆さんの心のこもった演奏と働きかけが参加者の心に届き、感情が動き、自然と言葉を発したり、歌ったり、立ち上がったり、体を動かして踊ったりする姿が見られました。私たちだけで行っていたクリスマス会とは違う、生き生きとした表情や反応があり、参加者の新たな一面を発見する貴重な機会となりました。
今後も、地域で暮らす障害のある方々の笑顔につながる活動を続けてまいりますので、引き続きご協力のほど、よろしくお願いいたします。
道原教授から一言:
このたびのクリスマス会において、学生たちが主体的に関わり、音楽を通して参加者の方々と心を通わせる姿を大変誇らしく感じました。一人ひとりが相手を思い、場の空気を感じ取りながら行動してくれたからこそ、あの温かな時間が生まれたのだと思います。学生の皆さんに、心より感謝いたします。
また、このような貴重な機会をご提供くださり、温かく迎えてくださった山田さんをはじめ、関係スタッフの皆さまにも深く御礼申し上げます。皆さまのご理解とご協力があってこそ、学生たちは学びを「体験」として実感することができました。
大学や学部の枠を越えた学生同士の交流は、視野を広げ、多様な価値観に触れる大切な学びの場です。今回の経験が、学生一人ひとりの将来の進路や、地域や社会に向けた活動へとつながっていくことを願っています。
今後も、このような実体験を通じて学べる機会を大切にし、多くの学生に経験してもらえるよう取り組んでまいります。改めまして、関わってくださったすべての皆さまに感謝申し上げます。
学生諸君!君たちの熱い思い、いつでも待っています! さいごに、私の想い、君に届け!
学長から一言:特定非営利活動法人の生活支援センターゆいねっとが主催した、障害のある方を対象としたクリスマス会において、薬学部のボランティア・グループ「和ごころ」の関係者4名が、バイオリン演奏など音楽で協力。参加者はクリスマスゆかりの何曲もの演奏を楽しみ、会が大いに盛り上がった様子を想像できます。お疲れ様でした。まさに「グッジョブ!」でしたね。




