【☆学長短信☆】No.132 不安の中で生活する

 新型コロナウイルス感染症の第一波は、全国的に収束状態になり、政府も社会経済活動の回復に向けて舵を切りました。学校や大学についても、安全策をとりながらの再開の方向性が、文部科学省や県から示されました。しかし、人々の往来が戻ってくると、感染者も首都圏を中心にじわりと増えてきています。本日、広島市でも感染者が出ました。広島県内58日ぶりです。私たちが新型コロナウイルスに感染する危険性も、決して零ではないのです。正しく恐れて、三密を避ける行動をしっかり取りましょう。特に夜の外出は慎みましょう。

 それでも、私たちは、不安や恐怖心をいつも抱いていることになるでしょう。このような状況下にあっては、それは当然のことですが、精神的に好ましい状況とは言いがたいですね。このようなときの過ごし方のアドバイスを、本学の保健管理センター学生相談室の松本明生カウンセラーからいただきました。

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 こんにちは。カウンセラーの松本です。ようやく対面授業が始まりましたが、遠隔授業もまだ残っており、色々と制約の多い中、学業や課外活動、就職活動など、自分のペースで進められないことが多いかもしれません。イライラしたり、これで良いのかと不安になったりといったこともあるでしょう。もちろんそれ自体は誰にでも起きることですし、変なことではありません。こういうときには自分なりのリラックス方法を見つけることをお勧めします。自然の中を歩く、ストレッチをする、ぬるめのお風呂に入る、温かい飲み物を飲む時間を作る、ゆっくりと深呼吸するなどの方法が有効です。

 臨時休業や遠隔授業の間は、将来やこれからのことを考える時間も増えていたかもしれません。「自分は資格取得を頑張りたい」「自分はこういう仕事に就きたい」と目標を立て、それを実現する方法を考えるのはとても良いことだと思います。しかし不安定な状況下では、「こんなことやっていて意味があるのだろうか」「本当に自分はこれで大丈夫なのか」といったように、自分の思考が後ろ向きに(ネガティブに)なりがちでもあります。考え方が後ろ向きになってきたかなと気づいた時には、誰かと話をすることも有効です。多くの人が不安になっているわけですから、自分だけが不安になっているわけではない、と確認するだけでも少し気が楽になるはずです。話は変わりますが、トップアスリート達は今年の夏のオリンピックという目標が急に消え、とても困難な状況にあります。ただこういう状況の中でも、多くの選手はこの状況を前向きにとらえようとしています。NHKHPでアスリートが情報発信をしています。興味があれば一度見てください。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/athlete-words/

 学生相談室では学生の皆さんの相談を受け付けています。ちょっとした気がかりな事でも相談してもらえればと、スタッフ一同(カウンセラーは私の他に、女性2名)考えています。現在、学生相談室の感染防止対策を進めているところです。安心して皆さんとお話ができる環境が整いましたら、お知らせします。それまでは電話での相談を実施しておりますので、申込希望の方はsoudan@fukuyama-u.ac.jpまで、メールで申し込んでください。

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 新型コロナウイルス感染症の拡大は、社会にも大学にも大きな影響を及ぼしてきました。そのような中でも、皆さんそれぞれにがんばっていますね。

 薬学部の井上裕文教授は、本学の薬学部教育を特徴付けるものの一つである「コミュニケーション交流学習」において、これを中心になって充実・発展させてきましたが、このたび日本薬学教育学会より、教育実践奨励賞を受賞しました。おめでとうございます。9月には授賞式並びに受賞講演が行われるとのことです。